Platelet Rich Plasma療法、多血小板血漿療法です。既に良くご存知の方や、受けられたことのある方も多い治療だと思います。自分自身の血液の一部、血小板という成分を取り出し、遠心分離器で濃縮して気になる部分に注入するという方法です。濃縮血小板の効果によりシワやたるみの予防・改善が期待でき、異物や薬剤を使用しない面で非常に安全性が高い、という大変魅力的な治療法となっております。

血小板は外傷など組織の損傷に際して、様々なサイトカイン・成長因子なんとかかんとか～を放出し、創傷治癒を惹起しナントカカントカ～という説明をご覧になった方も多いと思います。なんとなく言いたいことが伝わる方もあるかと思いますが、なんだか難しい専門用語で読み飛ばしてしまう方も少なく無いのではないでしょうか。一見小難しそうに見えるこのPRP血小板療法、実は非常にシンプルでわかりやすい治療なのです。

♪世界に一つだけの花、ひとりひとり違う種を持つ♪

♪その花を咲かせることだけに一生懸命になればいい♪

槇原敬之さんの書く歌詞は本当に素敵ですね。SMAPの代表曲のひとつですね。

PRPの濃縮血小板というのは、まさしくこの【種】のようなものです。その方の種を注射器で取り出し、遠心分離機という機械で良い【種】を選別、濃縮し、その方の【畑】シワやたるみの気になる部分に植える治療です。種が芽吹き、世界にひとつだけの花が咲くことを願って注射を行う、夢のある治療なんですね。

この治療法が一般的に美容医療で始められたのは、もうすでに数年前のことです。安全ですし、夢のある大変魅力的な内容ですので僕も当然の如く、すぐに導入し試行錯誤しました。しかしながら、立派な花を咲かせるというのは結構大変なことでして、なかなか素敵なお花が咲いたな、と思えることはありませんでした。数年前の当時、治療を受けたことのある方もなんだかパッとしなかった、そんな感想を持った方も多かったのではないでしょうか。

簡単にきれいなお花を咲かせるのが難しい理由は、この【種】そのものに、人によって量や質にとても大きな個人差があるからです。もともと貧血の方もあれば、お元気な血の気の多い方もあるかもしれません。血液の病気の方もあるかもしれませんね。【種】の時点で大きな個人差があるわけですが、【畑】の方には、もっと大きな個人差があるのです。

普段から睡眠や栄養をたっぷり摂って、ストレスの少ない健康的な生活を営んでいる栄養たっぷりの豊かな【畑】を持っている方もあれば、逆に仕事が猛烈に多忙で食事もままならず、睡眠不足は当たり前、休みも滅多に取れないのにストレスは山の様に抱えこんで、タバコやアルコールで日々の重圧やストレスをやり過ごしている、そんなやせ細った砂漠のような【畑】の方もあると思うんですね。良く耕された畑に種をたっぷり蒔くのと、砂漠にポツリと一粒落とすのでは、どちらにきれいなお花が芽吹くのか。明らかですよね。

そんなわけで、中々に個人差の大きな治療なのですが【畑】の方が砂漠化している方は美意識の高い方ではそれほど多くはありません。ですので、この【種】を、如何に良質なものを、多く採取するか、そこが重要になってきます。ここに様々な人工的ドーピングをほどこして、強引に開花を促す方法もありますが、おかしな花が咲いてしまうという現象も少なくないようです。ですので、純粋にご自身の【種】を活かすのが良いのではと僕は思っています。

良質な種を多く取れる採血用具、遠心分離キットとがなかなか見つからず、しばらくの間このPRP療法を僕は封印してきました。しかし、この度、かなり良さそうなキットに巡り合うことができました。出来るだけ良質な種を、できるだけ多く採取できます。水光プラスとの相性も抜群です。