ハイドラフェイシャルは今までに無いまったく新しいケミカルピーリングです。

レーザー、光、高周波などマシンによる治療は続々と新機種が発売され、従来品のモデルチェンジもセンセーショナルに行われます。マシンオタクとまでは自称できませんが、僕も新しい医療機器には目が無いので、国際学会の企業展示ブースではいつもワクワクします。ファッションが大好きな女性が本場フランスやイタリアのブティックで日本未発売の最新商品を見て回る様な感覚に近いでしょうね。

煌びやかなマシンとそれを取り巻くブースやセールスマンの方々もひときわ派手な印象をうけるのに対し、ケミカルピーリングという治療、商品は実にひっそりと素朴です。そんな目立たないピーリング治療ですが、実は大学時代自分自身でピーリング剤を作成するほど、僕はこだわりを持っている治療方法なのです。

肌がぶつぶつする。ざらつく。ガサガサする。お肌に触れた時にそう感じるケースのほとんどはこの角質の何らかのトラブル、ターンオーバーの不調・乱れが原因となっています。実際、皮膚表面を顕微鏡で観察してみると、古い角質がかたまりを作っていることも多く、ざらつきの原因である事が良く分かります。目に見えるほどの角質の塊は角栓と呼ばれますが、顕微鏡で見て初めてわかる角質の塊は肉眼で捉えるこことはできません。顕微鏡レベルで分かるこの角層のデコボコをなめらかに整地するのがケミカルピーリングです。

もともとニキビや吹き出物などの肌トラブルの治療として行われることが多いのですが、肌がつるっと滑らかスベスベになり、ひいてはシミやクスミ、小じわ、たるみの改善・予防効果もあるため、美容のためのケアとして古くはクレオパトラの時代から美意識の高い人たちに愛され、進化してきたという歴史もあります。

ハイドラフェイシャルはまさにケミカルピーリングの正統進化版と言える治療です。液晶モニターには吸引の設定や薬液塗布の量やスピードなどが表示され、きめ細やかな設定を行う事ができます。機械の胴体部分、内部に見えているボトルの中にはピーリング剤等の洗浄成分、保湿、鎮静効果のあるトリートメント成分などの薬液が満たされています。これらの薬剤は先端にあるハンドピースまで必要な分だけ運ばれていきます。

ハンドピースの先端には１回ごと、１人１人使い捨ての専用チップが装着されます。先端のチップにはピーリング薬液の出口と吸引の２つの孔が設けてあり、渦巻き状に設計されたチップの中心から薬液は出発し、ぐるぐるとまわりながら、外側にある吸い出し口へと向かいます。古い角質や汚れを吸着した薬液はこの吸い出し口から吸い上げられ、最終的にマシン後方に備え付けてある廃液瓶へと送られます。

STEP1：クレンジングと角質の軟化を行います。STEP2：先端のチップをピーリング専用チップに交換し、軟化した角質を洗浄、除去するピーリングステップに入ります。STEP3：吸引されずに残った角質や薬液を、洗浄美容液を塗布しながらさらに吸引します。STEP4：最後にトリートメント専用チップに交換し、鎮静・保湿・肌再生に必要な栄養成分を清掃した素肌に浸透させます。こちらでイメージビデオがご覧になれますので、ご興味のある方はどうぞ

http://www.hydrafacial.com/the-treatment/

１台でクレンジング、ピーリングそしてトリートメントまで行えるまさにピーリングの集大成ともいえる内容です。

このようにピーリング単体での治療においても新陳代謝の促進や、直接的な美容効果がありますが、最大のメリットはレーザーや光治療の効果を倍増させることにあります。鎧のような古い角質に覆われた皮膚に光を照射するのと、ピーリングでつるっと生まれ変わった皮膚に光を照射するのと、どちらが皮膚の内部へ光を到達させることができるでしょうか。想像に難くないですよね。

ソラリ、BBL、M22といった光治療や各種レーザー治療との組み合わせ、コンビネーション治療は相乗効果を期待できます。