先月6/1にアラガン社の新しいヒアルロン酸『ジュビダームビスタ・ボリフト』が追加で厚労省の承認を取得しました。一番初めに承認を取得したウルトラ、ウルトラプラスよりも、ボリューマに近い性質をもったヒアルロン酸製剤になります。国内のデリバリーは8月頃から開始される見込みです。

ボリューマに近い性質、シンプルに言うとボリフトはボリューマ同様モチが長いです。約2年の持続が期待できます。そして、硬い柔らかいと言う性質で表現するとボリューマより柔らかいです。ですので、ボリューマでは治療しにくかった繊細な部位に使用しやすいという事になります。通常のウルトラやウルトラプラスの上位互換と言える性質のボリフトですので、コスパを考慮するとウルトラやプラスの出番はかなり減るのではと予想しますが、トライアルとして短期間のイメージを掴む目的では使用される機会が残されているかと思いますね。（厳密にはハイラクロスとバイクロスという、架橋と言う手法が異なりますので、単純に上位互換とは言えない面もあります。）

繊細な部分、例えば目の周りや、くちびるなど、そういった部分以外ではボリューマの使用頻度はかなり多いです。最近始めたエランセも好評です。エランセはヒアルロン酸経験者の方や、コラーゲンを増やす治療、マッサージピールやエンディメッドを受けて頂いている方には大変お勧めの治療で、コラーゲンブースト効果（ご自身のコラーゲンを増やす効果）は他にない魅力を秘めたものです。これに関しては次回詳しく書かせてもらおうと思います。

ボリューマの魅力は何といっても【長期持続型】これにつきます。その次は仕上がりの自然さです。ヒアルロン酸は製剤により特性が異なります。硬い、柔らかいという違いをご存知の方は多いですが、吸水性、可塑性、凝集性など色々な性質の違いがあります。

あの人はお堅い人だ、あるいは柔軟な人だ。それだけじゃないですよね、大人、子供、男女、人種、様々なファクター、個性があるわけで、色々な条件を考慮した時に、扱いやすく、仕上がりが綺麗になりやすいのがボリューマです。

ヒアルロン酸は注入してすぐに見た目の変化を感じることができますが、数日の間は触った感じや見た目の感じも変化します。製剤によって変わるのですが、注入直後と比べて、数日後には少し膨らむ傾向がヒアルロン酸にはあります。つまり、1週間ほど経過すると入れた直後よりも、もっとふっくらする特性があるので、注入に際しては、その変化を予測して80～90％くらいのボリューム感で止めておく必要がある、ものもあります。100％完璧に仕上げてしまうと、膨張した時に（数日後の仕上がった状態）120％、つまり膨らみすぎて見えてしまう事があるのです。

この変化の度合いが、メーカーやシリーズによって異なるので、そういった性質の違いを理解して使い分ける、注入の仕方を変える必要があります。これにはある程度の熟練が必要だと感じますが、ボリューマ、そして今回追加となったボリフトは、この注入後の膨張が非常に少ないという特徴があります。100％のイメージで仕上げて、そのままそれが持続してくれる。これは注入初心者の先生にとって大きなメリットですし、僕らの様にある程度慣れているドクターにとっても扱いやすい特性です。

従来からあるヒアルロン酸は約半年～1年の持続。6か月～12か月、平均したら約9か月ですね。そして、ボリューマとボリフトは1年半～約2年の持続期間が期待できますから同様に18か月～24か月、平均21か月の持続期間が期待できます。場所や使用量によって、この持続期間は大いに変化しますので、すべてに当てはめることはできませんが、平均9か月と21か月。こう見ると、持続期間は倍以上となるわけです。そして、価格は倍ではないですから、コスパを考慮するとボリューマとボリフトは非常に優秀と言えますね。

当院ではボリューマは1本98000円、通常のものは6万円のご案内です。少々通常のものよりお高いですが、仕上がりの自然さや、持ちを考えれば非常に賢い選択と言えるのではないかと思います。