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ヒアルロン酸注入の方法、注意点、安全と効果の両立を目指して。

篠原秀勝

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篠原秀勝(しのはら ひでまさ)

注入治療をこれから始めたい、あるいは初心者のドクター向けに書いており、恐縮ですが専門用語を大量に使用しております。ですので、万が一、ご興味を持っていただいて、読んでくださった方、もし何か疑問に思う点などありましたら、遠慮なく診察にてご質問下さい。

ヒアルロン酸注入の方法は各種メーカーから様々な方法がアナウンスされていますが、DrデマイオによるMDcodeが分かりやすいので、この手法を中心に解説していきます。

手技を始める前に、解剖を必ず確認してください。もっとも重要なのは、瞳孔中心線上に存在するこの3つの小孔から出現する神経血管束の存在と顔面動脈の分枝です。supraorbitalとinfraorbital、そしてmental。多少の個人差はありますが、ここには需要な血管が必ず存在していますから、この周囲に注入をする際は十分に気を付ける必要があります。

当然ですが、合併症を引き起こさないために必要不可欠な知識です。自動車の運転、それ自体は簡単ですが、信号、道路標識など交通ルールをきちんと学習しなければ、運転はとても危険な行為であるのと一緒です。実際の運転技術を語る前に、必ず知っておくべきことです。

ヒアルロン酸注入において、もっとも危険なのは血管内に注入してしまうことで生じるemboliですね。次に注意が必要なのは1か所への大量注入による血管の圧迫です。最近は鈍針カニューラによる手技が一般的ですが、カニューラを使用していれば安全とは、全く言えません。もっとも重篤な合併症のほとんどはカニューラを使用したうえで生じたことが報告されています。カニューラを使用しているという慢心がむしろ、合併症を引き起こす可能性もありますから、鈍針にしろ鋭針にしろ実際の手技は常に皮膚の状態や、痛みなどあらゆる情報に神経を集中して注入する必要があります。

では、実際の注入に関してMDcodesをベースに僕の方法や考え方を解説します。注入の指導をさせて頂くのに色々なクリニックにお邪魔していますが、そこで色々と質問にお応えしていますので、ご紹介したいと思います。

Q1:鋭針と鈍針カニューラどちらの方が良いのでしょうか?

どちらにもメリット、デメリットがあり一概にどちらが良いと極論することはできませんが、鈍針カニューラの使用を推奨します。

まずお痛みに関して。先生、ご自身で経験されればすぐに分かることですが、鋭針で何度も刺されると痛いです。鈍針の方が痛みは少ないですけれど、乱暴に扱えば鈍針でも痛いですから、どちらも丁寧で愛護的な操作を心がけることが大事です。仕上がりに関しては、甲乙つけがたいですね。美しい仕上がりには先生ご自身が慣れているテクニックが当然良い結果を出せるものと思います。例えるなら、お箸が得意かナイフとフォークの方が慣れているのか。どちらでも良いですよね、ただお料理によっては、フォークでは取りにくい、お箸では食べにくいなどあるように、注入のポイントによっては、扱いやすさが異なりますから、注入のポイントによって使い分けると言うのでも全然良いと思います。

Q2:どこに、どのくらいの量を入れるのが良いのか、量と場所の見積もりについて。

無限に注入できる方はいません。最小限の本数で、最適な効果を発揮させる。つまりもっとも強いインパクトを生じるポイントの選定が大事です。もちろん個人により、状態は異なるわけですから、万人に共通な優先順位は作れませんが、僕の経験上で統計を考えると、CK>C>Tの順番で優先順位をつけて注入することが多いです。(CK:cheek、頬、C:Chin、あご、T:temporal、こめかみ)MDcodesの詳細はアラガンの担当営業の方にご確認頂くのが早いですが、デマイオ先生の公式サイトでもご覧頂けます。

注入ポイントの優先度は先のとおりで、本数は『年齢』と『肉付き』で判断します。これにはある程度の慣れも必要ですが、例えば50代で中肉中背の方、注入初めての方であれば、CKに各々0.5-1.0は最低必要な場合が殆どです。つまり、まず左右CKエリアのみで合計2本は普通に必要になりますので、ご予算などで2本以上無理な場合はCKエリアのみで終了となります。最小限の注入量0.05-0.1等で、MDcodesに一通り注入する方法もありますが、非常にインパクトが弱いのでお勧めしません。1本だけでなんとかして欲しいと言われた場合には、CK3のみにしましょう。アジア人の骨格上もっともインパクトがあるのはこの部分です。

Cも非常に良い適応が多いです。もともとアジア人、日本人は下顎が小さく、後退している方が殆どです。Cエリア、そしてJwcodeの治療は大きく印象を変えます。太っていないのに二重顎に見える方はアゴが小さいためです。こういう方は概して下顔面の輪郭がぼやけています。Cエリアを中心に、必要によりJwにも注入することで、輪郭がはっきりし、そのことでむしろ小顔に見える、整って見えることが殆どです。Cエリアの必要本数もCKエリアと同様ですが、最低1本は必要です。4ー5本使うケースも少なくありません。下顎の印象が顔全体に与えるインパクトに関しては、ビバリーヒルズのDrサイモンの症例が非常に参考になります。

Tエリアは鋭針による骨膜上の手技が基本ですが、鈍針を使用することもできます。注入するレイヤーは骨膜上ないし、側頭筋膜の下ですが、皮下に注入することもできます。骨膜上の手技は非常に簡便ですが、皮下への注入は注意が必要です。皮下への注入はリスクが高いため推奨しないドクターも多いですから、手技的に慣れてきてからトライしてみることをお勧めします。

A:注入のエリアはCK>C>Tの順に、優先順位をつけて、本数は年齢と肉付きによって考慮しましょう。ほとんどのケースで、分かりやすい変化を出したい時には2本以上必要になりますが、制限があれば優先度に応じて、最小限で最大の効果を目指しましょう。

最新MDcodes『F、Tt、Lip』について

まずF、forhead、前頭部に関して。注意が必要なのはsupraorbitalとsupratrochlearです。針はどちらでもよいですが、僕は最近は鋭針を好んで使用しています。鋭針で、針のカット面と前頭骨がぴったりあう角度、約30度で針を斜めに刺入します。ボーラスで0.1-0.2程度数か所に骨膜上に注入し、よくマッサージします。各種ある注入テクニックを比較検討した時に、MDcodesの大きな特徴の一つと言えるのが『注入直後マッサージして形を整える必要が殆どない』というのがありますが、Fは例外です。よくマッサージして、粘土細工のように綺麗に成形してください。

Tt、tear trough、目のクマ、眼窩下縁の骨膜上へ注入しますが、ここはカニューラを使用してください。鋭針での手技は非常に難しく、ハイリスクです。CK2エリアに刺入点を作り、27Gの鈍針を使用します。製剤は柔らかくなじみの良いタイプを使用します。アラガン社の場合には、最近発売されたボルベラになります。片側最大でも0.5程度で充分なケースが多いです。人によって効果の出方に差が出やすい領域です。効果を出そうと無理に多く入れると、余計にクマが目立つことが多いですから、極力控えめを心がけること、と、あらかじめ効果が出やすい方かそうでないかの見極めが大切です。

Lip、口唇はどちらの針でも良いと思いますが、最近は僕は鋭針を好んで使用しています。鋭針ですから痛いので、塗り麻酔など使用したいのですが、麻酔で腫れてしまうことも少なくないので、そのまま注入することが多いです。Lp7はC1のように、なかなか馴染みの無い注入ポイントですが、人中を狭く見せる効果もあり、人により良い効果が見込めます。上口唇のLp1とLp2は人中を短縮する効果がありますので、そういった要望に対しても効果的な治療です。

休診で予定が空いているときに、依頼を受けて指導に伺っていますが、人に何かを教えようとすることは、実は自分自身の至らなさや、知識不足を再認識する良い機会だと考えています。注入指導は僕にとっても勉強です。より安全で効果的な治療を目指して今後も精進して参ります。

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