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ヒアルロン酸注入、思わぬ失敗や副作用への対策と対応

篠原秀勝

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篠原秀勝(しのはら ひでまさ)

ヒアルロン酸注入に際して、気を付けるべきことについて、解説していきたいと思います。今回は思わぬ結果、副作用や合併症に対する対応について書いていこうと思います。よく見られるものから、滅多にないことまで、ある程度網羅していきたいと思います。また、今回の内容も若手医師、または注入初心者Dr向けのマニアックな内容となりますので、ご了承ください。

副作用・合併症

①内出血

②腫れ、浮腫

③凸凹、左右差、チンダル現象などイマイチな仕上がり

④拒絶反応、過敏症反応

⑤感染

⑥異物肉芽種、被膜形成

⑦血行障害

上記全て、同意書にはリスクとして記入しておいた方が良い内容になりますが、①、②に関しては必ず説明しておく必要があります。最近は鈍針カニューラの使用をほとんどの部位に使用していることが多いかと思いますが、鈍針カニューラだから、内出血は起こらないと言う事は全くありませんので、しっかりとご説明下さい。1~2週で必ず消失するものですが、出てしまうと嫌なものです。鋭針にしろ、鈍針にしろ、丁寧な操作が内出血のリスクを減らすことと、出血の程度を見て、圧迫止血を充分に行うことが内出血の拡大を阻止するために必要な操作です。焦らず、時間を気にせずしっかり適切な圧力で圧迫を続けることが肝要です。

腫れや浮腫み。1週間程度でこの影響は通常収まります。③の問題へ発展する可能性もありますが、事前にお伝えしておくことが③へ発展させないために役立つケースもすくなくありません。患者さんは初めてでも、経験者の方でも、これらの合併症に遭遇してしまうと、とても不安になります。あらかじめ、説明があるのと、無いのとではその不安の振れ幅が大きく変わります。

なんだか、腫れていて(浮腫んで)、思った仕上がりではない。そう患者さんに思われたときに、注入直後1週間はなじむまで(定着する)時間が必要なことをあらかじめお伝えしているか、していないかで不安の度合いは変わります。ヒアルロン酸注入というのは、その行為自体が一種の外傷です。ピンと来ないかもしれませんが、考えてみてください。皮膚や皮下組織にあらかじめ、ヒアルロン酸用のスペースが存在しているわけではありません。ヒアルロン酸を組織に注入するという行為は、密着している細胞同士、あるいは繊維組織の構造物を『剥離』という作業で、損傷する行為です。比較的『粗』な結合組織内にスムーズに注入できれば、損傷は最小限となりますが、とは言っても密着した組織に割って入るわけですから顕微鏡レベルでは微小血管の損傷による、血液やリンパの漏出が少なからず生じているはずです。そういった腫れや浮腫みの回復に数日かかるケースもありますし、ヒアルロン酸が水分を吸収することで逆に膨らむケースもありますから、1週間は時間経過で変化するという事を知って頂いておく、と言うのはとても大事なことになります。

③の凸凹、チンダル現象、左右差など、仕上がりの不具合。これに関しては手技の未熟さ、と言うのが大きな要因になります。初心者の方に熟練を要求するのは、無理があるわけで、経験を積んでくださいと言うほかないですが、アドバイスが全くできないわけではありません。チンダル現象と言うのは皮膚の薄い部分、はっきり言って下眼瞼以外ほとんどないですが、皮膚の浅い部分に入った時に見られる現象です。慣れないうちは、あまり浅すぎる層に注入することはせず、少しずつ深い部分から浅い部分へトライしても良いと思います。凸凹も浅すぎる注入によるケースがほとんど。深すぎる層だと、矯正効果が分かりにくいので、つい浅い部分へ注入したくなるケースもあると思いますが、凸凹させないためには、その注入レイヤーの選択が重要です。左右差なんですが、もともと左右対称の骨格の方はほとんどいません。本人が気にしている、あるいは気づいていない左右差をあらかじめ、ご説明し、今ここにある左右差をこのように改善したいと思います、という事前の説明も大切です。また、非常に重要なことに、マッサージがあります。血管や神経、その他リガメントなど解剖の構造上、狙ったところに入れらない場合や、あるいは狙った部分にうまく注入できなかった場合などに必要不可欠な操作がマッサージです。粘土細工の様に、ある程度ヒアルロン酸は移動、造形することが出来ます。狙った部分に一発で、特に触ることなく綺麗に入ればベストですが、慣れないうちは後で揉んで整形すれば大丈夫という気持ちの余裕を持って注入しましょう。

注意してもこれらの合併症が生じた場合は、ヒアルロニダーゼで溶解することになります。ヒアルロニダーゼはヒト由来と動物由来のものがあり、後者はそこそこの頻度でアレルギーを生じます。アレルギーを起こすと結構腫れます。そのため、できるだけヒアルロニダーゼの出番がないように控えめな注入を心がけること『過矯正』にしないことが重要です。そのためには、自分の手技にあった製剤選びもポイントになります。例えば、アラガン社の製剤は現在、ハイラクロス製法によるものとバイクロス製法によるもの、の2種類が市場に出ています。ハイラクロス製法による製品は注入後、周囲からの水分の引き寄せで数%ボリュームが増えます。ですから、この商品を使用する際には、目指している仕上がりに対して、8割なりの注入量にとどめておく必要があります。100%の仕上がりで注入してしまうと、1週間後には入れ過ぎの状態になってしまうのです。各メーカー、ラインナップにより、こういった特性は異なりますから、製品の特長をリサーチし、使い分けることも重要です。

拒絶反応、過敏症反応、これに関しては製剤が進化することで、減少してきていると思いたいのですが、発生率はそんなに変わっていないような気がします。。。ヒアルロン酸は異物ですから、体内に侵入してきた異物に対して生体は防御反応を起こします。③の項目でもお話した手技的な問題も影響しているとも思いますが、ヒアルロン酸周囲に過剰な過敏症反応が生じることがあります。注入部位に一致して、本来注入したヒアルロン酸の容量をはるかに上回る組織の腫脹が発生します。③の腫れとは異なり、発赤や圧痛を伴う事も少なくありません。厄介なことに注入していない部位に予想外の腫脹が出現するケースもあります。一種のアレルギー反応であり、抗ヒスタミン薬やステロイドの内服などで様子を見ることで軽快することが多いですから、慌てて溶解する必要はありません。ただし、次の感染との鑑別は重要です。

脂漏部位、特に鼻尖部周囲は皮脂腺が豊富であり、要注意です。実際に感染を生じているのは、清潔操作に問題があるケースが殆どかと思います。特に注意して頂きたいのが、鈍針の使用です。鈍針カニューラの入り口は代表的なポイントがいくつかありますが、骨膜上への注入のため、針を骨に沿って進めていく際に、針の周辺をよく見てみてください。針を寝かせて骨に合わせようとすると、多くのケースで刺入部位周辺の『皮膚』にカニューラが接触してしまいます。一度皮膚に接触してしまったら、もうそのカニューラは不潔になっているわけですよね。皮膚に触れていないかよく観察しながら、丁寧に針を進め、もし触れてしまったら、すぐに潔く針を交換することが重要です。針をケチったり、交換を面倒と考えて感染を起こしてしまったら、その後必要になる費用や心労、労力の比較になりません。鋭針の場合もこまめに針を交換することが大切です。拒絶反応と比較して、感染しているケースの方が、発赤や圧痛が強くみられます。まずは抗生剤で様子を見ることになりますが、程度によりヒアルロニダーゼの注射や切開排膿をおこなった方が経過が良い場合もあります。

肉芽腫とは、慢性的な炎症に基づいて生じる腫瘤です。種々の原因による慢性的な炎症によって、炎症細胞や線維芽細胞が集積し、毛細血管に富んだ線維からなる腫瘤が生じます。体内に長時間分解されずに存在する異物が慢性炎症の原因となり、生じるものを異物肉芽腫といいます。ヒアルロン酸であれば、ヒアルロニダーゼで溶解できますが、肉芽種に変身してしまったあとでは効果がありません。但し、この異物肉芽種の多くはヒアルロン酸ではない注入剤『溶けない』と謳われる製剤で生じるケースが殆どで、ヒアルロン酸製剤で発生することは非常に稀です。ですから、溶解することのできない製剤や粗悪なヒアルロン酸は使用せず、厚労省の承認取得済み等の安全なヒアルロン酸を取り扱っているかぎり、滅多に遭遇することはありません。被膜形成はいずれの注入剤、フィラーでも起こり得るもので、ヒアルロン酸周囲に被膜が形成されると、長期にわたって残存することになります。被膜形成は生体防御反応の一種であり、いつでも起こり得るものです。通常ヒアルロン酸は皮膚表面から触れた時にはっきりとした感触で、その形態を触れるように認知することはできませんが、被膜形成が生じると、生体内で異物の表面積を最小にしようとする反応から、形状が球体に変化しますので、球のように触れることが少なくありません。被膜内にヒアルロニダーゼを注入し、溶解すれば被膜自体も自然消失します。

血行障害。もっとも重篤で、引き起こしてはいけない合併症です。これが生じる原因は主に二つです。血管内に直接注入して塞栓をおこすケースと、血管周囲への大量注入によって血管を圧迫する血流障害のケースです。前回も書いていますが、鈍針カニューラを使用していれば血管内に注入してしまう事は無い、というのは全くの間違いですから注意が必要です。鈍針カニューラにしろ、鋭針にしろ、注入部位の確かな『膨隆』を左手の指で触知、確認することが安全操作の基本です。入れているのに膨らんでこない、ヒアルロン酸がどこに行っているのか分からない、そんな時はまず、シリンジと針の接合部に漏れがないか確認し、なければ、速やかに針を戻すことが無難です。血管内注入による塞栓が発生すると、通常時と異なる強い痛みを訴える方が多い、という参考書の記載を見ることもありますが、はっきり言って全く参考にならないと思います。ファカルティ、指導医仲間、僕自身の経験、さまざまな体験談を聞いていますが、これらの合併症は何の前兆もなく本当に静かに発生します。万が一、塞栓なり血行障害が疑われた場合は直ちにヒアルロニダーゼを使用すること、リプルなど血流改善のための薬剤や処置を行い、経過をおっていきます。

どんなに安全運転を自分自身で心掛けていても、貰い事故は防ぎようがありません。症例数が増えれば一定の確立で、これらは起こりうること、と言うのを常に意識しておき、万が一疑わしいサインがあった場合、それを見逃がさず、被害を最小限に抑えることが肝要かと思います。

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