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男性ホルモン(テストステロン)が多い人の特徴とは?男女別の身体的・精神的傾向と原因・対策を解説

男性ホルモンの代表格であるテストステロンは、筋肉や骨格の発達だけでなく、性格や行動パターンにまで影響を及ぼすホルモンです。

テストステロンの分泌量には個人差があり、多い人と少ない人では身体的な見た目や精神面の傾向に明確な違いが現れるケースが報告されています。

本記事では、男性ホルモンが多い人に共通する身体的・精神的な特徴を男女別に解説し、メリットやデメリット、さらにホルモンバランスを整えるための具体的な対策まで網羅的にお伝えします。

テストステロン値が気になる方や、男性ホルモンの多さが体調や生活に与える影響を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次
  1. 男性ホルモンが多い人に見られる身体的特徴を顔つき・体毛・骨格から解説
  2. 男性ホルモンが多い人の性格・行動に見られる精神的な傾向と特徴
  3. 男性ホルモンが多い女性の特徴とは?身体や月経への影響と原因を解説
  4. 男性ホルモンが多いことのメリット・デメリットを男女別に解説
  5. 女性ホルモンが多い男性に見られる特徴と男性ホルモンとのバランスの関係
  6. 男性ホルモンが多い女性がテストステロンを減らす方法と改善策
  7. 男性ホルモンを健康的に維持・増加させる生活習慣と運動・食事の方法

男性ホルモンが多い人に見られる身体的特徴を顔つき・体毛・骨格から解説

男性ホルモンが多い人の身体的特徴は、筋肉量や骨格の発達、体毛の濃さ、皮脂分泌量など複数の領域にわたって観察されます。

テストステロンには蛋白同化作用があり、筋肉のタンパク質合成を促進するはたらきを持つため、体つきに顕著な差が生まれやすい傾向があります。

加えて、テストステロンが体内で変換されるジヒドロテストステロン(DHT)は、体毛の成長や皮脂腺の活性化にも関与しているホルモンです。

顔つきや指の長さの比率といった外見的な指標についても、胎児期のテストステロン曝露量との関連が研究されています。

ここでは、男性ホルモンが多い人に見られる代表的な身体的特徴を部位ごとに詳しく解説します。

筋肉質で骨格ががっしりしておりテストステロンの同化作用が影響している

男性ホルモンが多い人は、筋肉質でがっしりとした体格を持つ傾向が強いといえます。

テストステロンには蛋白同化作用があり、骨格筋のタンパク質合成を促すことで筋肉量の増加に寄与する仕組みが明らかになっています。

順天堂大学医学部附属病院の情報によると、テストステロン補充療法(TRT)により筋肉量、筋力、骨密度、血清脂質プロファイル、インスリン感受性、気分、性欲、健康感の改善が認められると報告されています。

反対に、テストステロンが低下すると筋肉量が減少して基礎代謝が低下し、内臓脂肪がつきやすくなるという悪循環が生じる可能性があります。

男性ホルモンの分泌量と筋肉・骨格の発達度合いには、密接な相関関係が存在するといえるでしょう。

テストステロンが低下すると筋肉量が減少し、基礎代謝が落ちることで内臓脂肪がつきやすくなります

引用元:内閣官房「男性更年期について」資料

TRTにより、筋肉量、筋力、骨密度、血清脂質プロファイル、インスリン感受性、気分性欲、健康感の改善が認められます

引用元:順天堂大学医学部附属病院「LOH症候群(加齢性腺機能低下症)」

体脂肪が少なく引き締まった体型で筋肉量が多い傾向がある

テストステロンの分泌量が多い人は、体脂肪率が低く引き締まった体型を維持しやすい傾向があります。

蛋白同化ホルモンであるテストステロンが十分に分泌されていると、除脂肪体重(筋肉や骨など脂肪以外の組織の重さ)が増加し、体組成が改善される仕組みが報告されています。

内閣官房の資料では、テストステロンの維持が体脂肪率の減少と除脂肪体重の増加に関連すると明記されています。

逆にテストステロンが不足すると、筋肉量の低下に伴いBMIが増加するケースがあることも、J-Stageに掲載された症例報告で確認されています。

引き締まった体型を保つうえで、男性ホルモンの適正な分泌は欠かせない要素の1つだといえるでしょう。

骨密度が高く肩幅が広いなど骨格の発達が顕著に表れる

男性ホルモンが多い人は骨密度が高く、肩幅が広い体格になりやすい傾向が確認されています。

テストステロンは骨芽細胞のはたらきを促進し、骨の形成と強度の維持に重要な役割を果たしているためです。

日本赤十字医療センターの研究報告では、血中テストステロンの低下と骨密度の低下および骨折頻度の増加に相関があると記載されています。

J-Stageに掲載された論文でも、テストステロンをはじめとする蛋白同化ホルモンが骨密度の維持に重要な役割を担うと述べられています。

男性ホルモンの分泌量が十分であれば、骨粗鬆症のリスクが低減し、がっしりとした骨格が維持されやすくなるでしょう。

血中テストステロン低下と骨密度の低下や骨折頻度の増加とに相関があることが報告されている

引用元:日本赤十字医療センター「男性更年期障害について」

体毛やヒゲが濃く皮脂分泌が多いためニキビもできやすい

男性ホルモンが多い人には、体毛やヒゲが濃く、皮脂分泌量が多いという身体的特徴が見られます。

テストステロンは体内で5α-リダクターゼという酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)に変換され、このDHTが毛包や皮脂腺を刺激することで体毛の成長や皮脂の過剰分泌が促進されます。

日本皮膚科学会雑誌の報告では、遊離テストステロンが皮脂腺細胞内でDHTに転換されるメカニズムが詳しく解説されています。

体毛の濃さやヒゲの伸びる速度が速い人は、テストステロンからDHTへの変換が活発に起こっている可能性があるといえるでしょう。

皮脂の分泌量増加はニキビや肌荒れの原因にもなるため、スキンケアでの対策が求められるケースも少なくありません。

ジヒドロテストステロン(DHT)が毛包を刺激して体毛を促進する

体毛の成長を直接的に促進するのは、テストステロンそのものではなくDHTへの変換が主な要因です。

テストステロンが毛包細胞内の5α-リダクターゼによってDHTに変換されると、DHTが男性ホルモン感受性毛包に作用し、毛の成長サイクルを促進するはたらきが生じます。

新潟薬科大学の博士論文では、DHTが毛包漏斗部の角化亢進を促進し、皮脂腺の肥大や皮脂産生を亢進させるメカニズムが報告されています。

ただし、DHTが薄毛を引き起こす部位と体毛を促進する部位は異なり、頭頂部や前頭部ではDHTが毛母細胞の成長を抑制する方向にはたらきます。

体毛の濃さとAGA(男性型脱毛症)のリスクが同時に高まるのは、DHTの作用部位による違いがあるためです。

痤瘡の発症機序としては、男性ホルモンであるテストステロンが5α-リダクターゼにより、活性の強いジヒドロテストステロン(DHT)に変換されることで、毛包漏斗部の角化亢進を促進し、皮脂腺の肥大や皮脂産生を亢進させる

引用元:新潟薬科大学 博士論文「皮膚疾患を対象とした漢方薬による新たな治療の構築」

皮脂腺が活性化し顔のテカリや肌荒れが起こりやすくなる

男性ホルモンが多い人は皮脂腺の活性化によって顔のテカリや肌荒れが起こりやすくなります。

DHTが皮脂腺を直接刺激することで皮脂の産生量が増加し、毛穴の詰まりやニキビの発生につながるメカニズムが複数の研究で確認されています。

日本レーザー医学会誌の総説では、DHTなどのアンドロゲンが男性ホルモン感受性毛包に作用し、皮脂分泌の増加やCutibacterium acnesの定着および炎症を引き起こすと記載されています。

皮脂の過剰分泌はニキビだけでなく、脂漏性皮膚炎など他の肌トラブルの原因にもなりうるため注意が必要です。

男性ホルモンの影響で肌荒れが気になる場合は、皮膚科医への相談や適切な洗顔・保湿ケアが改善の第一歩となるでしょう。

ジヒドロテストステロン(DHT)などのアンドロゲンが,男性ホルモン感受性毛包に作用し…皮脂分泌の増加,Cutibacterium acnesの定着および炎症が主な原因とされて…

引用元:J-Stage 日本レーザー医学会誌41巻4号

顔つきはエラが張り彫りが深い傾向があるが科学的な因果関係は薄い

男性ホルモンが多い人の顔つきは、エラが張って彫りが深いという印象を持たれやすい傾向があります。

テストステロンが骨格の発達を促進する作用を持つため、下顎骨や頬骨の突出が起こりやすくなるという仮説が古くから提唱されてきました。

しかし、成人のテストステロン値と顔の形態的特徴との間に明確な因果関係を示すエビデンスは限定的であり、個人差や遺伝的要因の影響も大きいとされています。

顔つきの印象は骨格だけでなく、皮下脂肪の量や表情筋の発達度合いなど複合的な要素で決まるため、テストステロン値だけで判断することは難しいでしょう。

男性ホルモンの多さを顔つきだけで推定するのではなく、体毛や筋肉量など他の身体的特徴も含めて総合的に判断する姿勢が重要です。

薬指が人差し指より長い2D4D比は胎児期のテストステロン曝露を反映する

薬指と人差し指の長さの比率(2D:4D比)は、胎児期に曝露されたテストステロン量を間接的に反映するバイオマーカーとして知られています。

PMCに掲載された研究では、2D:4D比は胎児期のテストステロンとエストロゲンのバランスを示す指標であり、胎児期のテストステロンが高くエストロゲンが低い場合に2D:4D比が男性化(薬指が相対的に長くなる方向)する傾向が報告されています。

PubMedの別の研究でも、羊水穿刺サンプルの分析により2D:4D比が出生前テストステロンと負の相関を示すことが確認されています。

ただし、2D:4D比はあくまで胎児期のホルモン環境を反映するものであり、成人の現在のテストステロン値との相関は弱い点に注意が必要です。

薬指が人差し指より長いからといって現時点のテストステロンが高いとは限らないため、1つの参考指標として捉えるのが適切でしょう。

Digit ratio (or 2D:4D) is the relative lengths of the second digit (the index finger) and the fourth digit (the ring finger)…This ratio is considered to be a biomarker of the balance between fetal testosterone (T) and estrogen (E) in a narrow window of early ontogeny

引用元:PMC「Digit Ratio (2D:4D): A Biomarker for Prenatal Sex Steroids and Adult Sex Steroids」

Analysis of amniocentesis samples have shown that the digit ratio is negatively correlated to prenatal testosterone, but positively to oestrogen exposure.

引用元:PMC「2D:4D Ratio and its Implications in Medicine」

男性ホルモンが多い人の性格・行動に見られる精神的な傾向と特徴

男性ホルモンが多い人の特徴は、身体面だけでなく精神面にも及ぶことが複数の研究で示されています。

テストステロンは脳の扁桃体や前頭前皮質にも作用し、意欲や競争心、リスク行動などに影響を与えるホルモンです。

積極性や行動力の高さといったポジティブな側面がある一方で、攻撃性や衝動性が増すケースも報告されています。

ここでは、男性ホルモンが多い人に見られる精神的な特徴を4つの側面から整理して解説します。

決断力がありリーダーシップをとる積極的な性格の傾向が強い

男性ホルモンが多い人は、決断力のある積極的な性格で、支配的・権威的な行動を通じてリーダーのポジションを獲得しやすい傾向があるとされています。

テストステロンは支配的・権威的な行動と関連があり、集団内でリーダーのポジションを獲得するプロセスに関与する可能性がPubMedのメタ分析で示唆されています。

ただし、同研究(9研究、対象者1103人)では、基礎テストステロン値の高さがリーダーシップポジションそのものと直結するという単純な関係は支持されていません。

テストステロンが直接リーダーシップ能力を生み出すのではなく、自信や積極性を高めることで結果的に主導的な立場を得やすくなるという間接的なメカニズムが考えられています。

リーダーシップの発揮にはホルモンだけでなく、環境やコミュニケーション能力など多面的な要因が絡み合っているといえるでしょう。

We showed that basal testosterone levels were not associated with leadership in men nor in women…We suggest that basal testosterone could play a role in acquiring leadership positions through dominant and authoritarian behavior.

引用元:PubMed「Basal testosterone, leadership and dominance: A field study and meta-analysis」Psychoneuroendocrinology 2016

競争心が強くリスクを恐れない行動力と自信に満ちている

テストステロンが多い人は、競争的な場面で積極的に挑戦し、リスクを恐れない行動パターンを示しやすいことが研究で裏付けられています。

Frontiers in Behavioral Neuroscienceに掲載された論文では、テストステロンが攻撃性や競争心、リスクテイキングに確立された役割を持つと明記されており、金融取引のような意思決定場面でもその影響が確認されています。

PMCに掲載された別の研究では、テストステロンが男性の競争行動に及ぼす因果的な効果は、基礎コルチゾール値や相手のステータスを示す手がかりに依存すると報告されています。

つまり、テストステロンが高いだけで無条件にリスクを取るのではなく、状況に応じた競争行動が活性化される仕組みが存在するのです。

男性ホルモンの多さは、挑戦や競争を前向きに捉える心理的基盤を形成する要因の1つだといえるでしょう。

Testosterone has well-established roles in reproduction, which embrace aggression, competitiveness and risk-taking, all essential elements of financial dealings.

引用元:PMC「Testosterone, Cortisol and Financial Risk-Taking」Frontiers in Behavioral Neuroscience 2018

集中力が高く仕事や筋トレなどひとつのことに没頭しやすい

男性ホルモンが多い人は集中力に優れ、仕事や筋トレなど1つの物事に没頭する傾向が見られます。

テストステロンはドーパミン系の神経伝達にも関与しており、報酬系を活性化することで意欲ややる気を高めるはたらきが示唆されています。

LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)の症状として集中力の低下や意欲の減退が挙げられていることからも、テストステロンと集中力の関連は間接的に裏付けられるといえるでしょう。

三重大学の研究でも、テストステロンの低下に伴い記憶力や集中力が減少する精神症状が報告されています。

目標を設定してひたむきに取り組める集中力の高さは、男性ホルモンの分泌量が十分に保たれている人に見られる精神的特徴の1つです。

攻撃的・衝動的になりやすくイライラや不安を感じるケースもある

男性ホルモンが多い人には、攻撃的・衝動的な行動が増える可能性があることも知っておく必要があります。

PMCに掲載されたレビュー論文では、テストステロンが脳の皮質下領域を活性化して攻撃性を生み出し、コルチゾールやセロトニンがその効果を抑制する拮抗的な関係にあると解説されています。

同論文によると、暴力犯罪で収監された受刑者では基礎テストステロン値が高い傾向が確認されており、4179人の退役軍人を対象にした調査でも基礎テストステロン値と反社会的・攻撃的行動に正の相関が見られました。

ただし、テストステロンと攻撃性の関係はメタ分析でも効果量が小さく、ホルモン単独で攻撃行動が決まるわけではありません。

イライラや不安を感じやすい場合は、ストレス管理や生活習慣の見直しによってホルモンバランスを整えることが有効な対策となりうるでしょう。

Testosterone activates the subcortical areas of the brain to produce aggression, while cortisol and serotonin act antagonistically with testosterone to reduce its effects.

引用元:PMC「Testosterone and Aggressive Behavior in Man」Psychiatria Danubina 2013

男性ホルモンが多い女性の特徴とは?身体や月経への影響と原因を解説

男性ホルモンが多い女性には、体毛の増加やニキビ、月経不順など特有の身体変化が現れやすいことが医学的に知られています。

女性の体内でも男性ホルモンは卵巣や副腎から分泌されており、そのバランスが崩れると心身にさまざまな影響を及ぼします。

とりわけ多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、女性の高アンドロゲン血症の代表的な原因として婦人科領域で重視されている疾患です。

ここでは、男性ホルモンが多い女性に見られる具体的な症状と、その原因・診断方法について詳しく解説します。

女性で男性ホルモンが多いと体毛増加・ニキビ・声の低下などが起こる

女性で男性ホルモンが多いと、体毛の増加やニキビの悪化、声の低音化といった男性化徴候が現れる可能性があります。

J-Stageに掲載された日本内分泌学会雑誌の論文では、女性の高アンドロゲン血症が無月経、多毛症、男性型発毛、音声の低音化、陰核肥大などの症状を引き起こすと報告されています。

PMCの論文でも、女性の高アンドロゲン症において最も一般的な症状は多毛症であり、最も多い原因は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)であると明記されています。

  • 顔や腕、腹部などの体毛が濃くなる多毛症で、男性型の発毛パターンが現れる
  • 皮脂分泌の増加に伴いニキビや肌荒れが慢性化しやすくなる
  • 声帯への影響で声が低くなるケースがあり、男性化徴候の1つとされる
  • 月経周期の乱れや無月経が起こり、排卵障害を伴うことがある
  • 筋肉量の増加や体脂肪分布の変化など体型に影響が出る場合もある

症状の程度には個人差があるものの、複数の男性化徴候が同時に現れている場合は卵巣や副腎の腫瘍が背景にある可能性も否定できないため、早期に婦人科を受診することが望ましいでしょう。

女性における高アンドロゲン血症は無月経,多毛症,男性型発毛,音声の低音化や陰核肥大などの女性性徴の消失と男性化を引き起こす。

引用元:J-Stage 日本内分泌学会雑誌73巻4号

月経不順や排卵障害など不妊リスクにつながる症状が現れやすい

男性ホルモンが多い女性では、月経不順や排卵障害が生じやすく、不妊リスクが高まる傾向があります。

厚生労働科学研究費補助金による多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の診療ガイドラインでは、月経異常・多嚢胞性卵巣・血中男性ホルモン高値(またはLH基礎値高値かつFSH基礎値正常)の3基準がPCOSの診断基準として示されています。

J-Stageに掲載された産婦人科の研究では、PCOS群においてテストステロン値が有意に高値を示し、月経周期異常との関連が確認されています。

排卵が正常に起こらなくなると妊娠の成立が困難になるため、妊娠を希望する女性にとっては早期の検査と治療が重要な課題となります。

月経の間隔が極端に長い、あるいは短い状態が続く場合は、ホルモンバランスの異常が疑われるため婦人科での血液検査を受けることが推奨されるでしょう。

診断基準 Ⅰ 月経異常 Ⅱ 多嚢胞性卵巣 Ⅲ 血中男性ホルモン高値 または LH 基礎値高値かつ FSH 基礎値正常

引用元:厚生労働科学研究費補助金「多嚢胞性卵巣症候群の診療ガイドラインの作成に関する研究」

男性ホルモンが多い女性の原因はストレスや生まれつきの体質・遺伝が関係する

女性で男性ホルモンが多くなる原因は、生まれつきの体質や遺伝的素因、ストレスや生活習慣の乱れなど多岐にわたります。

卵巣や副腎からのアンドロゲン分泌が過剰になる病態が根底にあるケースが多く、中でもPCOSは生殖年齢女性の5〜10%に見られるとされる代表的な原因疾患です。

副腎からのDHEA-S分泌過剰も高アンドロゲン血症の一因となり、この場合はACTH(副腎皮質刺激ホルモン)の制御下にある副腎のアンドロゲン産生が亢進しています。

遺伝的な要因だけでなく、慢性的なストレスや睡眠不足、肥満などの環境要因がホルモンバランスの乱れを加速させる可能性も指摘されています。

原因を正確に特定するためには、婦人科や内分泌科での精密検査が不可欠です。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は卵巣で男性ホルモンが過剰に産生される病気

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、卵巣でテストステロンやアンドロステンジオンなどの男性ホルモンが過剰に産生される疾患です。

PMCに掲載された研究では、テストステロン(総テストステロンおよび遊離テストステロン)とアンドロステンジオンがPCOSにおける卵巣由来の過剰アンドロゲンの主な診断指標になると報告されています。

徳島大学のリポジトリに掲載された研究では、最新のテストステロン測定系を用いることで日本女性のPCOS診断効率が向上したことも確認されています。

PCOSは月経不順、排卵障害、多毛、ニキビなどの症状を伴い、不妊の原因としても重要視されている疾患です。

生まれつきの体質や遺伝的な素因が関与するケースが多いとされるものの、生活習慣の改善や適切な治療によって症状のコントロールが可能な場合もあるため、診断を受けた際は医師と相談しながら治療方針を決めることが大切でしょう。

Testosterone (both total and free testosterone) and androstenedione were the main elevated androgens and were diagnostic for excess ovarian androgens in the setting of PCOS.

引用元:PMC「Elevated and diagnostic androgens of polycystic ovary syndrome」2020

副腎からのアンドロゲン分泌や生活習慣の乱れも原因になる

女性の高アンドロゲン血症は卵巣由来だけでなく、副腎からのアンドロゲン分泌過剰が原因となるケースもあります。

PMCの論文では、DHEA-Sは副腎の網状帯でのみ産生されるホルモンであり、副腎のアンドロゲン産生はACTH(副腎皮質刺激ホルモン)の制御下にあると解説されています。

副腎過形成や副腎腫瘍といった疾患が背景にある場合もあるため、DHEA-S値が高い場合は内分泌科での精密検査が求められます。

生活習慣の面では、慢性的なストレスによるコルチゾール分泌の亢進が副腎のアンドロゲン産生を間接的に増加させる可能性が指摘されています。

睡眠不足や過度な飲酒、肥満なども男性ホルモンの分泌バランスを乱す要因となりうるため、日々の生活習慣を見直すことが予防と改善の基盤になるでしょう。

DHEA-S is only produced in the zona reticularis of the adrenal gland…Adrenal androgen production is under ACTH (adrenocorticotrophic hormone) control

引用元:PMC「Practical Approach to Hyperandrogenism in Women」

男性ホルモンが多い女性の診断は婦人科での血液検査が基本となる

男性ホルモンが多い女性の診断には、婦人科での血液検査が基本的なアプローチとなります。

厚生労働省のPCOS診療ガイドラインでは、テストステロン、遊離テストステロン、またはアンドロステンジオンのいずれかを測定し、正常範囲の上限を超えるかどうかで判定すると記載されています。

PMCの論文では、総テストステロン濃度の測定が最も有用な検査であり、液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC-MS/MS)が女性のアンドロゲン過剰を定量化する最も信頼性の高い方法であると述べられています。

LH(黄体形成ホルモン)やFSH(卵胞刺激ホルモン)のバランスもPCOSの診断に重要な指標となるため、複数のホルモン値を総合的に評価することが正確な診断につながります。

体毛の増加やニキビ、月経不順といった症状が気になる場合は、自己判断に頼らず婦人科を受診して血液検査を受けることが確実な第一歩です。

血液検査でテストステロン値やLH・FSHのホルモンバランスを測定する

婦人科での血液検査では、テストステロン値に加えてLHやFSHといったゴナドトロピンの測定が行われます。

厚生労働省のガイドラインでは、血中男性ホルモン高値またはLH基礎値高値かつFSH基礎値正常というパターンがPCOS診断基準の1つとして定められています。

J-Stageに掲載された産婦人科の研究でも、PCOS群ではLH/FSH比が有意に高値を示すことが確認されており、このホルモン比率の異常が診断の手がかりとなります。

遊離テストステロンやDHEA-Sなどの測定を追加することで、男性ホルモン過剰の原因が卵巣由来か副腎由来かを鑑別する助けにもなります。

検査のタイミングは月経周期の早期卵胞期(月経開始後3〜5日目)が推奨されるため、受診前に医療機関に確認しておくのが賢明です。

男性ホルモン高値は、テストステロン、遊離テストステロンまたはアンドロステンジオンのいずれかを用い、各測定系の正常範囲上限を超えるものとする

引用元:厚生労働科学研究費補助金「多嚢胞性卵巣症候群の診療ガイドライン」

自宅で使えるホルモン検査キットで手軽にセルフチェックする方法

婦人科への受診にハードルを感じる場合、自宅で使えるホルモン検査キットを活用してセルフチェックする方法も選択肢の1つです。

検査キットでは唾液や血液の微量サンプルを採取して郵送し、テストステロンやエストラジオールなどのホルモン値を測定できるサービスが提供されています。

自宅検査の利点は、通院の時間や待ち時間を省ける手軽さと、プライバシーが保たれる環境で検査を受けられる点にあります。

ただし、検査キットの精度は医療機関で行うLC-MS/MSなどの精密検査には及ばないケースがあるため、結果はあくまで目安として捉えることが重要です。

セルフチェックで異常値が疑われた場合は、必ず婦人科や内分泌科で確定診断を受けるようにしましょう。

男性ホルモンが多いことのメリット・デメリットを男女別に解説

男性ホルモンが多いことには、筋肉量の維持や意欲の向上といったメリットがある一方で、AGA(男性型脱毛症)リスクの上昇や攻撃性の高まりなどのデメリットも存在します。

男性と女性ではテストステロンの作用が異なる側面もあるため、メリットとデメリットを性別ごとに把握することが大切です。

ホルモンバランスは多すぎても少なすぎても健康に影響を及ぼすため、適正範囲を維持するという視点が重要になります。

ここでは、男性ホルモンが多いことによるメリットとデメリットをそれぞれ具体的に解説します。

メリットは筋肉量・骨密度の維持や意欲・性機能の向上にある

男性ホルモンが多いことの最大のメリットは、筋肉量と骨密度の維持、そして意欲や性機能の向上が期待できる点です。

テストステロンが十分に分泌されている状態では基礎代謝が高く保たれ、体脂肪の蓄積が抑えられるという体組成面の利点も得られます。

  • 筋肉量と筋力が維持されやすく、加齢に伴うサルコペニア(筋肉減少症)の予防につながる
  • 骨密度が高く保たれ、骨粗鬆症や骨折のリスクが低減される
  • やる気や活力が高まり、仕事やスポーツにおけるパフォーマンスが向上しやすい
  • 性欲やバイタリティーが維持され、心身の健康感が保たれる
  • インスリン感受性や血清脂質プロファイルが改善され、メタボリック症候群の予防に寄与する可能性がある

男性にとっても女性にとっても、テストステロンが適正範囲内で維持されていることは健康的な生活の基盤となるでしょう。

やる気や活力が高まり健康的な生活習慣を維持しやすくなる

テストステロンが十分に分泌されている人は、やる気や活力が高い状態を保ちやすい傾向があります。

テストステロンが脳内のドーパミン系に作用し、報酬感覚やモチベーションの維持に関与するメカニズムが示唆されているためです。

三重大学の研究では、テストステロンの低下に伴い健康感の減少、不安、イライラ、うつ、意欲の低下といった精神症状が現れると報告されています。

逆に言えば、テストステロンが適正に維持されていれば、運動習慣の継続やバランスの取れた食生活の維持が容易になるという好循環が生まれやすくなります。

日常の活力を保つうえで、男性ホルモンの分泌を健康的なレベルに維持することは男女を問わず重要な課題です。

男性は性欲やバイタリティーが高く女性は骨密度や気力が維持される

男性ホルモンが多い場合のメリットは、男性と女性で現れ方に違いがあります。

男性においてはテストステロンの充足が性欲の維持や性機能の向上に直結し、日常のバイタリティーや行動力の源泉となります。

女性においても、テストステロンは骨密度の維持や気力の安定に貢献しており、閉経後の骨粗鬆症予防にも関与する可能性が指摘されています。

男女ともにテストステロンの適正値を把握し、必要に応じて医療機関で検査を受けることが健康管理の一助になるでしょう。

デメリットはAGA(薄毛)リスクや皮脂過剰・攻撃性の高まりがある

男性ホルモンが多いことのデメリットとして、AGA(男性型脱毛症)のリスク上昇、皮脂分泌の過剰による肌トラブル、攻撃性や衝動性の高まりなどが挙げられます。

テストステロン自体が直接薄毛を引き起こすのではなく、5α-リダクターゼによってDHTに変換されることがAGAの主な原因であると診療ガイドラインに記載されています。

女性においては多毛や月経異常、不妊など生殖機能への影響が加わるため、デメリットの範囲がより広くなります。

  • テストステロンからDHTへの変換によりAGA(薄毛)が進行するリスクがある
  • 皮脂分泌の増加によってニキビや脂漏性皮膚炎などの肌トラブルが起こりやすい
  • 攻撃性や衝動性が高まり、対人関係でトラブルを招くケースがある
  • 女性の場合は多毛や声の低音化など男性化徴候が現れる可能性がある
  • 女性ではPCOSによる月経不順や排卵障害が不妊の原因になりうる

デメリットを正しく理解したうえで、医療機関での検査や適切な治療を受けることがリスク管理の基本となるでしょう。

テストステロン自体ではなくDHTへの変換が薄毛の原因になる

AGAの原因はテストステロンそのものではなく、テストステロンがDHTに変換されるプロセスにあります。

J-Stageに掲載された男性型脱毛症診療ガイドライン2017年版では、テストステロンがII型5α-還元酵素のはたらきによりDHTに変換され、DHTが男性ホルモン受容体に結合してTGF-βやDKK1を誘導することで毛母細胞の増殖が抑制されると詳述されています。

国民生活センターの資料でも、DHTが頭髪の成長を抑制するためにAGAが起こると説明されています。

つまり、テストステロン値が高くても5α-リダクターゼの活性や毛包の感受性が低ければ薄毛が進行しにくいという個人差が存在するのです。

AGA治療薬であるフィナステリドやデュタステリドは、この5α-リダクターゼを阻害することでDHTの生成を抑え、薄毛の進行を抑制する仕組みで作用しています。

テストステロンはII型5α―還元酵素の働きにより,さらに活性が高いジヒドロテストステロン(DHT)に変換されて受容体に結合する…DHTの結合した男性ホルモン受容体はTGF-βやDKK1などを誘導し毛母細胞の増殖が抑制され成長期が短縮する

引用元:J-Stage「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」

女性の場合は多毛や月経異常・不妊など生殖機能への影響もある

女性で男性ホルモンが過剰になると、多毛や月経異常にとどまらず、排卵障害による不妊という深刻な問題につながる可能性があります。

厚生労働省のガイドラインでは、PCOSの治療として多毛に対しては低用量ピルやスピロノラクトンが用いられるものの、薬物療法は効果出現までに時間がかかると注意喚起されています。

排卵障害に対してはクロミフェンなどの排卵誘発剤が使用される場合もあり、妊娠を希望するかどうかで治療方針が異なります。

インスリン抵抗性を伴う場合は肥満の改善やメトフォルミンの投与も検討されるなど、多角的なアプローチが必要となるケースが多いのが実情です。

女性で男性ホルモンが多い場合のデメリットは生殖機能への影響が大きいため、早期の診断と治療開始が将来の選択肢を広げるうえで重要となるでしょう。

多毛に対し、低用量ピル、スピロノラクトンなど。薬物療法は効果出現までに時間がかかる

引用元:厚生労働科学研究費補助金「多嚢胞性卵巣症候群の診療ガイドライン」

女性ホルモンが多い男性に見られる特徴と男性ホルモンとのバランスの関係

女性ホルモンが多い男性には、中性的な外見やホルモンバランスの乱れによる体調不良が見られるケースがあります。

男性の体内でもエストロゲン(女性ホルモン)は微量ながら産生されており、テストステロンがアロマターゼという酵素によってエストロゲンに変換される経路が存在します。

このバランスが崩れて女性ホルモンの比率が高まると、身体的・精神的にさまざまな変化が現れる可能性があります。

ここでは、女性ホルモンが多い男性の特徴と、ホルモンバランスの乱れがもたらす健康上のリスクを解説します。

女性ホルモンが多い男性は中性的な顔立ちで肌がきめ細かい傾向がある

女性ホルモンが多い男性には、中性的な顔立ちや肌のきめ細かさといった外見的特徴が見られやすい傾向があります。

千葉大学大学院医学研究院の研究では、アロマターゼ遺伝子が過剰発現するとエストロゲンが多く産生され、男性においても女性と同様の乳房発育(女性化乳房)が起こるケースが報告されています。

エストロゲンの作用により肌のコラーゲン産生が促進され、皮膚のきめが細かくなったり皮脂分泌が抑えられたりする影響が出る場合もあります。

外見的な中性化は体質や遺伝的要因によるものであり、健康上の問題を伴わない個人差の範囲内であるケースも少なくありません。

ただし、女性化乳房や性欲の低下など明確な症状が見られる場合は、ホルモン異常の可能性を考慮して医療機関での検査を検討することが推奨されます。

遺伝性女性化乳房症は、男性に乳房の高度発育、低身長・性欲の低下などをきたす疾患です…エストロゲン合成酵素であるアロマターゼ遺伝子が過剰発現しています

引用元:千葉大学大学院医学研究院 産婦人科学「AEXS(遺伝性女性化乳房症)」

ホルモンバランスの乱れは男性更年期障害や体調不良の原因になりうる

男性においてテストステロンが低下し相対的に女性ホルモンの比率が高まると、男性更年期障害(LOH症候群)をはじめとする体調不良の原因になりうることが明らかにされています。

順天堂大学医学部附属病院の情報では、LOH症候群がうつ、性機能低下、認知機能の低下、骨粗鬆症、心血管疾患、内臓脂肪の増加、メタボリック症候群のリスクファクターになると報告されています。

厚生労働省の調査でも、概ね40歳以降にテストステロンの減少によって女性更年期障害と類似した症状が男性にも現れることが認められています。

三重大学の研究によると、男性更年期障害の精神症状には健康感の減少、不安、イライラ、うつ、不眠、集中力の低下が含まれ、身体症状としては筋力低下、疲労感、ほてり、発汗、性機能低下が挙げられています。

40代以降で原因不明の体調不良や気力の低下が続く場合は、泌尿器科での遊離テストステロン値の測定を受けることで適切な治療につながる可能性があるでしょう。

LOH症候群は、うつ、性機能低下、認知機能の低下、骨粗鬆症、心血管疾患、内臓脂肪の増加、インスリン抵抗性の悪化に寄与し、メタボリック症候群のリスクファクターになります

引用元:順天堂大学医学部附属病院「LOH症候群(加齢性腺機能低下症)」

なお、男性の更年期障害については、概ね40歳以降に男性ホルモン(テストステロン)の減少により、女性更年期障害と類似した症状を呈する

引用元:厚生労働省「更年期症状・障害に関する意識調査(結果概要)」

男性ホルモンが多い女性がテストステロンを減らす方法と改善策

男性ホルモンが多い女性がテストステロンを減らすためには、食事改善や生活習慣の見直しといったセルフケアに加え、婦人科での専門的な治療が有効な選択肢となります。

ホルモンバランスの乱れは単一の原因で起こるものではなく、食事、睡眠、ストレス、運動、体重管理など複数の要因が絡み合っているため、総合的なアプローチが求められます。

生活習慣の改善だけでは症状がコントロールできない場合は、低用量ピルやホルモン療法などの医学的治療を組み合わせることで効果が期待できるでしょう。

ここでは、男性ホルモンを減らすための具体的な方法を食事・生活習慣・医療の3つの観点から解説します。

食事改善でホルモンバランスを整える方法は大豆やタンパク質が重要

食事の内容を見直すことは、女性のホルモンバランスを整えるうえで基本となるアプローチです。

PubMedに掲載されたランダム化比較試験(RCT)では、PCOS患者に大豆イソフラボンを12週間投与した結果、遊離アンドロゲン指数が有意に低下し、インスリン抵抗性やトリグリセリドの改善も確認されたと報告されています。

大豆イソフラボンにはエストロゲン様の作用があり、男性ホルモンの影響を緩和する方向にはたらく可能性が示唆されています。

タンパク質の十分な摂取も筋肉量の維持とインスリン感受性の改善に寄与し、間接的にホルモンバランスの安定を支えるはたらきがあります。

加工食品や精製糖質の過剰摂取を控え、大豆製品や良質なタンパク質、食物繊維を含むバランスの取れた食事を心がけることが、ホルモンバランス改善の第一歩となるでしょう。

Supplementation with soy isoflavones resulted in significant reductions in free androgen index…Soy isoflavone administration for 12 weeks in women with PCOS significantly improved markers of insulin resistance, hormonal status, triglycerides, and biomarkers of oxidative stress.

引用元:PubMed「The Effects of Soy Isoflavones on Metabolic Status of Patients With Polycystic Ovary Syndrome」J Clin Endocrinol Metab 2016

質の高い睡眠とストレス解消で女性ホルモンの分泌を安定させる

質の高い睡眠を確保し、ストレスを適切に管理することは、女性ホルモンの分泌を安定させるために欠かせない生活習慣です。

三重大学医学部附属病院の情報では、ホルモンバランスの維持に7時間前後の質の良い睡眠、適度な運動、ストレスを溜め込まないことが推奨されています。

慢性的なストレスは視床下部-下垂体-副腎系(HPA系)を過剰に刺激し、コルチゾールの分泌亢進を通じてホルモンバランスの乱れを引き起こす要因となります。

睡眠不足もホルモン分泌のリズムを狂わせ、テストステロンやエストロゲンの分泌量に影響を与える可能性が指摘されています。

ウォーキングやヨガなどの適度な運動習慣を取り入れ、入浴やリラクゼーションで自律神経を整えることが、ホルモンバランスの安定に有効な手段となるでしょう。

しっかり眠る(7時間前後の質の良い睡眠)、適度に体を動かす(ウォーキングや筋トレ)、バランスのとれた食事(特にたんぱく質・亜鉛・ビタミンD)、飲酒や喫煙を控える、ストレスを溜め込まないようにする

引用元:三重大学医学部附属病院「男性更年期(LOH症候群)」

婦人科やクリニックでの治療法は低用量ピルやホルモン療法が選択肢になる

生活習慣の改善だけでは症状が十分にコントロールできない場合、婦人科やクリニックでの医学的治療が有力な選択肢となります。

厚生労働省のPCOS診療ガイドラインでは、多毛に対して低用量ピルやスピロノラクトン(抗アンドロゲン作用を持つ利尿薬)が推奨されており、インスリン抵抗性を伴う場合はメトフォルミンの投与も検討されています。

低用量ピルはエストロゲンとプロゲステロンの合剤であり、卵巣からのアンドロゲン産生を抑制するとともに性ホルモン結合グロブリン(SHBG)を増加させて遊離テストステロンを低下させる作用があります。

妊娠を希望する場合は排卵誘発剤の使用が優先されるなど、患者のライフプランに応じた治療方針の選択が必要です。

治療開始前に婦人科で血液検査やエコー検査を受け、原因を正確に把握してから医師と相談して治療方針を決定することが、最も確実な改善への道筋となるでしょう。

インスリン抵抗性改善の目的で肥満の改善、メトフォルミン。多毛に対し、低用量ピル、スピロノラクトンなど

引用元:厚生労働科学研究費補助金「両側卵巣の多嚢胞性腫大と肥満・男性化徴候を伴う月経異常」

男性ホルモンを健康的に維持・増加させる生活習慣と運動・食事の方法

男性ホルモンを健康的に維持・増加させるには、運動、食事、睡眠の3つの柱を中心とした生活習慣の最適化が不可欠です。

テストステロンの分泌量は加齢とともに緩やかに低下していくことが知られており、40歳以降は総テストステロンが年間約0.4%、遊離テストステロンが年間約1.3%のペースで減少するとPMCに掲載された研究で報告されています。

しかし、適切な筋力トレーニングや栄養摂取、十分な睡眠を実践することで、この低下を最小限に抑え、テストステロンの分泌を促進することが可能です。

ここでは、科学的なエビデンスに基づいた具体的な方法を解説します。

大筋群を鍛える筋力トレーニングはテストステロン分泌を促進する効果が高い

大筋群を対象とした筋力トレーニングは、テストステロンの分泌を急性的に促進する効果が高いことが複数の研究で示されています。

PubMedに掲載されたSports Medicine誌のレビューでは、高ボリューム・中〜高強度・短い休息時間で大筋群を刺激するプロトコルが、運動後15〜30分間のテストステロンや成長ホルモンの最大の急性上昇を生み出すと報告されています。

具体的には、スクワット、デッドリフト、ベンチプレスといった多関節種目で複数の大筋群を同時に刺激するトレーニングが推奨されます。

PubMedの別の研究でも、筋力トレーニングが年齢に関係なくテストステロンと成長ホルモンの放出を誘導することが確認されています。

週2〜3回の頻度で大筋群を中心とした筋力トレーニングを継続することが、テストステロン分泌の維持に効果的な運動習慣だといえるでしょう。

Protocols high in volume, moderate to high in intensity, using short rest intervals and stressing a large muscle mass, tend to produce the greatest acute hormonal elevations (e.g. testosterone, GH and the catabolic hormone cortisol).

引用元:PubMed「Hormonal responses and adaptations to resistance exercise and training」Sports Medicine 2005

In conclusion, the data presented here indicate that strength training can induce growth hormone and testosterone release, regardless of age.

引用元:PubMed「Effects of progressive resistance training on growth hormone and testosterone levels in young and elderly subjects」1990

亜鉛・タンパク質・ビタミンDを含む食事でテストステロンの合成を助ける

テストステロンの合成には亜鉛、タンパク質、ビタミンDといった栄養素が重要な役割を果たしています。

PubMedのNutrition誌に掲載された研究では、4名の若い健康な男性を対象に20週間の亜鉛制限を行ったところ血清テストステロン濃度が有意に低下し、亜鉛が不足していた高齢男性に3〜6か月間の亜鉛補充を行うと血清テストステロンが上昇したと報告されています。

この研究は少人数を対象とした予備的な知見ではあるものの、PubMedの系統的レビューでも亜鉛欠乏がテストステロンを低下させ、亜鉛の補充がテストステロンを改善するという結論が導かれています。

ビタミンDに関しても、Hormone and Metabolic Research誌に掲載された研究でビタミンDの補充がテストステロン値を増加させる可能性が示されています。

兵庫医科大学病院の情報でも、テストステロン分泌を促す栄養素として亜鉛やビタミンDのほか、ビタミンE、ビタミンC、コエンザイムQ10などの抗酸化物質の摂取が推奨されています。

牡蠣、牛赤身肉、卵、魚介類、大豆、きのこ類などを意識的に食事に取り入れることが、テストステロンの合成を助ける栄養戦略として有効です。

睡眠不足はテストステロンを10〜15%低下させるため7時間以上の確保が必要

睡眠不足はテストステロンの分泌量を大幅に低下させるため、7時間以上の睡眠確保がホルモン維持の基本条件となります。

JAMA誌に掲載されたPMCの研究では、対象者10名の若い健康な男性に対し1週間の睡眠制限(1日5時間)を行った結果、日中のテストステロン値が10〜15%低下したと報告されています。

小規模な研究ではあるものの、PubMedのメタ分析でも24時間以上の完全断眠が男性のテストステロン値を有意に減少させることが確認されており、睡眠とテストステロンの関連を示すエビデンスは複数の研究で一貫しています。

富山大学附属病院の情報でも、テストステロンは肥満や睡眠不足によっても低下するため食べ過ぎや夜更かしは禁物であると警告されています。

テストステロンの分泌は睡眠中に活発になるため、睡眠時間の確保だけでなく就寝時間の規則性や睡眠の質を高める工夫(寝室の暗さの確保、就寝前のスマートフォン使用の制限など)も重要な対策となるでしょう。

Daytime testosterone levels were decreased by 10% to 15% in this small convenience sample of young healthy men who underwent 1 week of sleep restriction to 5 hours per night.

引用元:PMC「Effect of 1 Week of Sleep Restriction on Testosterone Levels in Young Healthy Men」JAMA 2011

テストステロンは肥満や睡眠不足によっても低下しますので、食べ過ぎや夜更かしは禁物です

引用元:富山大学附属病院「LOH症候群について」

加齢による男性ホルモン低下が気になる場合は医療機関で検査・補充療法を相談する

加齢に伴う男性ホルモンの低下が気になる場合は、泌尿器科やメンズヘルス外来などの医療機関で検査を受け、必要に応じてテストステロン補充療法(TRT)を検討することが推奨されます。

順天堂大学医学部附属病院では、血中総テストステロン値が250ng/dl以下、または血清フリーテストステロン値が7.5pg/ml以下を治療介入の基準値として設定しており、TRTによって筋肉量、骨密度、血清脂質プロファイル、気分、性欲、健康感の改善が期待できると報告されています。

鳥取大学医学部附属病院の情報でも、LOH症候群の原因はテストステロンの減少であり、精巣で作られるテストステロンの産生量が加齢とともに低下していくことが解説されています。

三重大学の研究では、加齢だけでなく生活習慣やストレス、睡眠不足、過度な飲酒、肥満がホルモン低下を加速させる要因になるとも指摘されています。

生活習慣の改善を基本としつつ、症状が改善しない場合は医療機関で遊離テストステロン値を測定し、医師と相談のうえで補充療法の適応を判断してもらうことが、加齢に伴うホルモン低下への最も確実な対処法です。

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