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コレステロールを下げる薬で抜け毛が増える原因とは?副作用と薄毛対策を医師監修で解説

コレステロールを下げる薬を服用してから抜け毛が増えたと感じる方は少なくありません。

スタチン系薬剤には、髪の毛の成長に必要なコレステロール合成を阻害する作用があり、副作用として脱毛が報告されるケースがあります。

本記事では、コレステロールを下げる薬と抜け毛の関係について、メカニズムから対処法まで医学的エビデンスに基づき網羅的に解説します。

ロスバスタチンやピタバスタチンといった具体的な薬剤名ごとの脱毛リスク、薬を飲み続けることで生じる身体への影響、さらにAGA治療薬との併用可否まで、薄毛に悩む方が知るべき情報を体系的にまとめました。

自己判断で服用を中止するのは動脈硬化や心筋梗塞のリスクを高める行為であるため、正しい知識を身につけたうえで主治医と相談することが重要といえます。

この記事でわかること
  • コレステロールを下げる薬(スタチン系)が抜け毛を引き起こすメカニズム
  • ロスバスタチン・ピタバスタチンなど薬の種類別の脱毛リスク比較
  • 薬剤性脱毛とAGA(男性型脱毛症)の見分け方
  • コレステロールの薬を飲み続けた場合の副作用と服用期間の目安
  • 自己判断で薬をやめることの危険性と医師への相談ポイント
  • 抜け毛を感じたときの具体的な対処法と育毛ケアの選択肢
  • AGA治療薬との併用可否と専門クリニックの活用方法
目次
  1. コレステロールを下げる薬の副作用で抜け毛が起きる原因とメカニズムを解説
  2. コレステロールの薬を飲み続けると身体や髪の毛にどんな影響が出るのか
  3. コレステロール値は高くていい?薬で下げてはいけないという説の真偽を検証
  4. コレステロールを下げる薬による抜け毛を感じたときの具体的な対処法
  5. 抜け毛がAGAの場合に検討すべき治療薬と専門クリニックの活用法
  6. コレステロールを下げる薬と抜け毛に関するよくある質問

コレステロールを下げる薬の副作用で抜け毛が起きる原因とメカニズムを解説

コレステロールを下げる薬、とりわけスタチン系薬剤の服用が抜け毛を引き起こす原因には、体内のコレステロール合成経路の阻害が深く関わっています。

スタチンは肝臓のHMG-CoA還元酵素を阻害してLDLコレステロールを低下させる薬剤ですが、同時に毛包で必要とされるコレステロールやCoQ10の産生にも影響を及ぼす可能性があります。

実際に、ロスバスタチンやピタバスタチンをはじめとする複数のスタチンで脱毛の副作用報告が存在し、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の添付文書にも記載が確認できます。

悪玉コレステロール(LDLコレステロール)と頭皮環境の関係や、薬剤性脱毛とAGA(男性型脱毛症)の違いを正しく理解することが、適切な対策への第一歩となるでしょう。

このセクションでは、コレステロールを下げる薬の副作用として抜け毛が起きるメカニズムを科学的根拠とともに詳しく解説します。

スタチン系薬剤の服用で髪の毛に必要なコレステロール合成が阻害される仕組み

スタチン系薬剤は、体内のコレステロール合成を根本的に抑える作用を持つため、髪の毛の成長に不可欠な脂質代謝にも影響を与えます。

毛包(毛根を包む組織)は活発に細胞分裂を行う器官であり、その細胞膜の構成やホルモン合成にコレステロールが欠かせません。

英文論文のレビューでは、脂質と脂質代謝が毛包生物学における重要な要因であり、コレステロール恒常性の変化が脱毛症の病態に関与すると報告されています。

さらに、マウスの皮膚にコレステロール合成阻害剤を塗布した実験では、発毛が抑制されたという研究結果も発表されました。

スタチンの服用によって全身のコレステロール合成が低下すると、頭皮の毛包も例外なくその影響を受ける可能性が示唆されています。

Lipids and lipid metabolism are critical factors in hair follicle (HF) biology, and cholesterol has long been suspected of influencing hair growth.

引用元:Palmer MA et al., Exp Dermatol 2020 – PubMed

肝臓のHMG-CoA還元酵素阻害が頭皮の毛根にも影響する理由

スタチン系薬剤が標的とするHMG-CoA還元酵素は、肝臓だけでなく毛根の細胞にも発現していることが研究で確認されています。

この酵素はメバロン酸経路の律速段階を担い、コレステロールのほかにも細胞の増殖や分化に必要な複数の物質を合成する出発点となります。

1975年にはヒトの毛根でHMG-CoA還元酵素の活性が測定されており、毛包が独自にコレステロールを合成する能力を持つことが示されました。

2025年に発表された研究では、コレステロール生合成経路のステロール中間体の蓄積が毛包幹細胞の機能に影響を及ぼし、幹細胞マーカーであるSOX9やLGR5、WNT5Aの発現低下を招くことが確認されています。

ただし、この研究は原発性瘢痕性脱毛症(PCA)を対象としたものであり、使用された阻害剤はスタチンではなく特定のステロール中間体蓄積剤である点に留意が必要です。

肝臓を主な標的とするスタチンであっても全身のメバロン酸経路を抑制するため、毛根への間接的な波及効果が生じる可能性は否定できません。

the application of cholesterol synthesis inhibitors on mouse skin suppresses hair growth

引用元:Cholesterol promotes hair growth through activating sympathetic nervous system – PMC 2025

Cholesterol homeostasis is critical for the survival and functionality of HFSCs (hair follicle stem cells)

引用元:Disrupted cholesterol biosynthesis and hair follicle stem cell depletion – PMC 2025

CoQ10低下やホルモンバランスの乱れが抜け毛を促進する可能性

スタチンによるメバロン酸経路の阻害は、コレステロールだけでなくコエンザイムQ10(CoQ10)の産生低下も引き起こすことが知られています。

CoQ10はミトコンドリアでの酸化的リン酸化に関与する補酵素であり、細胞のエネルギー産生に直結する物質です。

2018年のレビュー論文では、スタチンがファルネシルピロリン酸の産生を阻害することでCoQ10濃度が低下し、筋症状をはじめとする副作用に寄与する仮説が報告されています。

東邦大学薬学部の資料でも、スタチン製剤投与時にはCoQ10の併用が欧米で推奨されている旨が記載されています。

CoQ10の不足は毛母細胞のエネルギー代謝を低下させ、毛髪の成長サイクルを乱す要因となる可能性があります。

加えて、メバロン酸経路はステロイドホルモンの原料供給にも関わるため、ホルモンバランスの微妙な変化が抜け毛を促進するケースも否定できません。

Inhibition of HMG-CoA reductase induced by statin therapy results in lowering of several pathway intermediates, such as dolychols, prenylated proteins, electron transport chain proteins, and ubiquinone/coenzyme Q10, which is involved in oxidative phosphorylation.

引用元:Statin-Associated Myopathy: Emphasis on Mechanisms – PMC 2021

CoQ10の生合成も阻害しますので、スタチン製剤の投与時においては、CoQ10の併用が欧米では推奨されています

引用元:東邦大学薬学部 公開講座資料

ロスバスタチンやピタバスタチンなど薬の種類別に副作用の脱毛報告を比較

スタチン系薬剤は種類によって脱毛の副作用報告に差異があり、添付文書への記載状況も異なります。

日本国内で処方される主要なスタチン6種類を比較すると、ロスバスタチン以外の薬剤では添付文書に脱毛が副作用として明記されています。

ただし、2025年に発表された症例報告でロスバスタチンによる脱毛が初めて医学誌に掲載されたことから、添付文書に記載がないからといってリスクがゼロとは断言できません。

各スタチンの添付文書における脱毛記載を以下に整理しました。

薬剤名 脱毛の記載 記載される頻度
ロスバスタチン(クレストール) 記載なし
ピタバスタチン(リバロ) あり 頻度不明
アトルバスタチン(リピトール) あり 頻度不明
シンバスタチン(リポバス) あり 1%未満
プラバスタチン(メバロチン) あり 1%未満
フルバスタチン(ローコール) あり 頻度不明〜1%未満

薬の種類によって脱毛リスクの程度は異なるものの、スタチン全体としてまれな副作用である点は共通しています。

処方薬を変更する際は、脱毛以外の副作用プロファイルやLDLコレステロール低下効果も含めて主治医と総合的に検討することが賢明です。

ロスバスタチンの副作用で脱毛が起きる頻度と口コミの実態

ロスバスタチンは日本の添付文書に脱毛の副作用が記載されていない薬剤ですが、2025年に国内初の症例報告が医学誌に掲載されました。

53歳男性がロスバスタチンの服用を開始して1週間後に脱毛を発症し、自己判断で2週間後に中止したところ、1〜2週間で毛髪の再生が認められたという経過が報告されています。

その後エゼチミブに切り替えた結果、脱毛は再発しませんでした。

口コミベースでは、服用開始後に抜け毛が増えたという声がインターネット上に散見されるものの、大規模コホート研究ではスタチン使用と脱毛に有意な関連は示されていません。

ロスバスタチンによる脱毛は極めてまれなケースと考えられますが、服用後に異変を感じた場合は速やかに医師へ相談すべきといえます。

A 53-year-old man presented to our hospital with alopecia. He had started taking rosuvastatin for hyperlipidemia and developed hair loss one week later. Rosuvastatin was replaced with ezetimibe, and no further hair loss subsequently occurred.

引用元:Rosuvastatin-associated Alopecia – PMC / Internal Medicine 2025

ピタバスタチンの副作用に脱毛が添付文書に記載されている事実

ピタバスタチン(商品名リバロ)は、PMDAの添付文書において副作用の項目に脱毛が明記されている薬剤です。

具体的には、その他の副作用の区分で頻度不明として脱毛が掲載されています。

頻度不明とは、市販後調査等で報告があるものの正確な発現率が算出されていない状態を意味します。

同様にアトルバスタチンやシンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチンの添付文書にも脱毛が記載されており、スタチン系薬剤に共通する潜在的な副作用であることがわかります。

服用中に頭皮の変化や抜け毛の増加を感じた患者は、自己判断で放置せず皮膚科や処方元の内科で報告することが大切です。

11.2 その他の副作用 … 脱毛(頻度不明)

引用元:ピタバスタチンカルシウム錠添付文書 – PMDA

Alopecia is listed as a side effect of unknown frequency or <1% in the Japanese package inserts for other statins, including atorvastatin, pitavastatin, simvastatin, pravastatin, and fluvastatin, although no such warning is listed for rosuvastatin.

引用元:Rosuvastatin-associated Alopecia – PMC 2025

悪玉コレステロールと抜け毛の関係:LDLコレステロールは頭皮に影響するか

悪玉コレステロール(LDLコレステロール)と抜け毛の間には、複数の経路を介した関連性が最新の研究で示されています。

2025年に発表されたメンデルランダム化研究では、脂質プロファイルと脱毛症の因果関係が検討され、コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪、アポリポプロテインA1、アポリポプロテインB、リポプロテイン(a)が主要な寄与因子として56の有意な因果関係が特定されました。

ただし、同研究の多変量解析では、円形脱毛症に対して独立した有意な関連を示したのはHDLコレステロールと中性脂肪のみであり、LDLコレステロール単独の寄与は統計的に有意ではなかったと報告されています。

AGAにおいてはWnt/β-カテニンシグナル伝達経路の下方制御が重要なメカニズムとされ、コレステロールやコレステロールリッチな脂質ラフトがこの経路を促進する役割を担うとの指摘がありますが、LDLコレステロール値と薄毛の直接的な因果関係はまだ確立されていません。

脂質代謝の改善と毛髪の健康を両立させるためには、血液検査による定期的な数値管理が欠かせないでしょう。

The UVMR analysis identified 56 significant causal associations between lipid levels and hair loss disorders, with cholesterol, HDL-C, LDL-C, TG, apolipoprotein A1, apolipoprotein B, and lipoprotein(a) emerging as key contributors.

引用元:Potential Causal Relationship Between Extensive Lipid Profiles and Alopecia – PMC 2025

薬剤性の休止期脱毛とAGA(男性型脱毛症)の違いを見分けるポイント

コレステロールを下げる薬の副作用による脱毛とAGA(男性型脱毛症)では、発症の仕組みや進行パターンに明確な違いがあります。

薬剤性の脱毛は多くの場合、休止期脱毛という形で現れ、服用開始から数週間〜数か月で頭部全体の毛髪が一様に薄くなる傾向を示します。

東京医科大学皮膚科学の脱毛症外来でも、抗がん薬だけでなく一般的な内服薬で薬剤性脱毛症が生じることがあると注意喚起しています。

一方、AGAは前頭部や頭頂部の毛髪が選択的に細く短くなるミニチュア化が特徴で、遺伝的素因とジヒドロテストステロン(DHT)の作用が主な原因です。

薬剤性脱毛であれば原因薬を中止・変更することで回復が期待できますが、AGAは進行性の疾患であるため、フィナステリドやミノキシジルによる継続的な治療が必要となります。

抜け毛のパターンが頭部全体か特定部位かを観察し、皮膚科専門医の診断を受けることが正確な見分けの鍵を握ります。

薬剤性脱毛症:抗がん薬だけでなく一般的な内服薬でも生じることがある

引用元:東京医科大学皮膚科学 脱毛症外来

コレステロールの薬を飲み続けると身体や髪の毛にどんな影響が出るのか

コレステロールの薬を飲み続けることに不安を感じている方は多く、副作用や服用期間に関する疑問は検索上位の関連キーワードとして頻繁に見られます。

スタチン系薬剤は脂質異常症治療の第一選択薬として長期処方されるケースが一般的ですが、筋肉痛や肝機能障害をはじめとする副作用のリスクが服用継続とともに懸念される点は事実です。

一方で、コレステロールの薬を飲み続けることで動脈硬化の進行を抑制し、心筋梗塞や脳梗塞の発症を予防できるという強固なエビデンスも蓄積されています。

薬をやめる基準やいつまで飲むべきかは患者個々のリスク状態によって異なるため、自己判断ではなく主治医との継続的な対話が不可欠となるでしょう。

ここでは、薬を飲み続けた場合に起こりうる副作用と、適切な服用期間の考え方を整理します。

コレステロールの薬を飲み続けると起きやすい副作用を一覧で紹介

コレステロールの薬を飲み続けると、頻度の差はあるものの複数の副作用が報告されており、服用者の10%〜25%が何らかの筋肉関連症状を経験するとされています。

添付文書や臨床研究のデータを総合すると、軽度の筋肉痛から重篤な横紋筋融解症まで幅広い症状が確認できます。

主な副作用を以下に整理しました。

  • 筋肉痛や筋力低下:スタチン関連筋症状(SAMS)と呼ばれ、服用者の10%〜25%に出現するとの報告がある
  • 横紋筋融解症:筋肉の崩壊に伴いミオグロビンが血中に放出され、腎機能障害を引き起こす重篤な副作用で、発症は極めてまれ
  • 肝機能障害:ASTやALT、γ-GTPの上昇が定期的な血液検査で発見されるケース
  • 消化器症状:腹痛、下痢、便秘、吐き気といった日常生活に支障をきたす症状
  • 倦怠感や頭痛:精神神経系の副作用として添付文書に記載がある
  • 脱毛:頻度不明〜1%未満の範囲で複数のスタチンに報告あり

副作用の多くは薬の減量や種類変更で改善が見込めるため、異変を感じた段階で速やかに主治医へ報告することが被害を最小限に抑える手段となります。

筋肉痛や横紋筋融解症など重篤な副作用のリスクと症状

スタチン系薬剤の代表的な重篤副作用として横紋筋融解症があり、厚生労働省の資料でも注意喚起が行われています。

横紋筋融解症とは、骨格筋の細胞が壊死して筋肉内のミオグロビンやCK(クレアチンキナーゼ)が血中に大量放出される病態を指します。

厚生労働省の資料では、スタチンの副作用として肝障害、CK上昇、筋脱力等のミオパチー様症状、および横紋筋融解症が極めてまれながら報告されていると明記されています。

PMCに掲載された2021年のレビュー論文によれば、軽度から中等度の筋肉痛や倦怠感から致命的な横紋筋融解症まで、服用者の10%〜25%がスタチン関連筋症状を報告しています。

初期症状として筋肉の痛みや脱力感、褐色尿が見られた場合は、服用を自己判断で継続せず直ちに医療機関を受診する必要があります。

スタチンの副作用としては、肝障害、CK上昇、筋脱力等などのミオパチー様症状、並びに血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症が極めて稀ながら報告されている。

引用元:資料1-2 スタチンとフィブラート原則併用禁忌の解除について – 厚生労働省

倦怠感・肝機能障害・下痢など日常生活に影響する副作用

横紋筋融解症ほど重篤でなくても、コレステロールの薬を飲み続ける過程で倦怠感や消化器症状に悩まされる患者は一定数存在します。

PMDAが公開するピタバスタチンの添付文書には、消化器系として嘔気・胃不快感・腹痛・下痢・便秘が、精神神経系として頭痛・しびれ・めまい・不眠が、その他の区分に倦怠感と脱毛が記載されています。

肝機能障害はAST、ALT、γ-GTPの数値上昇として定期的な血液検査で発見されることが多く、自覚症状が乏しい点が特徴です。

日常的に疲労感が抜けない場合や、食欲不振が続く場合は、副作用の可能性を視野に入れて検査を受けるべきでしょう。

これらの症状は薬の種類変更や用量調整で軽減できるケースが報告されているため、我慢して服用を続けるよりも早期に相談することが生活の質を維持する上で有効です。

11.2 その他の副作用:消化器:嘔気・悪心、胃不快感、腹痛、下痢、便秘…肝臓:AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇…精神神経系:頭痛、しびれ、めまい、不眠…その他:倦怠感、脱毛

引用元:ピタバスタチンカルシウム錠添付文書 – PMDA

コレステロールを下げる薬はいつまで飲むのか:服用期間の目安を解説

コレステロールを下げる薬をいつまで飲み続けるべきかは、患者の心血管リスクや生活習慣の改善状況によって大きく異なります。

脂質異常症は長年の蓄積で動脈硬化を進行させる慢性疾患であり、基本的にはLDLコレステロールが管理目標値を安定して維持できる状態が確認されるまで服用を継続する方針が一般的です。

厚生労働省の資料では、スタチンによる治療期間が長いほど認知症発症の危険性が低くなることが示されており、中年期からの脂質異常症の治療が重要と記載されています。

日本動脈硬化学会の2022年版ガイドラインでは、二次予防のLDLコレステロール管理目標値を100mg/dL未満(急性冠症候群・家族性高コレステロール血症・糖尿病・冠動脈疾患とアテローム血栓性脳梗塞の合併の場合は70mg/dL未満)としており、この目標に達するまで薬物療法を継続することが推奨されています。

服用期間に明確な上限は設定されておらず、定期的な血液検査と主治医の判断に基づいて長期的に管理する姿勢が求められるでしょう。

脂質異常症は長年の蓄積により動脈硬化を進行させますが、早期に介入することで心筋梗塞や脳梗塞などの発症の予防ができます。

引用元:厚生労働省 認知症ハンドブック

コレステロールの薬をやめる基準は?医師に相談すべき判断ポイント

コレステロールの薬をやめる基準は画一的に定められておらず、個々の動脈硬化リスクとLDLコレステロールの推移に基づいて医師が判断します。

日本動脈硬化学会は、脂質異常症を指摘された時に症状がなくても放置すると動脈硬化が進行し、命を脅かす重篤な病気が生じる可能性があると注意喚起しています。

一般的に服薬中止が検討されるのは、生活習慣の改善でLDLコレステロールが管理目標値を長期的に維持できている場合や、副作用が服用の継続を上回るリスクを生じている場合に限られます。

主治医に相談する際には、直近の血液検査の結果、現在の副作用の有無、食事や運動の取り組み状況、家族歴(心筋梗塞や脳卒中の既往)の4点を整理して伝えることが効果的です。

自己判断での中止は動脈硬化の急速な進行を招く危険性があるため、減薬や休薬を含めた方針は必ず専門医の指導のもとで決定してください。

脂質異常症を指摘された時に症状がなくても、放置すると動脈硬化が進行し、やがて命を脅かす重篤な病気が生じる可能性があります。

引用元:脂質異常症診療のQ&A – 日本動脈硬化学会

コレステロール値は高くていい?薬で下げてはいけないという説の真偽を検証

コレステロール値は高くていい、薬で下げてはいけないという主張がインターネット上で拡散されていますが、この説は医学的根拠に基づく慎重な検証が必要です。

一部の書籍やメディアでは、コレステロール薬は飲まない方がいいという極端な主張が見られますが、日本動脈硬化学会をはじめとする専門学会はLDLコレステロールの適切な管理の重要性を繰り返し強調しています。

確かに、すべての患者にスタチンが必要なわけではなく、心血管リスクが低い場合には生活習慣の改善だけで十分なケースも存在します。

一方で、動脈硬化性疾患は総死亡の約22%を占める深刻な健康問題であり、リスクの高い患者が薬を飲まないことは命に関わる判断となりかねません。

このセクションでは、薬で下げてはいけないという説の背景を客観的に分析し、どのような場合に薬物治療が必要かを明確にします。

コレステロール薬は飲まない方がいいと言われる理由と医学的根拠の検証

コレステロール薬は飲まない方がいいという意見の背景には、副作用への不安と、コレステロールの生理的役割に対する誤解が混在しています。

コレステロールは細胞膜の構成成分やホルモン合成に不可欠な物質であり、この事実だけを取り上げて薬で下げるべきでないと主張する論調が存在します。

しかし、日本動脈硬化学会は、スタチンなど薬剤を用いてコレステロールを下げた場合にがんが増えたという結果は報告されていないと明言しています。

動脈硬化性疾患は心筋梗塞や脳梗塞を引き起こし、総死亡の約22%を占めるため、LDLコレステロールが管理目標値を大幅に超えている患者にとって薬物療法は生命予後を改善する手段です。

飲まない方がいいという主張が自身に当てはまるかどうかは、個別のリスク評価なしには判断できません。

脂質異常症は心筋梗塞や脳梗塞、閉塞性動脈硬化症などの動脈硬化性疾患の原因となります。動脈硬化性疾患は総死亡の約22%を占め、発症すると日常生活の質が低下する可能性もある重篤な病気です。

引用元:脂質異常症診療のQ&A – 日本動脈硬化学会

スタチンなど薬剤を用いてコレステロールを下げた場合にがんが増えたという結果は報告されていません。

引用元:脂質異常症診療のQ&A – 日本動脈硬化学会

LDLコレステロールが高くても問題ないケースと危険なケース

LDLコレステロールが基準値を超えていても、すべての患者に直ちに薬物療法が必要とは限りません。

高血圧や糖尿病、喫煙といった他の危険因子を持たず、心血管イベントの既往がない低リスクの方であれば、まず食事療法や運動療法による生活習慣の改善で経過を観察する選択肢があります。

日本動脈硬化学会のQ&Aでも、基準値を超えたからといってすぐに薬を使うとは示していないと記載されています。

一方、冠動脈疾患の既往がある二次予防の患者や、糖尿病を合併している場合はLDLコレステロール70mg/dL未満〜100mg/dL未満という厳格な管理が求められ、スタチンの服用が生存率の向上に直結します。

LDLコレステロールが高くても問題ないという一般論を、リスクの高い患者にまで適用するのは危険といえるでしょう。

60代女性のLDLコレステロール基準値と薬の必要性

60代女性は閉経後のホルモン変化によってLDLコレステロールが上昇しやすい時期であり、薬の必要性を見極める上で年齢と性別の特性を理解する必要があります。

国立長寿医療研究センターのデータによると、女性では閉経後60歳代まで総コレステロール値と中性脂肪値が増加し、以後減少する傾向が認められます。

日本老年医学会雑誌に掲載された研究では、閉経後女性のLDLコレステロール値が平均138.7±40.6mg/dLと報告されており、日本動脈硬化学会の診断基準である140mg/dLに極めて近い水準です。

60代女性では女性ホルモン(エストロゲン)の減少がLDLコレステロール上昇の主な要因となるため、数値だけで服薬を判断するのではなく、動脈硬化のリスク因子を総合的に評価したうえで治療方針を決定する必要があります。

閉経後の生理的な変動を踏まえた丁寧な診療が、60代女性の脂質管理において特に重要となります。

総コレステロール値と中性脂肪値は男性では漸減しますが、女性では閉経後60歳代まで増加し、以後減少します。

引用元:高齢者の臨床検査について – 国立長寿医療研究センター

日本動脈硬化学会では、LDLコレステロール値が140mg/dL以上である場合、HDLコレステロール値が40mg/dL未満である場合に脂質異常症を疑うこととしています。

引用元:コレステロール摂取に関するQ&A – 日本動脈硬化学会

自己判断で薬をやめると動脈硬化や心筋梗塞のリスクが上昇する危険性

コレステロールの薬を自己判断で中止する行為は、動脈硬化の進行と心筋梗塞・脳梗塞の発症リスクを大幅に高める危険な判断です。

厚生労働省の薬局疾患別対応マニュアルでは、脂質異常症の自己判断中止は動脈硬化性疾患のリスク増大につながると明記されています。

日本動脈硬化学会の2022年版ガイドラインは、動脈硬化のリスクを包括的に管理することで冠動脈疾患や脳血管障害の予防を目指すという方針を示しており、薬物療法はその中核的な手段として位置づけられています。

副作用が気になる場合や、薬をやめたいと感じた場合であっても、まず主治医に相談して代替薬への変更や減量の可能性を探ることが、健康を守りながら不安を解消する唯一の方法です。

抜け毛や筋肉痛といった副作用と、心筋梗塞や脳梗塞という生命に関わるリスクを天秤にかけた判断を、医師の助言なく行うべきではありません。

自己判断により服薬中止していないか…脂質異常症の自己判断中止は動脈硬化性疾患のリスク増大につながる

引用元:薬局における疾患別対応マニュアル – 厚生労働省

ロスバスタチンをやめたいと感じたときに主治医へ相談すべき内容

ロスバスタチンをやめたいと感じる理由は、副作用の不快感や服薬負担、抜け毛への不安などさまざまですが、いずれの場合も自己判断で中止する前に主治医へ具体的な情報を伝えることが重要です。

相談時に準備すべき事項として、服用開始からの期間、副作用の種類と発現時期、抜け毛の程度や部位、直近のLDLコレステロール値、他に服用している薬の一覧が挙げられます。

ロスバスタチンから別のスタチンへの変更、エゼチミブやフィブラート系薬剤への切り替え、あるいは減量による様子観察など、選択肢は複数存在します。

2025年の症例報告では、ロスバスタチンをエゼチミブに変更したことで脱毛が完全に回復した事例があり、薬の種類変更が脱毛解消に有効だった実例が確認されています。

やめたいという気持ちを伝えること自体は診療上の重要な情報であり、遠慮なく申し出ることが最善の治療につながるといえます。

コレステロールを下げる薬による抜け毛を感じたときの具体的な対処法

コレステロールを下げる薬を服用中に抜け毛を感じた場合、闇雲に薬を中止するのではなく、段階的かつ科学的根拠に基づいた対処法を実践することが重要です。

第一のステップは医師への相談であり、薬の種類変更や減量によって脱毛が改善した症例が複数報告されています。

並行して、食事や栄養管理で髪の毛の成長に必要なタンパク質やビタミン、ミネラルを補給することも効果的な対策です。

頭皮環境の改善に向けた生活習慣の見直し、具体的には睡眠の質の向上や適度な運動による血行促進も毛髪の健康を支える基盤となります。

脂質異常症の治療を中断することなく薄毛対策と両立させるためには、内科と皮膚科の連携や専門医への相談が鍵を握るでしょう。

まず医師に相談して薬の種類変更や減量・中止を検討する手順

コレステロールを下げる薬で抜け毛を感じた場合、最も優先すべきアクションは処方元の医師への相談です。

医師は患者のLDLコレステロール値、動脈硬化のリスク、副作用の重症度を総合的に評価し、薬の変更・減量・中止のいずれが適切かを判断します。

相談の際には、抜け毛に気づいた時期、1日あたりの抜け毛量の変化、頭皮の状態(かゆみや発疹の有無)、他に服用している薬について具体的に伝えると、医師の判断がより正確になります。

スタチンの種類を変更するだけで脱毛が収まるケースもあれば、エゼチミブのような小腸コレステロールトランスポーター阻害薬への切り替えで改善する場合もあります。

自己判断で薬を中止してしまうと脂質管理が乱れるため、必ず医療専門家の指導のもとで段階的に対応を進めるべきです。

スタチン系からフィブラート系やエゼチミブへの変更で脱毛が改善した事例

スタチン系薬剤からエゼチミブへの切り替えによって脱毛が完全に回復した症例が、2025年に医学誌で報告されました。

この53歳男性の症例では、ロスバスタチン服用開始1週間後に脱毛が発症し、服用中止から1〜2週間で毛髪の再生が確認されています。

エゼチミブはHMG-CoA還元酵素を阻害するスタチンとは異なり、小腸でのコレステロール吸収を選択的に阻害する薬剤であるため、メバロン酸経路への影響が少ないと考えられます。

フィブラート系薬剤(ベザフィブラートやフェノフィブラートなど)も、主に中性脂肪を低下させる機序であり、コレステロール合成阻害による脱毛リスクはスタチンより低い可能性があります。

ただし、薬剤の変更にあたってはLDLコレステロール低下効果の違いを考慮する必要があり、スタチンほどの効力が得られない場合は併用療法が検討されます。

Rosuvastatin was replaced with ezetimibe, and no further hair loss subsequently occurred.

引用元:Rosuvastatin-associated Alopecia – PMC 2025

薬の処方を見直す際に医師へ伝えるべき服用歴や症状の情報

薬の処方見直しを医師に相談する際には、情報の正確さと網羅性が適切な治療方針の決定を左右します。

伝えるべき情報として最も重要なのは、現在服用中のすべての薬剤(サプリメントを含む)のリスト、各薬剤の服用開始時期、過去に経験した副作用の履歴です。

抜け毛に関しては、発症時期とスタチン服用開始との時間的な関係が因果関係の推定に役立つため、服用開始日を手帳やお薬手帳で確認しておくことが望ましいでしょう。

家族歴も診断の手がかりとなり、親族にAGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)の方がいる場合は薬剤性脱毛以外の原因も考慮されます。

医師に遠慮して情報を省略すると正確な判断が困難になるため、気になる症状はすべて率直に伝えることが最善の結果につながります。

食事と栄養管理で髪の毛の成長に必要なタンパク質やビタミンを補給する方法

コレステロールを下げる薬による栄養代謝への影響を補い、毛髪の成長をサポートするためには、食事と栄養管理による積極的な対策が効果的です。

髪の毛の主成分はケラチンというタンパク質であり、その合成には亜鉛、鉄分、ビオチン(ビタミンB7)をはじめとする複数の栄養素が必要となります。

厚生労働省の研究報告書では、ビオチン欠乏が薄毛や脱色を伴うことが報告されており、毛髪の健康と栄養素の関連性が示されています。

脂質異常症の食事療法としてコレステロールの多い動物性食品を制限している場合、意識的にタンパク質やミネラルを他の食品から補う工夫が求められるでしょう。

栄養バランスの偏りは脂質管理にも悪影響を及ぼすため、管理栄養士への相談も有効な選択肢といえます。

成人において1ヶ月から1年の生卵白の摂取とビオチンを含まないTPNを受けることは薄毛、と頻繁に髪の脱色を伴うことが報告されている。

引用元:厚生労働省科学研究費補助金 ビオチンと薄毛の関係

ケラチン合成に不可欠な亜鉛・鉄分・ビオチンを含む食品一覧

毛髪のケラチン合成を支える栄養素は、日常の食事から効率的に摂取することが可能です。

亜鉛は細胞分裂とタンパク質合成に関わるミネラルで、不足すると毛髪の成長サイクルが乱れる原因となります。

鉄分は毛根への酸素供給に不可欠であり、特に女性では月経による損失から不足しやすい栄養素です。

主な食品源を以下に整理しました。

  • 亜鉛:牡蠣、牛肉赤身、レバー、大豆製品(納豆・豆腐)、カシューナッツ
  • 鉄分:レバー(豚・鶏)、赤身肉、あさり、ほうれん草、小松菜
  • ビオチン:卵黄、レバー、大豆、ナッツ類、しいたけ
  • タンパク質:鶏むね肉、魚介類、大豆製品、乳製品
  • ビタミンB群:豚肉、玄米、バナナ、マグロ

脂質異常症の食事制限と両立するためには、脂肪分の少ない動物性タンパク質や大豆製品を中心に据え、コレステロール含有量の多いレバーは週1〜2回を目安に調整することが現実的なバランスといえます。

サプリメントの選び方と過剰摂取による脱毛悪化の注意点

食事だけでは不足する栄養素をサプリメントで補う方法は有効ですが、過剰摂取はかえって脱毛を悪化させるリスクがあるため注意が必要です。

特にビタミンAは過剰摂取で脱毛を引き起こすことが知られており、脂溶性ビタミンの蓄積は肝機能にも負担をかけます。

亜鉛サプリメントも1日の上限量(成人男性40〜45mg、成人女性35mg程度)を超えると銅の吸収阻害が起こり、貧血や免疫低下につながる可能性があります。

サプリメントを選ぶ際は、含有量が表示されている製品を選び、複数のサプリメントを同時に摂取する場合は成分の重複に配慮する必要があるでしょう。

コレステロールの薬と併用する際には、グレープフルーツやセントジョーンズワートのように薬物代謝に影響を与える成分が含まれていないかを薬剤師に確認することが安全な服用につながります。

頭皮環境を改善する生活習慣:睡眠・運動・ストレス対策で血行を促進

頭皮環境の改善には、薬や栄養だけでなく生活習慣全体の見直しが大きな役割を果たします。

東京大学医科学研究所の研究では、高脂肪食による肥満が毛包幹細胞内の脂肪滴蓄積と炎症性シグナルの発生を通じてソニックヘッジホッグ(Shh)経路を抑制し、脱毛を促進するメカニズムが解明されています。

この研究結果は、食生活や体重管理が頭皮の健康に直結することを科学的に裏づけるものです。

適度な運動はHDLコレステロールを増加させるだけでなく、全身の血流を改善して毛根への栄養供給を促進します。

ストレスは自律神経やホルモンバランスの乱れを招き、ヘアサイクルの休止期を延長させる要因となるため、意識的なストレス管理が脱毛予防に寄与するでしょう。

毛包幹細胞の中で酸化ストレス、脂肪滴、炎症性シグナルが段階的に発生し、幹細胞と毛を再生させるソニックヘッジホッグ(Shh)経路を抑制することを明らかにしました。

引用元:高脂肪食などによる肥満が薄毛・脱毛を促進するメカニズムの解明 – 東京大学医科学研究所

成長ホルモン分泌を促す睡眠の質と適度な有酸素運動の目安

毛髪の成長を支える成長ホルモンは、深い睡眠(ノンレム睡眠)の時間帯に集中して分泌されるため、睡眠の質を高めることが頭皮環境の改善に直結します。

就寝前のスマートフォンやパソコンの使用を控え、寝室の温度を18〜22度に保ち、就寝と起床の時間を一定にすることが質の高い睡眠を得るための基本的な方法です。

有酸素運動は、1回30分程度のウォーキングや軽いジョギングを週3〜5回実施することが血行促進とストレス軽減の両面で効果的とされています。

運動はHDLコレステロールの増加にも寄与するため、脂質異常症の治療と毛髪の健康維持を同時に達成できる生活習慣改善策です。

過度な運動はコルチゾールの分泌を増加させて逆効果となる場合があるため、息が上がりすぎない強度を維持することが大切でしょう。

脂質異常症の治療と両立できる育毛ケアの選択肢を専門医に確認する

脂質異常症の治療を継続しながら育毛ケアに取り組む場合、使用する育毛剤や治療薬がコレステロールの薬と相互作用を起こさないかを事前に確認する必要があります。

市販の育毛剤に含まれる成分の多くは外用であるため、スタチンとの全身的な薬物相互作用のリスクは比較的低いとされていますが、成分によっては頭皮から吸収されて全身に影響する場合もあります。

AGA治療薬であるフィナステリドやデュタステリドの内服を検討する場合は、肝臓での代謝経路がスタチンと重複する可能性を考慮して、処方する医師にコレステロールの薬を服用中である旨を必ず伝えてください。

育毛シャンプーや頭皮マッサージといった外的ケアは薬との相互作用が生じにくく、日常的に取り入れやすい方法です。

内科と皮膚科、あるいはAGA専門クリニックが連携して総合的な治療計画を立てることが、脂質管理と毛髪の健康を両立させる最善のアプローチとなるでしょう。

抜け毛がAGAの場合に検討すべき治療薬と専門クリニックの活用法

コレステロールを下げる薬の副作用として抜け毛が生じたと考えていても、実際にはAGA(男性型脱毛症)が並行して進行しているケースがあります。

AGAは遺伝的素因とホルモン(ジヒドロテストステロン)の作用による進行性の脱毛症であり、薬剤性脱毛とは治療アプローチが根本的に異なります。

薬の変更や中止で抜け毛が改善しない場合は、AGA専門の診断を受けることが薄毛対策の正確な第一歩となります。

このセクションでは、AGA治療薬の効果や副作用、コレステロールの薬との併用可否、専門クリニックの活用方法まで具体的に解説します。

女性特有の脱毛症であるFAGAと脂質異常症が併発しているケースについても触れるため、性別を問わず参考にしていただけるでしょう。

AGAの特徴と進行パターン:前頭部・頭頂部の薄毛は男性型脱毛症の可能性

AGAは前頭部の生え際が後退するM字型と、頭頂部が薄くなるO字型の2つの進行パターンが特徴的で、側頭部や後頭部の毛髪は比較的保たれるという点で薬剤性脱毛と区別されます。

発症のメカニズムは、男性ホルモンのテストステロンが5α-還元酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)に変換され、毛包のアンドロゲン受容体に作用してヘアサイクルの成長期を短縮することにあります。

日本人男性のAGA罹患率は30代で約20%、50代で約40%とされ、加齢とともに有病率が上昇する疾患です。

抜け毛が前頭部や頭頂部に集中しており、薬の服用開始時期と一致しない場合は、AGAの進行を疑って皮膚科またはAGA専門クリニックを受診すべきといえます。

早期に診断を受けることで、治療の選択肢が広がり、毛髪の維持率も向上するケースが報告されています。

ミノキシジル外用やフィナステリド内服などAGA治療薬の効果と副作用

AGAの治療にはミノキシジル外用薬とフィナステリド内服薬が第一選択として広く使用されており、それぞれ異なるメカニズムで発毛を促進します。

ミノキシジルは頭皮の血管を拡張して毛根への血流を増加させ、毛包の成長期を延長する作用を持つ外用薬です。

フィナステリドは5α-還元酵素II型を阻害してDHTの産生を抑制し、ヘアサイクルの正常化を図る内服薬で、日本では男性のみに処方が認められています。

両薬剤の主な特徴を以下に整理しました。

  • ミノキシジル外用薬:濃度5%が男性用、1%〜2%が女性用として使用され、初期脱毛が1〜2か月程度生じた後に効果が現れる場合がある
  • フィナステリド内服薬:1日1回0.2mg〜1mgを服用し、効果実感まで3〜6か月を要するケースが多い
  • デュタステリド内服薬:5α-還元酵素I型・II型の両方を阻害し、フィナステリドより広範な作用を持つ

副作用として、ミノキシジルでは頭皮のかゆみや接触性皮膚炎が、フィナステリドでは性欲減退や勃起機能低下がまれに報告されています。

コレステロールの薬と併用する際の安全性については、次の見出しで詳しく解説します。

LDLコレステロールの薬とミノキシジルやフィナステリドの併用は可能か

LDLコレステロールを下げるスタチン系薬剤と、AGA治療薬であるミノキシジルやフィナステリドの併用については、現時点で直接的な有害相互作用を示す文献報告は確認されていません。

NCBI Bookshelfに掲載されたミノキシジルの薬物相互作用の項目では、シクロスポリンとの併用で多毛症が悪化する可能性や、低用量アスピリンとの併用で外用ミノキシジルの効果が減弱する可能性が記載されていますが、スタチンとの相互作用に関する警告は含まれていません。

フィナステリドについては、2024年のPMC論文でフィナステリドが総血漿コレステロールを低下させ動脈硬化の進行を遅延させる効果がマウスモデルで示されており、コレステロール管理との相乗効果が期待される可能性もあります。

ただし、両薬剤ともに肝臓で代謝されるため、肝機能が低下している患者では慎重な経過観察が必要です。

併用を開始する際は、内科の主治医とAGA治療を担当する医師の双方に服用中の薬剤情報を共有することが安全管理の基本となります。

Finasteride reduces total plasma cholesterol and delays the development of atherosclerosis in Ldlr-/- mice.

引用元:Finasteride delays atherosclerosis progression – PMC 2024

ロスバスタチンとミノキシジルを併用する際の注意点と医師への相談

ロスバスタチンとミノキシジルの併用に関しては、薬理学的に重大な相互作用が報告されていないものの、個別の患者状態に応じたリスク評価が不可欠です。

ロスバスタチンは主にCYP2C9で代謝される水溶性スタチンであり、ミノキシジル外用薬は主に頭皮局所で作用するため、代謝経路上の競合は起こりにくいと考えられます。

ただし、ミノキシジルの内服薬(降圧薬としての使用や、一部クリニックで処方される経口ミノキシジル)を併用する場合は、血圧低下作用がロスバスタチン単独では生じない副作用を顕在化させる可能性があるため、血圧モニタリングが推奨されます。

医師への相談時には、ロスバスタチンの用量、ミノキシジルの使用形態(外用か内服か)、現在の血圧値と肝機能検査の結果を伝えることで、安全な併用プランを策定しやすくなるでしょう。

自己判断でAGA治療薬を購入・使用するのではなく、医療機関を通じて処方を受けることがリスクを最小化する唯一の方法です。

AGAクリニックでの診断・処方・費用と継続治療の進め方

AGAクリニックでは、視診やマイクロスコープによる頭皮診断、血液検査を組み合わせてAGAの進行度を評価し、個々の症状に合わせた治療プランを提案します。

初診時にはヘアサイクルの状態、毛髪密度、毛径の計測が行われ、薬剤性脱毛との鑑別も同時に実施されるのが一般的です。

治療費はクリニックや処方内容によって幅がありますが、フィナステリド内服の場合は月額3,000円〜8,000円程度、ミノキシジル外用薬は月額5,000円〜10,000円程度が目安となります。

AGAは進行性の疾患であるため、6か月〜1年の継続治療で効果を判定し、その後も維持療法として服薬を続けるケースが多い点を事前に理解しておく必要があります。

コレステロールの薬を処方している内科医からの紹介状やお薬手帳を持参することで、AGAクリニックの医師がより安全な治療設計を行えるようになるでしょう。

女性の抜け毛で脂質異常症とFAGAが併発している場合の治療選択肢

女性の抜け毛が脂質異常症とFAGA(女性男性型脱毛症)の両方に起因している場合、治療は複合的なアプローチが求められます。

FAGAは頭頂部を中心に毛髪が全体的に薄くなるびまん性の脱毛パターンを示し、AGAとは異なり生え際が大きく後退することは少ないのが特徴です。

閉経後の女性は女性ホルモン(エストロゲン)の減少に伴いLDLコレステロールが上昇しやすく、脂質異常症の治療でスタチンが処方される機会が増加するため、薬剤性脱毛とFAGAが同時に進行するケースは珍しくありません。

女性に使用できるAGA治療薬はミノキシジル外用薬が中心であり、フィナステリドは妊娠の可能性がある女性には禁忌とされている点に注意が必要です。

内科での脂質管理と婦人科でのホルモン評価、皮膚科での脱毛症診断を並行して行い、総合的な治療戦略を構築することが、女性の複合的な抜け毛の改善には最も効果的な方法となります。

コレステロールを下げる薬と抜け毛に関するよくある質問

コレステロールを下げる薬と抜け毛の関連性について、読者から寄せられる頻度の高い疑問をQ&A形式でまとめました。

ロスバスタチンの効果発現時期や痩せる効果の有無、脂質異常症と頭皮環境の関係、薬を飲み続けることへの安全性など、服用者が日常的に抱える不安に対して医学的根拠を示しながら回答します。

ロスバスタチンの効果はどのくらいで実感できる?痩せる効果はあるのか

ロスバスタチンはLDLコレステロールを低下させる効果が強力なストロングスタチンに分類され、添付文書によると服用開始後1週間以内にLDLコレステロール値への薬効があらわれ始めます。

通常2週間までに最大効果の90%に達し、最大効果は4週間までにあらわれてその後持続するとされています。

ロスバスタチンはHMG-CoA還元酵素を阻害してコレステロール合成を抑える薬剤であり、脂肪を燃焼させたり体重を減少させたりする直接的な作用は持っていません。

ロスバスタチンで痩せるという情報がインターネット上に見られますが、これは脂質異常症の改善に伴う食生活の見直しや生活習慣の変化が間接的に体重減少をもたらした結果である可能性が高いでしょう。

体重管理が目的であれば、運動療法と食事療法を並行して行うことが医学的に推奨されるアプローチです。

ロスバスタチンカルシウムの薬効は、投与後1週間以内にあらわれ、通常2週間までに最大効果の90%となった。最大効果は通常4週間までにあらわれ、その後持続した。

引用元:ロスバスタチン錠添付文書 – KEGG医薬品情報

脂質異常症は薄毛や頭皮環境の悪化と関連性があるのか

脂質異常症と薄毛の関連性については、2025年のメンデルランダム化研究で脂質レベルと脱毛症の間に因果関係が存在する可能性が示唆されています。

この研究では、HDLコレステロールと中性脂肪が円形脱毛症と有意な関連を示し、脂質プロファイルが毛髪の健康に影響を及ぼすことが統計的に確認されました。

脂質異常症は全身の血管内皮機能を低下させ、動脈硬化を促進する疾患であるため、頭皮の微小血管にも影響が及ぶ可能性は否定できません。

東京大学医科学研究所の研究では、高脂肪食による肥満が毛包幹細胞の機能を低下させるメカニズムが解明されており、脂質代謝の異常が頭皮環境を悪化させる間接的な経路が存在するといえます。

脂質異常症の治療は動脈硬化の予防だけでなく、頭皮を含めた全身の健康維持にも寄与する可能性を持つ点を認識しておくことが有益でしょう。

The MVMR analysis evaluated the independent effects of HDL-C, LDL-C, and TG on alopecia disorders, identifying significant associations only between HDL-C, TG, and AA (alopecia areata).

引用元:Potential Causal Relationship Between Extensive Lipid Profiles and Alopecia – PMC 2025

コレステロールの薬は飲み続けても大丈夫?定期的な血液検査の重要性

コレステロールの薬を長期間飲み続けることに対する安全性は、定期的な血液検査による副作用の早期発見と適切な管理によって担保されます。

PMDAの適正使用ガイドでは、治療開始前および治療期間中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察するよう求められています。

具体的には、肝機能(AST、ALT、γ-GTP)、腎機能(クレアチニン、eGFR)、CK(クレアチンキナーゼ)の数値を3〜6か月ごとにモニタリングし、異常値が認められた場合は薬の減量や中止を検討する流れが一般的です。

日本動脈硬化学会のガイドラインに基づく適切な管理のもとであれば、スタチンの長期服用によって心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクが有意に低下することが大規模臨床試験で実証されています。

薬を飲み続けることへの不安は、定期検査の結果を主治医と一緒に確認し、自分の身体の状態を数値で把握することによって解消につながるでしょう。

治療開始前及び治療期間中は、定期的に血液検査を行う等、患者の状態を十分に観察してください。異常が認められた場合は本剤を投与中断・休薬又は中止する等

引用元:PMDA 適正使用ガイド

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