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甲状腺の異常による髪の抜け方の特徴|薄毛・抜け毛の原因と治療で治るかを解説

甲状腺の異常が原因で起こる髪の抜け方には、通常の加齢やストレスによる脱毛とは明らかに異なる特徴があります。

甲状腺ホルモンの分泌バランスが崩れると、ヘアサイクルの成長期が短縮し、髪の毛が全体的に薄くなるびまん性脱毛や、眉毛の外側が抜け落ちるといった独特の症状が現れる可能性があります。

甲状腺機能低下症では髪がパサパサに乾燥して脆くなり、甲状腺機能亢進症であるバセドウ病では髪が細く柔らかくなって抜ける傾向がみられます。

この記事では、甲状腺疾患による髪の抜け方の特徴を疾患ごとに詳しく解説し、薄毛が治るのか、どのような治療法や日常ケアで改善が期待できるのかをエビデンスに基づいてお伝えします。

抜け毛に悩む方がセルフチェックから血液検査、受診先の選び方まで把握できる内容となっていますので、ぜひ最後までお読みください。

目次
  1. 甲状腺疾患とは?髪の毛が抜ける原因はホルモン分泌の異常にある
  2. 甲状腺機能低下症による髪の抜け方の特徴|髪パサパサ・眉毛の脱落に注意
  3. バセドウ病(甲状腺機能亢進症)による髪の抜け方の特徴と抜け毛がいつまで続くか
  4. 甲状腺の抜け毛は治る?薄毛の改善が期待できる治療法と回復までの期間
  5. 甲状腺の抜け毛が疑われるときのセルフチェックと血液検査の受け方
  6. 甲状腺の抜け毛を悪化させないための日常生活のケアと頭皮の改善方法
  7. 甲状腺の異常と髪の抜け方に関するよくある質問

甲状腺疾患とは?髪の毛が抜ける原因はホルモン分泌の異常にある

甲状腺疾患とは、のどぼとけの下にある甲状腺のホルモン分泌量に異常が生じる病気の総称であり、髪の毛が抜ける大きな原因の1つといえます。

甲状腺ホルモンは全身の代謝を調節する働きを持ち、毛髪の成長にも深く関わっています。

ホルモンの分泌が過剰になる甲状腺機能亢進症と、不足する甲状腺機能低下症のいずれでも、ヘアサイクルが乱れて抜け毛が増加する可能性があります。

特に女性の発症率が高く、薄毛の背景に甲状腺の異常が隠れているケースは少なくありません。

甲状腺疾患の仕組みを正しく理解することが、髪の抜け方の原因を特定し、適切な治療につなげる第一歩となるでしょう。

甲状腺ホルモンの役割と髪の成長期・休止期のヘアサイクルの関係

甲状腺ホルモンには毛包の細胞分裂を促進し、ヘアサイクルの成長期を維持する重要な役割があります。

英文論文によると、甲状腺ホルモンは成長期の開始と維持を促し、毛髪の成長速度を高めるとともに、休止期から成長期への移行を調整する機能を担っています。

THs promote the initiation and maintenance of the anagen phase by stimulating cell proliferation and metabolic activity within the HFs. They increase the rate of hair growth and contribute to the production of new hair fibers. THs help regulate the duration of the telogen phase by influencing the transition of HFs from the resting phase back to the growth phase.

引用元:Impact of Thyroid Dysfunction on Hair Disorders – Cureus, 2023

ヘアサイクルは成長期、退行期、休止期の3段階で構成されており、通常であれば成長期が2〜6年ほど続きます。

甲状腺ホルモンのバランスが崩れると成長期の期間が短縮し、休止期の毛髪が増加して抜け毛が目立つようになるのが特徴です。

甲状腺ホルモンはT3とT4の2種類が存在し、T3が毛包の核内受容体に結合することで毛母細胞の代謝活動を活性化させる仕組みです。

髪の毛の成長を正常に保つには、甲状腺ホルモンの分泌量が適正範囲内であることが不可欠といえるでしょう。

甲状腺機能低下症と甲状腺機能亢進症で抜け毛が起こる仕組みの違い

甲状腺機能低下症と甲状腺機能亢進症では、抜け毛が起こるメカニズムが根本的に異なります。

機能低下症ではホルモンの不足によって表皮や毛包の細胞分裂が抑制され、成長期が短縮して休止期への移行が早まるのが原因です。

一方、機能亢進症では代謝が過剰に亢進することで活性酸素種の産生が増加し、毛包に酸化ストレスによるダメージを与えます。

Hypothyroidism impedes epidermal and skin appendage cell division, decreasing anagen frequency. On the other hand, hyperthyroidism results in oxidative damage. It increases free radical formation in mitochondria due to the stimulated production of reactive oxygen species.

引用元:The Hormonal Background of Hair Loss in Non-Scarring Alopecias – Biomedicines, 2024

京都医療センターの情報でも、髪の毛が抜けることは甲状腺機能低下症と亢進症の共通症状として挙げられており、低下症では皮膚のカサつきや体重増加、亢進症では動悸や体重減少といった全身症状の違いで区別できるとされています。

共通症状:だるい、疲れやすい、足がむくむ、髪の毛が抜ける

引用元:甲状腺の病気について – 独立行政法人国立病院機構 京都医療センター

髪の抜け方だけでなく全身の症状を併せて確認することが、どちらの甲状腺疾患であるかを見極めるうえで欠かせません。

甲状腺の異常は女性に多い|薄毛や脱毛症の原因になる可能性がある

甲状腺の異常は圧倒的に女性に多く発症し、薄毛や脱毛症の原因として見過ごされやすい疾患の1つです。

岡山大学病院の患者向けパンフレットでは、甲状腺機能低下症の女性患者数は男性の10倍に達すると明記されています。

甲状腺機能低下症は、女性に多い病気です(女性の患者数は男性の10倍)。病状の進行がとても緩やかで、老化現象と似た症状であることから、病気と気づかない人が多いと言われています。

引用元:甲状腺機能低下症 患者向けパンフレット – 岡山大学病院薬剤部

東京都の健康情報サイトでも、性成熟期の女性における内科的疾患のなかで甲状腺の病気が最も多いと報告されています。

甲状腺機能が低下すると…体毛の脱毛

引用元:更年期症状と間違われやすい甲状腺の病気 – 東京都 働く女性のウェルネス

症状が緩やかに進行するため、加齢や更年期障害による薄毛と誤認してしまうケースが少なくありません。

女性で原因不明の抜け毛が続く場合は、甲状腺の異常を疑って早めに検査を受けることが重要です。

甲状腺機能低下症による髪の抜け方の特徴|髪パサパサ・眉毛の脱落に注意

甲状腺機能低下症による髪の抜け方には、頭部全体の毛量が均一に減少するびまん性脱毛、髪のパサつきや乾燥、眉毛の外側が薄くなるといった複数の特徴があります。

これらの症状は甲状腺ホルモンの不足によって毛包の代謝活動が低下し、ヘアサイクルの成長期が維持できなくなることで生じます。

髪の毛だけでなく、倦怠感やむくみ、体重増加など全身にわたる症状が同時に現れるのも甲状腺機能低下症の特徴です。

橋本病(慢性甲状腺炎)はこの機能低下症の代表的な原因疾患であり、自己免疫によって甲状腺が慢性的に炎症を起こすことでホルモン分泌が低下します。

甲状腺機能低下症の髪の抜け方を正確に把握しておくことが、早期発見と適切な治療開始への手がかりとなるでしょう。

全体的に髪が薄くなるびまん性脱毛が甲状腺機能低下症の代表的な抜け方

甲状腺機能低下症で最も多くみられる髪の抜け方は、頭部全体の毛量が均一に減少するびまん性脱毛です。

AGAのように生え際や頭頂部など特定の部位から薄くなるのではなく、頭皮全体にわたってボリュームが減少するため、分け目が目立つようになるのが特徴といえます。

英文論文では、甲状腺機能低下症の患者は正常な甲状腺機能を持つ人や甲状腺機能亢進症の患者と比較して脱毛の重症度が高いことが報告されています。

A common cause of TE is thyroid dysfunction, particularly hypothyroidism. Patients with hypothyroidism have more severe hair loss than those with normal thyroid function or hyperthyroidism.

引用元:Is thyroid dysfunction a common cause of telogen effluvium? – Medicine, 2024

加えて、びまん性の脱毛は頭髪だけにとどまらず、眉毛や体毛にも影響が及ぶケースがあります。

Diffuse hair loss is sometimes the presenting symptom of hypothyroidism. In thyroid dysfunction, other than scalp hair, hair on other parts of the body may also be affected, such as eyebrows and body hair.

引用元:J Clin Diagn Res, 2013 – PubMed Central

全体的な薄毛の進行に加えて眉毛や体毛の変化がある場合は、甲状腺機能低下症による抜け毛を強く疑う根拠になります。

髪の毛がパサパサ・乾燥して切れやすくなるのは代謝低下が原因

甲状腺機能低下症の髪の抜け方として見逃せないのが、髪の毛がパサパサに乾燥し、切れやすくなる変化です。

代謝が低下することで毛髪への栄養供給が滞り、髪の成長速度が遅くなるとともに毛質そのものが粗くなります。

英文論文では、甲状腺機能低下症の毛髪は成長が遅く、粗く、乾燥して脆いと明確に記されています。

Hypothyroidism causes slow-growing, coarse, dry, brittle hair. Loss of the outer third of the eyebrow and/or diffuse alopecia may also be observed.

引用元:Impact of Thyroid Dysfunction on Hair Disorders – Cureus, 2023

日本内科学会雑誌の論文でも、甲状腺機能低下症では全身の皮膚が乾燥し粗造になり、頭髪や眉毛が抜けやすくなると報告されています。

甲状腺機能低下症の身体症状として特に目立つのは皮膚の変化で、全身の皮膚は乾燥し、粗造になり、浮腫が現れる。

また、頭髪や眉毛が抜けやすくなる。

引用元:内分泌疾患の皮膚症状 – 日本内科学会雑誌 87巻6号

髪の毛のパサつきは見た目の変化として最初に気づきやすい症状であるため、以前と比べて髪質が明らかに変わったと感じた場合は甲状腺の検査を検討する契機になるでしょう。

甲状腺機能低下症の薄毛を画像で確認する際のポイント

甲状腺機能低下症の薄毛を画像で確認する際は、頭頂部から見た分け目の幅と毛髪の密度に注目する必要があります。

びまん性脱毛では特定の部位が集中的に薄くなるわけではなく、頭皮全体の毛量が均一に減るため、正面からの画像では変化を捉えにくい場合があります。

自身で確認する場合は、頭頂部を真上から撮影し、3か月〜6か月前の画像と比較する方法が有効です。

分け目の線が広がっている、地肌が透けて見える面積が増えているなどの変化が認められれば、びまん性脱毛が進行している可能性があります。

画像だけで甲状腺疾患を断定することはできないため、変化を感じた時点で医療機関を受診し、血液検査を受けることが適切な判断です。

眉毛の外側が薄くなる症状は橋本病(慢性甲状腺炎)の重要なサイン

眉毛の外側3分の1が薄くなる症状は、橋本病をはじめとする甲状腺機能低下症を示す重要なサインとして医学的に知られています。

この症状はヘルトゲ徴候と呼ばれ、甲状腺ホルモンの不足が眉毛の毛包に影響を及ぼすことで生じます。

Hypothyroidism can present with loss of the lateral third of the eyebrow (i.e., Hertoghe sign or Queen Anne’s sign), which is a classic, but nonspecific sign of hypothyroidism. Severe hypothyroidism has also been reported to present with eyelash alopecia.

引用元:Am J Clin Dermatol, 2023 – PubMed Central

橋本病は慢性甲状腺炎とも呼ばれ、自己免疫の異常によって甲状腺が徐々に破壊され、ホルモン分泌が慢性的に低下する疾患です。

眉毛の外側が明らかに薄くなっている方は、頭髪の薄毛と合わせて甲状腺機能低下症の可能性を視野に入れるべきといえます。

ただし、ヘルトゲ徴候は甲状腺機能低下症に特異的ではなく、加齢や他の原因でも起こり得るため、確定診断には血液検査が必要です。

倦怠感・むくみ・体重増加など抜け毛以外の全身症状もチェックする

甲状腺機能低下症による抜け毛は、倦怠感やむくみ、体重増加といった全身症状と同時に現れることが多い点が大きな特徴です。

京都医療センターの資料では、甲状腺機能低下症の症状として脈の遅れ、寒がり、皮膚のカサつき、動作の緩慢、眠気、体重増加、便秘などが挙げられています。

甲状腺機能低下症(甲状腺ホルモンが不足):脈が遅い、寒がり、皮膚がカサカサ、言葉や動作がのろい、眠い、物忘れが多い、体重増加、便秘、過多月経

引用元:甲状腺の病気について – 独立行政法人国立病院機構 京都医療センター

関西医科大学附属病院でも、甲状腺ホルモン不足による症状として全身倦怠感、無気力、記憶力低下、皮膚乾燥、脱毛が明示されています。

甲状腺ホルモンが不足することにより、全身倦怠感、無気力、記憶力低下、うつ状態、動作緩慢、寒がり、徐脈、食欲低下、便秘、皮膚乾燥、脱毛、かすれ声などの症状が出現します。

引用元:甲状腺機能低下症 – 関西医科大学附属病院

抜け毛だけを単独で捉えるのではなく、これらの全身症状が複数当てはまるかどうかを確認することが、甲状腺異常の早期発見に直結します。

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)による髪の抜け方の特徴と抜け毛がいつまで続くか

バセドウ病は甲状腺機能亢進症の代表的な疾患であり、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで髪の毛にも顕著な変化をもたらします。

甲状腺機能低下症とは異なり、バセドウ病の髪の抜け方は毛髪が細く柔らかくなり、成長しきれないまま脱落する点が特徴的です。

抜け毛がいつまで続くのかは多くの患者が抱える悩みですが、治療でホルモン値が正常化すれば回復が期待できるとされています。

メルカゾールなどの抗甲状腺薬の副作用として脱毛が起こるケースもあり、バセドウ病そのものによる抜け毛との区別が必要になります。

バセドウ病による髪の抜け方を正しく知ることが、不安の軽減と適切な対応につながるでしょう。

バセドウ病では細く柔らかい髪の毛が成長しきれず抜ける特徴がある

バセドウ病による髪の抜け方で最も特徴的なのは、毛髪が細く、絹のように柔らかくなり、十分に成長する前に抜け落ちてしまう点です。

甲状腺ホルモンの過剰分泌によって全身の代謝が加速し、毛包でのヘアサイクルが早回りすることで、髪が成熟期に達する前に休止期へ移行してしまいます。

Thyrotoxicosis causes fine, silky hair. Diffuse non-scarring alopecia is also possible.

引用元:Impact of Thyroid Dysfunction on Hair Disorders – Cureus, 2023

甲状腺機能低下症の髪がパサパサで粗くなるのとは対照的に、バセドウ病の髪は細く滑らかになるという違いがあります。

以前はしっかりしていた髪にハリやコシがなくなり、ボリュームが急速に減少したと感じた場合は、バセドウ病を含む甲状腺機能亢進症の可能性を検討する必要があるでしょう。

頭部全体にわたるびまん性の脱毛パターンは低下症と共通していますが、毛質の変化で両者を見分けることが可能です。

バセドウ病の抜け毛はいつまで続く?治療開始後の回復期間の目安

バセドウ病の抜け毛がいつまで続くかは、治療によって甲状腺ホルモン値がどれだけ早く正常範囲に戻るかに大きく左右されます。

抗甲状腺薬による治療では、通常数か月間の服薬を経てホルモン値が安定し、脱毛の原因が解消されることで髪の状態が改善に向かいます。

Antithyroid drugs include methimazole and propylthiouracil, administered orally, usually for several months until the restoration of correct thyroid hormone levels. Upon achieving normal thyroid hormone levels, the underlying cause of hair loss disappears, and as a result, the condition of hair should improve.

引用元:The Hormonal Background of Hair Loss in Non-Scarring Alopecias – Biomedicines, 2024

ヘアサイクルの休止期は通常3か月〜4か月とされているため、ホルモン値が正常化してからさらに数か月の回復期間が必要になります。

個人差はありますが、治療開始から半年〜1年程度で抜け毛の減少と新たな発毛を実感できるケースが多いとされています。

回復に時間がかかる点を理解し、焦らず治療を継続することが髪の改善には不可欠です。

メルカゾールなど抗甲状腺薬の副作用で抜け毛が起こるケースもある

バセドウ病の治療に使われるメルカゾール(チアマゾール)やプロピルチオウラシルなどの抗甲状腺薬には、副作用として脱毛が報告されています。

バセドウ病自体による抜け毛と薬の副作用による抜け毛が同時期に発生するため、原因の特定が難しくなるケースがあります。

On the other hand, side effects of antithyroid drugs include hair loss, which may further deteriorate the condition of hair. For this reason, therapy should always be individually targeted.

引用元:The Hormonal Background of Hair Loss in Non-Scarring Alopecias – Biomedicines, 2024

メルカゾール服用開始から数週間〜数か月後に抜け毛が増えた場合は、甲状腺ホルモン値の急激な変動による影響も考えられます。

薬の副作用が疑われる際は自己判断で服薬を中止せず、必ず主治医に相談して投薬内容の調整を検討してもらう必要があります。

個々の患者に合わせた治療方針の最適化が、バセドウ病と抜け毛の両方を改善するための鍵となるでしょう。

バセドウ病の抜け毛ブログや知恵袋で語られる体験談の傾向と注意点

バセドウ病の抜け毛に関するブログや知恵袋の体験談では、シャンプー時の大量の抜け毛に衝撃を受けた、メルカゾール服用後に薄毛が加速したといった不安の声が多く寄せられています。

体験談の傾向として、治療初期に抜け毛が一時的に増加して精神的に大きな負担を感じたという報告が目立ちます。

ただし、治療を継続してホルモン値が安定した後は抜け毛が落ち着き、徐々に髪の回復を実感できたという声も同様に多いのが実態です。

注意すべき点として、ブログや知恵袋の情報はあくまで個人の体験であり、症状の経過や回復速度には個人差がある点を理解しておく必要があります。

体験談を参考にすること自体は有益ですが、自分の症状に当てはめて自己診断や自己判断で治療を変更することは避けるべきです。

医学的なエビデンスに基づく治療方針は主治医と相談のうえで決定することが、確実な回復への近道といえるでしょう。

甲状腺の抜け毛は治る?薄毛の改善が期待できる治療法と回復までの期間

甲状腺の抜け毛は治るのかという疑問に対して、結論から述べると、適切な治療で甲状腺ホルモン値を正常化すれば改善が期待できます。

甲状腺機能低下症であればホルモン補充療法、バセドウ病であれば抗甲状腺薬による治療が基本となり、ホルモンバランスの回復に伴って毛髪の状態も改善に向かうとする報告が多数あります。

ただし、長期間にわたって甲状腺疾患を放置した場合は毛根が萎縮し、発毛の回復が困難になる可能性がある点には注意が必要です。

甲状腺の薄毛治療と並行して、皮膚科や専門クリニックでの発毛治療を併用するアプローチも選択肢に含まれます。

早期に治療を開始すればするほど、髪の回復の可能性は高まるでしょう。

甲状腺機能低下症の薄毛はホルモン補充治療で改善できる可能性が高い

甲状腺機能低下症による薄毛は、不足している甲状腺ホルモンをレボチロキシンなどの薬剤で補充する治療によって改善できる可能性が高いとされています。

英文論文では、ホルモン補充薬が脱毛の進行を止め、休止期と成長期の毛髪比率を正常に回復させることが報告されています。

Adequate treatment of hypothyroidism has been reported to restore normal telogen-anagen hair proportions in one small study of nine patients.

引用元:Am J Clin Dermatol, 2023 – PubMed Central

東京都の健康情報サイトでも、甲状腺の病気は治療すれば症状がよくなる疾患であると明記されています。

甲状腺の病気は治療すれば症状がよくなる病気です。

引用元:更年期症状と間違われやすい甲状腺の病気 – 東京都 働く女性のウェルネス

三鷹市の広報資料でも、甲状腺ホルモンの服用によって抜け毛を含む症状が改善することが示されています。

だるさ、はれぼったい感じ、寒がり、抜け毛などのほか、無気力となり、あたかもうつ病のようになることもあります。

治療として甲状腺ホルモンを服用すると、うそのように症状がとれて元気になります。

引用元:医師会コラム 橋本病とバセドウ病 – 広報みたか2002年1月20日(三鷹市)

ホルモン補充治療は医師の管理のもとで甲状腺ホルモン値を定期的にモニタリングしながら進めるため、自己判断での服薬量の変更は避ける必要があります。

橋本病の抜け毛が治るまでに必要な治療期間と経過の目安

橋本病の抜け毛が治るまでには、ホルモン補充治療を開始してから通常6か月〜1年程度の期間を要するのが一般的な目安です。

レボチロキシンの服用を始めてから血液中の甲状腺ホルモン値が安定するまでに約4週間〜8週間かかり、その後ヘアサイクルが正常化して新たな毛髪が成長期に入るまでにさらに数か月を必要とします。

治療開始直後は目に見える変化が感じられずに不安を覚える方もいますが、ホルモン値の安定と毛髪の回復にはタイムラグがある点を理解しておくことが大切です。

治療経過においては3か月〜6か月ごとの血液検査でTSHやFT4の数値を確認し、薬の用量を微調整していきます。

橋本病は慢性疾患であるためホルモン補充治療を長期間継続するケースが多いものの、適切な管理を続ければ髪の状態は安定して維持できるでしょう。

バセドウ病の抜け毛は治療でホルモン値が正常化すれば回復が期待できる

バセドウ病による抜け毛は、治療によって甲状腺ホルモン値が正常範囲に戻れば回復が十分に期待できます。

英文論文では、甲状腺機能亢進症の脱毛は他の臨床症状に先行して現れることがあるものの、適切な薬物治療で脱毛の進行を止められる場合が多いと報告されています。

Hair loss in hyperthyroidism may precede other clinical symptoms, and replacement medication is frequently effective in stopping hair loss.

引用元:Is thyroid dysfunction a common cause of telogen effluvium? – Medicine, 2024

バセドウ病の治療期間は一般的に1年〜2年以上に及ぶことがあり、薬を減量していく過程でホルモン値が変動して一時的に抜け毛が増加する可能性もあります。

焦って治療を中断すると甲状腺機能亢進症が再燃し、脱毛が再び悪化するリスクがあるため、主治医と連携しながら粘り強く治療を続けることが回復への確実な道筋です。

長期間放置して毛根が萎縮すると発毛の回復が難しくなる理由

甲状腺疾患による抜け毛を長期間放置すると毛根(毛包)が萎縮し、治療を開始しても発毛が回復しにくくなるリスクがあります。

英文論文では、甲状腺ホルモンの補充薬は脱毛を止める効果があるものの、甲状腺機能低下症に伴って長期間萎縮した毛包については例外とされています。

Replacement medication often halts hair loss, except in cases of long-term atrophic hair follicles (HFs) associated with hypothyroidism.

引用元:Impact of Thyroid Dysfunction on Hair Disorders – Cureus, 2023

杏林大学病院の健康情報でも、長い間治療せずに放置すると元に戻すのが難しい場合があると注意喚起されています。

長い間治療せずに放置すると元に戻すのが難しい場合もあります。

抜け毛、薄毛が心配な場合には専門の医師に相談し適切な判断をあおぐことが大切です。

引用元:これって病気?気になる抜け毛、薄毛とそのしくみ – 杏林大学病院

毛包が完全に萎縮してしまうと、ホルモン値を正常化しても毛髪の再生が望めなくなる可能性があるため、抜け毛の異変に気づいた段階で速やかに医療機関を受診することが何より重要です。

甲状腺の薄毛治療と皮膚科・専門クリニックでの発毛治療を併用する方法

甲状腺疾患の治療だけでは薄毛の改善が十分でない場合、皮膚科や発毛専門クリニックでの治療を併用するアプローチが選択肢となります。

甲状腺のホルモン補充療法や抗甲状腺薬による治療はあくまで甲状腺機能の正常化を目的としており、毛包に直接働きかける治療ではないためです。

発毛専門クリニックでは、ミノキシジルの外用やLED光療法など、頭皮の血行を改善し毛包を直接刺激する治療が提供されている場合があります。

併用にあたっては甲状腺疾患の主治医と皮膚科の医師の両方に情報を共有し、薬の相互作用や治療方針の整合性を確認することが不可欠です。

甲状腺の基礎治療を土台としたうえで発毛治療を追加することにより、毛髪の回復をより効率的に促進できる可能性があります。

甲状腺の抜け毛が疑われるときのセルフチェックと血液検査の受け方

甲状腺の抜け毛が疑われる場合、まず自分の症状をセルフチェックし、必要に応じて血液検査を受けることが正確な診断への第一歩となります。

甲状腺の異常は髪や頭皮、眉毛の変化だけでなく、全身に多彩な症状を引き起こすため、複数の症状を総合的に評価することが重要です。

確定診断にはTSHや甲状腺ホルモン値を測定する血液検査が必要ですが、一般的な健康診断ではこれらの検査項目が含まれていないことが多い点に注意が必要です。

内科、内分泌内科、皮膚科のいずれの診療科でも検査は可能ですが、甲状腺疾患が強く疑われる場合は内分泌内科への受診が最も効率的でしょう。

甲状腺の異常を髪・頭皮・眉毛の変化からセルフチェックする方法

甲状腺の異常による抜け毛は、髪の質感の変化や眉毛の脱落など複数のサインから自分で気づくことが可能です。

岡山大学病院のパンフレットでは、甲状腺機能低下症が疑われる症状として2種類のチェックリストが掲載されています。

1つ目のリストには「毛髪が細く、抜け毛が多くなってきた」「眉が薄くなった」「物忘れが多くなってきた」「便秘がちになってきた」などの項目があり、2つ目のリストには「疲れやすい」「むくみがある」「皮膚が乾燥する」「寒がり」などの全身の自覚症状が含まれています。

甲状腺機能低下症の症状は、本人では病気であると気づきにくいものです。

また、うつや更年期障害といった他の病気と間違えられることが多いと言われています。

引用元:甲状腺機能低下症 患者向けパンフレット – 岡山大学病院薬剤部

セルフチェックのポイント
  • 頭部全体の毛量が均一に減少し、分け目が広がってきた
  • 髪の毛がパサパサに乾燥し、以前より切れやすくなった
  • 眉毛の外側3分の1が薄くなっている
  • 頭皮が乾燥してフケが出やすくなった
  • 抜けた毛髪が全体的に細く弱々しい

これらの変化が複数該当する場合は、甲状腺の異常が背景にある可能性を考え、早めに医療機関で相談することが望ましいでしょう。

全身の症状で甲状腺機能低下症・亢進症を見分けるポイント

甲状腺機能低下症と亢進症は、抜け毛以外の全身症状に明確な違いがあるため、自身の体調を注意深く観察することで見分けるヒントを得られます。

京都医療センターの資料によると、甲状腺機能低下症では寒がり、体重増加、便秘、皮膚の乾燥が特徴的であり、亢進症では暑がり、体重減少、動悸、手の震え、イライラが代表的な症状です。

見分けるポイント
  • 甲状腺機能低下症:倦怠感が強い、寒がり、体重増加、便秘、むくみ、皮膚の乾燥、動作が緩慢になる
  • 甲状腺機能亢進症:動悸がある、暑がり、体重減少、軟便や下痢、手指の震え、発汗が多い、イライラする
  • 共通症状:疲れやすさ、髪の毛が抜ける、足のむくみ

これらの症状を総合的に照らし合わせ、低下症と亢進症のどちらに近いかを把握しておくと、受診時に医師へ状態を正確に伝えやすくなるでしょう。

更年期障害や産後の抜け毛と甲状腺異常の症状を見分ける方法

更年期障害や産後の抜け毛と甲状腺の異常による脱毛は症状が類似しているため、誤認されやすい点が問題です。

東京都の健康情報サイトでも、甲状腺の病気は更年期症状と間違われやすいことが指摘されています。

更年期障害ではホットフラッシュや気分の落ち込みが中心的な症状として現れ、甲状腺機能低下症では強い倦怠感や体重増加、むくみが顕著に出る傾向があります。

産後の抜け毛は出産後2か月〜6か月をピークに自然に回復するケースが大半ですが、甲状腺異常が原因の場合は時間が経過しても改善しないのが特徴です。

抜け毛が産後半年を超えても続く場合や、更年期の年齢で甲状腺機能低下症の全身症状が複数当てはまる場合は、自己判断せずに血液検査を受けることが正確な鑑別につながります。

血液検査でTSH・甲状腺ホルモン値を測定すれば診断できる

甲状腺疾患の確定診断には、血液検査で甲状腺刺激ホルモン(TSH)と甲状腺ホルモン(FT3、FT4)の値を測定することが必要です。

関西医科大学附属病院の資料では、甲状腺機能低下症の診断に血液中のT4、T3濃度およびTSH濃度を測定することが明示されています。

甲状腺機能低下症の診断には、血液中の甲状腺ホルモン(T4、T3)濃度や、甲状腺刺激ホルモン(TSH)濃度を測定します。

引用元:甲状腺機能低下症 – 関西医科大学附属病院

TSHが高値でFT4が低値であれば甲状腺機能低下症、TSHが低値でFT3やFT4が高値であれば甲状腺機能亢進症と判断されます。

血液検査は採血のみで完了するため身体への負担が小さく、結果は通常1日〜数日で判明します。

抜け毛の原因が甲状腺にあるかどうかを客観的に確認できる唯一の方法が血液検査であるため、症状に心当たりがある方は積極的に検査を受けるべきといえます。

健康診断では甲状腺の検査項目が含まれないことが多い

一般的な定期健康診断では、TSHやFT3、FT4といった甲状腺の検査項目が標準コースに含まれていないケースが大半です。

JCHO滋賀病院のオプション検査案内では、FT3、FT4、TSHの測定がオプション扱いとなっており、別途費用が必要である旨が記載されています。

遊離トリヨードサイロニン(FT3)、遊離サイロキシン(FT4)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)— 甲状腺の機能低下は、他の検査には異常が出ないまま、上記症状などの原因となっていることがあります。

これらの症状が気になる方はご検討ください。

引用元:オプション検査 – JCHO 滋賀病院

健康診断で異常なしと判定されても、甲状腺の問題が見逃されている可能性がある点を認識しておくことが重要です。

抜け毛や倦怠感などの自覚症状がある場合は、健康診断とは別に内科や内分泌内科で甲状腺に特化した血液検査を依頼する必要があります。

甲状腺の抜け毛は内科・内分泌内科・皮膚科のどこを受診すべきか

甲状腺の異常による抜け毛が疑われる場合、最初の受診先としては内分泌内科が最も適しています。

内分泌内科は甲状腺疾患を専門的に診断・治療する診療科であり、血液検査からホルモン補充療法の管理まで一貫して対応できるためです。

一般内科でも甲状腺の血液検査は実施可能であり、近くに内分泌内科がない場合はかかりつけの内科を受診するのが現実的な選択肢でしょう。

皮膚科は抜け毛そのものの治療に強みがあり、東京医科大学の脱毛症外来では慢性甲状腺炎に伴う脱毛を診療対象として挙げています。

全身性疾患に伴う脱毛:慢性甲状腺炎、鉄欠乏性貧血、膠原病など

引用元:脱毛症外来 – 東京医科大学 皮膚科学分野

甲状腺疾患の治療は内分泌内科、脱毛そのものへの対症療法は皮膚科という形で、両方の診療科を併用するのが抜け毛の改善を最大化する最善のアプローチといえます。

甲状腺の抜け毛を悪化させないための日常生活のケアと頭皮の改善方法

甲状腺の抜け毛を悪化させないためには、医療機関での治療と並行して日常生活でのケアを継続的に実践する必要があります。

食事、頭皮の手入れ、ストレス管理、十分な睡眠といった基本的な生活習慣が甲状腺ホルモンのバランスや毛髪の健康に影響を与えるためです。

甲状腺疾患による抜け毛は治療が第一ですが、日常のケアを組み合わせることで回復を後押しし、悪化を防ぐ効果が期待できます。

一方で、甲状腺疾患がある場合に注意すべき脱毛サロンでの施術制限についても把握しておく必要があるでしょう。

食事で鉄・亜鉛・タンパク質を意識して髪の毛の成長を促進する

甲状腺疾患による抜け毛の改善を促すには、鉄、亜鉛、タンパク質を意識的に摂取する食事が重要です。

慶應義塾大学病院の情報では、脱毛症の原因として亜鉛や鉄などのミネラル欠乏が指摘されています。

脱毛症は、内分泌異常や膠原病など内科的な病気に関連して発症してくる場合があります。

また、脱毛症状が梅毒などの感染症の一症状であったり、亜鉛や鉄などの毛髪を作るのに重要なミネラルが欠乏するために生じる場合もあります。

引用元:脱毛症 – 慶應義塾大学病院 KOMPAS

甲状腺機能低下症の患者は鉄欠乏性貧血を併発しやすいことも知られており、東京医科大学の脱毛症外来でも慢性甲状腺炎と鉄欠乏性貧血が全身性疾患に伴う脱毛の原因として並べて記載されています。

意識したい栄養素
  • 鉄:レバー、赤身肉、ほうれん草、あさりなどに豊富で、毛母細胞への酸素供給を支える
  • 亜鉛:牡蠣、牛肉、ナッツ類に多く含まれ、毛髪のケラチン合成に関与する
  • タンパク質:卵、大豆製品、魚、鶏肉など、髪の主成分であるケラチンの材料となる

甲状腺の治療を受けながら、これらの栄養素を毎日の食事でバランスよく摂取することが髪の回復を栄養面から支える基盤になります。

頭皮マッサージと低刺激シャンプーで血行を改善し脱毛を抑制する

頭皮の血行を促進するマッサージと低刺激のシャンプーの使用は、甲状腺疾患による抜け毛の悪化を防ぐうえで効果的な日常ケアです。

甲状腺機能低下症では全身の代謝が低下し、頭皮の血流も滞りやすくなるため、意識的に血行を改善する取り組みが求められます。

頭皮マッサージは入浴時に指の腹を使って頭皮全体を円を描くように動かし、1回あたり3分〜5分を目安に行うとよいでしょう。

シャンプーは硫酸系界面活性剤を含まないアミノ酸系のものを選び、洗浄時に必要以上の皮脂を落とさないよう注意することが頭皮環境の保護につながります。

甲状腺機能低下症の頭皮は乾燥しやすいため、洗いすぎを避け、保湿を重視したケアを継続することが脱毛の抑制に寄与するでしょう。

ストレス管理と睡眠の確保が甲状腺ホルモンのバランス維持に必要

ストレスの蓄積と睡眠不足は甲状腺ホルモンのバランスを乱し、抜け毛を悪化させる要因として見逃せません。

慢性的なストレスは視床下部-下垂体-甲状腺軸に影響を及ぼし、TSHの分泌パターンを変動させることで甲状腺機能に間接的な悪影響を与えます。

睡眠時間の確保も同様に重要で、成長ホルモンが分泌される深い睡眠のフェーズが毛髪の修復と成長を支えているためです。

1日7時間〜8時間の睡眠を確保し、就寝前のスマートフォン使用を控えるなど睡眠の質を高める工夫が有効といえます。

ストレス管理には軽い有酸素運動や呼吸法の実践が取り入れやすく、甲状腺疾患の治療効果を損なわないためにも日常生活のなかでストレスと睡眠に配慮する姿勢が求められるでしょう。

甲状腺疾患がある場合は脱毛サロンでの施術ができない理由と注意点

甲状腺疾患を抱えている場合、脱毛サロンでの光脱毛やレーザー脱毛の施術を断られるケースがあります。

脱毛施術が甲状腺疾患のある方に制限される主な理由は、ホルモンバランスの乱れが施術後の肌トラブルや痛みの増加につながるリスクがあるためです。

甲状腺機能低下症では皮膚の乾燥が顕著になっており、脱毛施術による刺激で肌荒れや炎症が生じやすくなります。

甲状腺機能亢進症の場合は発汗量が多く皮膚が敏感になっているため、施術部位のダメージが通常より大きくなる可能性があります。

脱毛サロンでの施術を希望する場合は、事前に主治医の許可を得たうえで、サロン側にも甲状腺疾患があることを必ず伝えることが安全な対応です。

治療によって甲状腺ホルモン値が安定している状態であれば施術が可能となるケースもあるため、自己判断で諦める前にまず医師に相談することが適切な判断になるでしょう。

甲状腺の異常と髪の抜け方に関するよくある質問

甲状腺の異常と髪の抜け方について、多くの方が疑問に感じる内容をQ&A形式でまとめました。

甲状腺の抜け毛が治療で改善するのか、男女で抜け方に違いはあるのか、AGAや円形脱毛症とどう区別するのかといった疑問は、検索でも頻繁に調べられています。

ここでは、エビデンスに基づいた回答を各質問に対して提供します。

甲状腺の抜け毛は改善できますか?治療で髪の毛は戻るのか

甲状腺の抜け毛は、適切な治療によって多くの場合で改善が期待できます。

甲状腺機能低下症であればレボチロキシンによるホルモン補充治療、バセドウ病であれば抗甲状腺薬による治療を行い、甲状腺ホルモン値を正常範囲に安定させることが抜け毛改善の基本です。

英文論文では、ホルモン補充薬の投与によって休止期と成長期の毛髪比率が正常に回復したとする報告があります。

ただし、長期間にわたって甲状腺疾患を放置していた場合は毛包が萎縮しており、完全な回復が困難になる可能性がある点には注意が必要です。

治療で髪の毛が戻るかどうかは早期発見と早期治療に大きく依存するため、異変を感じたら速やかに医療機関を受診することが最も重要な対策となるでしょう。

甲状腺の薄毛は男性にも起こる?男女で異なる抜け方の特徴とは

甲状腺の薄毛は女性に多いイメージがありますが、男性にも発症する疾患です。

PMDA(医薬品医療機器総合機構)の資料でも、発毛剤の使用上の注意事項として甲状腺機能障害が記載されており、性別を問わず甲状腺疾患による脱毛の可能性があることが示されています。

男性の場合、AGAによる薄毛と甲状腺疾患による薄毛が併存するケースがあり、原因の切り分けが重要になります。

AGAは前頭部や頭頂部から進行するのに対し、甲状腺疾患による脱毛は頭部全体に均一に起こるびまん性パターンが特徴的です。

男性で全体的な薄毛や倦怠感、体重の急激な変動がある場合は、AGAだけでなく甲状腺の問題も視野に入れて検査を受けることが的確な対応といえるでしょう。

橋本病の抜け毛は治る?ブログで語られる回復の体験談

橋本病の抜け毛は、ホルモン補充治療を適切に行えば改善する可能性が高いとされています。

ブログで語られる体験談では、レボチロキシンの服用開始から半年〜1年で抜け毛の減少を実感し、徐々に毛量の回復を感じたという声が多く見られます。

一方、橋本病は自己免疫疾患であるため、円形脱毛症を合併するケースがある点も把握しておく必要があります。

国内論文では、円形脱毛症患者の約29.8%で抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(抗TPO抗体)が陽性であり、脱毛症状の改善に伴って抗体価が低下した症例も報告されています。

ブログの体験談は参考になるものの、橋本病の経過は個人の甲状腺抗体の状態やホルモン補充量によって大きく異なるため、自分の回復ペースを他者と比較しすぎないことが精神的な負担を減らすうえで大切です。

甲状腺機能亢進症の薄毛とAGA・円形脱毛症との違いを解説

甲状腺機能亢進症による薄毛、AGA、円形脱毛症はいずれも脱毛を引き起こしますが、抜け方のパターンと原因メカニズムが明確に異なります。

甲状腺機能亢進症の脱毛は頭部全体にわたるびまん性パターンで毛髪が細く柔らかくなるのが特徴であり、AGAは前頭部や頭頂部から進行する局所的なパターンです。

円形脱毛症はコイン大の脱毛斑が突然出現するのが典型的な症状で、自己免疫の異常が主な原因と考えられています。

英文論文のメンデルランダム化解析では、甲状腺機能低下症と円形脱毛症の間に因果関係が認められた一方、AGAとの因果関係は確認されなかったと報告されています。

甲状腺自己免疫疾患は円形脱毛症と関連する最も一般的な自己免疫疾患であり、円形脱毛症患者の42.7%以上が甲状腺自己抗体を有するとの報告もあります。

抜け方のパターンや進行速度、全身症状の有無を総合的に評価し、必要に応じて血液検査を行うことが3つの脱毛症を正確に鑑別するための基本となるでしょう。

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