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【腸内フローラ】美容と健康のため。これからのカギは【美】生物(微生物)です。

篠原秀勝

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篠原秀勝(しのはら ひでまさ)

きつい運動や食事制限をすることなく手軽に体重をコントロールして、理想の体型を維持できれば、どんなに楽しいでしょうか。保湿クリームや皮膚科の塗り薬を毎日使わなくても、肌がしっとり保湿されて乾燥や痒み、吹き出物などのトラブルから解放されるならば、どんなに快適でしょうか。

肉体的にも外見的にもいつまでも、若々しく健康的に日々を謳歌できれば、どんなに素敵な人生でしょうか。そんな理想的な生活を手に入れるための、一つの大きなヒントが今何かと話題の腸内フローラです。

腸内環境を整えることは胃や腸などの消化器官、内臓の健康を保つという側面だけでなく、乾燥肌、ニキビ、アトピーなど皮膚の健康維持にも大きく関わっており、内分泌や神経器官に至るまで、人体の実に様々な恒常性に影響力を持っていることが明らかになってきました。今や腸内フローラを無視して、疾患の治療や健康増進を議論するのはナンセンスと言える時代に突入しています。

腸内フローラを育成し、健康的な腸内環境を作るためには何をしたらよいのでしょうか?【生きて腸まで届く乳酸菌ヨーグルト】、乳酸菌サプリメント。すごく良いと思います。生野菜から青汁をミキサーで作るのも素晴らしいと思います。実際、世界各国の様々な施設で多くの研究が行われ、エビデンス(科学的根拠)が得られている健康法、関連商品も沢山登場しています。

腸内フローラを育成することを目的にした健康法や関連商品は、すでに無限に思える数が存在しています。果たして、何が本当に必要で腸内フローラに役立つものなのでしょうか。どのようなライフスタイルや商品が真に健康的に腸内フローラと共に歩む方法と言えるのでしょうか。その答えを探すためにまず、人間の身体とは、腸内細菌とはなんなのか、今わかっている最新の研究結果を少しずつ見ていきましょう。

腸内フローラ

※NHKスペシャル腸内フローラ解明!驚異の細菌パワーより

①消化・吸収とは

そもそも、食事は口からまず食道を通過し、胃に入ります。唾液に含まれる消化酵素と胃酸という強力な酸性の消化酵素によって食べ物はどろどろに溶かされていきます。この時、ほとんどの微生物はこの酸の海で死滅してしまいます。食中毒を起こす微生物や有害な外来生物をまずここで叩くわけです。その後、胆汁や膵液などの消化酵素も加わって十二指腸、小腸を通過し、食物は大腸へ送り届けられます(O-157大腸菌食中毒事件など、食中毒等の病気が発生するのは菌の種類や量、個体の免疫力などが影響しています)。

従来、栄養吸収の大半は小腸で行われていると考えられていました。大腸は食べかすから水分を取り除き、便を便として作る器官以上の機能は存在しないとも考えられてきました。虫垂に関しては特に役目の無い臓器で、盲腸(虫垂炎)という厄介な病気を引き起こすお荷物とさえ考えられていました。いわば眠れる爆弾を抱えているようなものだから、何かの病気で開腹手術を受ける機会がある患者さんには、手術の際についでに取ってしまいましょう、なんてう事もありました。

例えばパチンコ玉を丸呑みしても、そのままおしりからでてきます。消化できないからです。人間が消化酵素を持っていないものは、そのままの形で大腸へ進み排泄されます。人体の栄養補給に役立っていないと思われていた大腸でも実は消化吸収が盛んに行われており、その主役を担っているのが腸内細菌であること、多種多様な栄養素を腸内フローラが分解・生成し、人体に供給している事が明らかになりました。前述の虫垂は実は腸内細菌の住処(腸内細菌の多様性のストック)であることや、腸内の免疫細胞を備蓄する重要な役割があることも判明しています。

ちなみに海苔などの海藻を消化する酵素は日本人特有と言われています。外国の人は海苔を食べてもそのまま出てきてしまうそうです。この海苔を消化する消化酵素の遺伝子は人間にはありませんが、細菌が持っています。日本人は長い歴史の中で、その細菌を腸に住まわせた結果、海苔を分解し、大腸からその栄養を体内に取り込むことができるようになったのです。

この大腸での吸収(粘膜の通過)は様々な仕組みでコントロールされているか事が明らかになり、その粘膜通過の不調を腸内フローラを利用することで、是正し、ある種の病気、疾患の治療に奏功する実験や研究がスタートしています。

腸内フローラ2

※NHKスペシャル腸内フローラ解明!驚異の細菌パワーより

②腸内環境を整える

口から食事をとって肛門から排泄する、人間は言ってみれば1つの大きなチューブです。表側は皮膚で、内側の面は腸と言う事もできます。口の中、鼻の中、気道、肺、そして腸。チューブの外側、皮膚には当然沢山の菌、微生物が存在していますが、内側の部分にも沢山の微生物が共存しています。もはや、それら微生物の【持ちつ持たれつ】の機能を無視して、健康や美容を議論するのは無理があります。もっとも大量に微生物が存在する【腸】そこをどう、上手に育てるか、というのが微生物と共存し、その恩恵を最大限に引き出すカギとなります。

腸内フローラは私たちが摂取する食べ物を餌として生きています。ステーキを食べれば、そのたんぱく質の残りを菌は餌にし、サラダを食べればその食物繊維を餌に繁殖します。腸内環境を良くする、いわゆる善玉菌を増やすためには、善玉菌が好む食事を積極的に摂取すれば良いと言う事になります。しかしながら、その議論の前に、何をもって善玉、悪玉と区別するかと言う選考は、実は非常に大きな問題です。

健康にとって有益な効果を持っていれば善玉、下痢や便秘など害をなすものを悪玉と定義できそうです。あるいは、体重を痩せやすくする腸内細菌と体重を太りやすくする腸内細菌のグループがあり、このケースでは痩せやすくなるグループが善玉と言えそうです。しかし、大腸に生息する細菌(が作り出す物質)はじつに多種多様であり、その多様性こそが実は腸内環境や人体の健康を良好に保つために重要であることが分かってきています。

悪玉と考えられる細菌であっても、もっと凶悪な細菌が増えるのを抑える役割があれば、善玉と言えそうですし、日和見菌と呼ばれる役割を持たないと考えられる菌の中にも、機能的な役目を持つものがあることも発見されています。善玉が良いと聞けば、そればかり飼育して増やしたくなりますが、バランス、多様性が重要であるということは、今後の腸内フローラの育成を考えるときに大事な指標になりそうです。

多様性を保ちつつ善玉菌がやや多いバランス、それが現時点で理想的といる腸内環境の状態です。腸内の善玉菌が作り出す物質は総じてやや弱酸性です。そして、この弱酸性状態の環境が善玉菌にとって居心地の良い状態とされています。悪玉菌はその反対で、弱アルカリ性の物質を産生し、その環境を好みます。腸の中では常にこの善悪の菌同士が、お互いに生産物質を産生することで常に縄張り争いを繰り広げています。

弱酸性の善玉菌が優位な環境を構築する、そのためには善玉菌が好む食事を取っていく必要があります。ファーストフードやスナック菓子など、もとの食材の形が全く分からない加工された食べ物は概して悪玉菌を繁殖させます。そのような食事に傾倒してしまえば、すぐに健康を害することがなくとも、体重が増え、糖尿病などの生活習慣病を引き起こし、寿命が短くなるであろうことは想像に難くないと思います。

腸内環境を弱酸性に保つ善玉菌は食物繊維やオリゴ糖と呼ばれる栄養成分を好むことが知られています。それらの栄養成分を多く含んだ食事を心がけることが、健康的な腸内環境の育成に役立ちそうです。しかし、毎日自炊をして、それら中心の食事を行うのは多忙な現代社会ではあまり現実的な手段とは考えられません。そこで、登場するのが乳酸菌やビフィズス菌といった善玉微生物を利用するプロバイオティクス、オリゴ糖などをサプリメントとしたプレバイオティクスとなります。

プロバイオティクスとは人間に利益をもたらす善玉菌が生きたまま腸までたどりつき、そこで産生する乳酸などの代謝産物によって有益な健康効果をもたらしてくれるものを指します。酸によって腸内が酸性になることで悪玉菌の増殖が抑えられ、有害物質が減少します。腸の機能が活性化され、消化吸収が促進されれば、便秘や下痢の解消・予防にもつながります。このように私たちの健康に寄与するのもプロバイオティクス(摂取した菌)が生きているからこそなのです。ただし、プロバイオティクスは消化酵素に弱いものもあるため、その効果をより高く発揮させるためには、生きたまま腸まで届くものを選ぶと言う事がポイントになりそうです。また、善玉菌のエサになる食物繊維やオリゴ糖(プレバイオティクス)を併用すればより効率的に腸内環境を整えることができそうです。

王道のヨーグルトのほか、納豆や味噌、キムチや漬物などプロバイオティクスは身近なところに沢山存在しています。生きた菌を増やす、そのために菌を取る(プロバイオティクス)、菌の餌をとる(プレバイオティクス)、これらが現在一般的ですが、もっとも重要なポイントがあります。【菌そのもの】の存在が健康に直接的に役立っているわけではなく【菌が作り出す代謝産物】が健康を増進しているという点です。死んだ菌が腸に届いても意味がありません。生きた菌が代謝産物を作る、その働きこそが重要な役割なのです。

プロバイオティクス、プレバイオティクス、その先にあるのが【バイオジェニックス】です。さきの二つは菌を介して、生体に効果を期待するものですが、バイオジェニックスは腸内フローラを介することなく【代謝産物】を直接生体に付与し、効果を期待するものを指します。プロバイオティクスやプレバイオティクスがCDやレコードであるなら、バイオジェニックスはituneのようなもので、重要なのはコンテンツなのです。

バイオジェニックスの創始者、東大名誉教授の光岡先生の著書ではそれまでの軌跡、研究成果やバイオジェニックスの未来を見ることができます。日本古来より伝統的な身近な食事からプロバイオティクスを摂取し、プレバイオティクスとバイオジェニックスをサプリメントのような形態で補給していく、それが現時点で理想的な食事になりそうです。

腸内フローラ、微生物との【持ちつ持たれつ】の共生関係は次々に明らかになり、健康法や美容法は変化を続けています。皮膚自体が音や臭いを感じたりすることや、ある種のホルモンを産生していることが最近の研究で報告されました。僕は、ここにも間違いなく常在菌の介在があるであろうと予測しています。微生物との関わりを考えるにつけ、抗生物質の投与は安易に行うべきではないと考える様に至りました。最新の知見を診療にも取り入れていきます。美は1日にしてならず、日々のアンチエイジングにこれからは【美】生物(微生物)との共生を意識することも大切だと僕は考えます。美生物の改善にご興味のある方、どうぞご相談ください。

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