こんにちは
スキンリファインクリニック広尾、院長の橋本です。
インターネット上には様々なクリニックの広告やブログなどが存在しています。発信すること自体は自由ですので、その内容に対して『真実かどうかは全くチェックされないままに公開できるシステムがインターネットである』という認識を頭に入れていくことが、HP等を見る上で大切だと思います。
たとえ医師が執筆した文章であっても、医療的に全く根拠のない内容であるケースも増えており最近では様々な問題が表面化してきました。
つい先日は「再生医療」と称して根拠不明な治療を行っていたクリニックの医師が逮捕される事件も起こりましたが、違法性がないものも含めるととてつもなく多くの「医学的根拠不十分」な情報が医療関係者から発信されている現状があります。
インターネット上には必ず有益な情報もありますが、近年では自らを誤った方向に導いてしまう間違った情報の方が多くなってきてしまっております。自分にとって有益な正確な情報に行きつくことは日に日に難しくなってきていると言ってよいでしょう。
それではどのようにして正確な情報をネット上から得ることができるのでしょうか。
<正しい医療をうけるためのネット上での心構え(3ステップ)>
①ネット上の情報には誤った情報も多いということを必ず頭に入れておく
「活字マジック」「言い切りマジック」に騙されないという強い意思をもってネット上の情報を閲覧することが大切です。活字になっている情報に触れるとどうしても信用してしまうという心理が働きがちです。さらに、「~○○です!」と自信をもって言い切られてしまうと、たとえ根拠が全く不明な情報であっても信用してしまいがちです。
②肩書に惑わされない
先ほどの例のように、その道の専門家であろう肩書の人からの情報発信であっても、誤った情報が発信されているケースが多くなっています。例えば医療に関する記事を医師が執筆しているケースでも、自分の専門外の診療科の内容であっても「医師」と書かれてしまうとあたかも専門家のように聞こえます。医療というのは多岐にわたる分野です。その道だけを研究している本当の専門医と他科の医師の知識の差は非常に大きなものがあります。医師と言ってもその記事の内容に関して、実は素人レベルの知識で調べながら執筆していることもあります。
③「誰が書いた記事なのか」を最も大切にする
たとえば何か家電製品を電気屋さんに買いに行ったとします。その場に居合わせた店員さんにわからない点を尋ねたところ、自信のなさそうな返答の仕方であったばあい、「なにか確かな情報ではなさそうだな」という直感が誰でも働きます。そして他の詳しそうな店員に聞いてみたり、自分でカタログで調べてみたりというより確かな方法での情報収集に切り替えるでしょう。
ネット上では①のように活字、言い切りが行われているためこのような直観が作動しないリスクがあります。その記事は誰が書いたものなのか、信頼できる人がかいたものなのかどうか。それが最も大切だと思います。
ネット上でのクリニック選びの際に「信頼できる人」であるかがわかる手段があるのか?という疑問に行きつくと思います。ネット上の検索から「信頼できる人」に運よく行きつくこともあるかもしれませんが、それにはこれまで上げた3つの心構えが必要です。しかしながら、現実には信頼できる人に行きつかないケースの方が多いかもしれません。
我々医師であっても自らが病気になることもありますし、家族が病気になることもあります。その病気に関して安心してお任せできる主治医を決める際にネット検索から入ることはまずありません。ネット上のHP等を見ても優秀なドクターかどうかは同業の医師から分析しても全く判断がつかないからです。その疾患の専門医の道に進んだ友人医師に「この病気の領域で定評のあるドクターは誰か?」とまずは情報収集をすることから始めます。
このようにやはり最も確実で理想的なのは、「すでに自分が信頼している人」がお勧めしているクリニックだと思います。ネット上にある「操作できる口コミ」ではなく、大切な友人であればあるほど確かな情報になります。
簡単に情報が引き出せるネット社会ですが、「人と人の繋がり」が正確な情報に行きつく一番の近道であることは昔も今も変わりません。
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