なぜ治療やスキンケアの効き目には個人差があるのか? 〜鍵を握る「肌の常在菌」と「腸内環境」〜

患者様から「同じ治療を受けているのに、なぜ効果に差が出るの?」「人気のスキンケアを使っているのに、私には効かない…」といったご相談をよくいただきます。
美容皮膚科医として多くの肌を見てきた私なりの考えと、当院が大切にしている「根本からの肌環境ケア」についてお話ししたいと思います。
- 治療やスキンケアの効果に個人差が生まれる理由
世の中にはさまざまなコンセプトの化粧品やサプリメントが溢れていますよね。
「〇〇という成分がニキビに効く」「亜鉛が良い」といった情報も目につきますが、私からお伝えしたいのは、特定の成分ひとつだけで肌トラブルを解決できるわけではないということです。
ニキビや肌荒れには、多様な要素が複雑に絡み合っています。
では、なぜ人によって効き目に違いが出るのでしょうか?
その答えのひとつとして、私は「皮膚の常在菌(肌環境・菌叢)」の違いが大きいと考えています。
- 月1回の施術以上に大切な「毎日のスキンケア」
例えば「肝斑(かんぱん)」のお悩みに対して、「クリニックでの強い施術や摩擦は避けるべき」と説明されることがあります。
しかし、クリニックで特別な施術を受けるのは月に1回程度ですよね。一方で、私たちは毎日顔を洗い、肌を触り、タオルで拭くといった行為を何度も繰り返しています。
私が思うに、月に1回の刺激を気にする以上に、「毎日の生活で肌に与える刺激や負担をどう減らすか」の方が、はるかに重要なのです。
月1回のケアだけに頼るのではなく、日々の正しいスキンケアで肌の基礎環境を整えてあげることこそが、トラブルを防ぎ、治療効果を高める一番の近道です。
- 「腸内環境」と「肌」は表裏一体
最近は「腸活」という言葉が定着し、睡眠改善やストレス軽減を謳った乳酸菌ドリンクなども人気を集めています。こうしたブームを紐解いていくと、行き着く先はやはり「腸内環境の改善」です。
人間の体を簡略化してストローに例えてみてください。ストローの内側が「腸」、表面の皮膚が「肌」です。つまり、腸と肌は一枚でつながった管であり、いわば「コインの表と裏」の関係にあります。
腸内環境が全身の健康やストレスに関係しているのと全く同じように、肌の表面に存在する常在菌のバランスも、肌質や治療効果に大きな影響を与えていると私は考えています。

- 肌の常在菌を整え、健康な肌土台をつくる
肌トラブルが少なく健康な方の肌を解析すると、特定の良い常在菌(善玉菌)がしっかりと定着している傾向があります。
一方で、ニキビやアトピー、重い乾燥肌などで悩んでいる方の肌では、その菌が見つからないか、非常に少ないことが分かっています。
私がおすすめしたいスキンケアの考え方は、「不足している常在菌の働きをしっかり補い、もともと持っている良い菌はさらに増強してあげる」というアプローチです。
日々のケアで肌の常在菌バランスを良好に保つことで、肌の土台が整い、クリニックで行う美容治療の効果もぐっと引き出されやすくなります。
最後に
日頃からスキンケアをがんばっているのに「なんだか肌の調子がいまいち」「健康的な肌だと実感できない」とお悩みの方は、一度「肌の常在菌バランス」に目を向けてみてください。
「これを使えば絶対に万事解決!」という魔法のような唯一の解決策はありません。ですが、毎日のケアで肌環境を整えていくことは、健やかな肌を取り戻すための大きな力になります。
皆様がご自身の肌に自信を持てるよう、これからもお役に立つ情報を発信していきます。お肌のことで悩みや不安がありましたら、どうぞお気軽にクリニックでご相談くださいね。

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