エクソソーム点滴は胡散臭い？期待できる効果やエビデンスについて医師が回答

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スキンリファインクリニック
篠原秀勝（しのはら　ひでまさ）

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SNSやメディアなどで話題の「エクソソーム点滴」や「幹細胞培養上清液」。最新療法ともいわれ、気になる方も多いのではないでしょうか。一方、”アンチエイジング効果”や”がん予防”など、魔法の薬のように取り上げられることも少なくありません。そのため怪しく、胡散臭いインチキ療法と感じる方もいらっしゃることでしょう。今回はエクソソーム点滴・幹細胞培養上清液の効果や、エビデンスについての疑問に医師が回答します。

エクソソームにまつわる疑問と医師の回答

エクソソームが胡散臭い・怪しいと言われている理由は？

エクソソーム点滴や幹細胞培養上清液点滴に対して「胡散臭い」「怪しい」といった声も少なくありません。これらのマイナスイメージは、幹細胞やエクソソームについての知識が少ない方と、幹細胞提供ドナー情報やエビデンス不足に不安がる方から発せられることがあります。

もちろん幹細胞培養上清液はヒト由来であるため、未知のウイルスなど潜在的なリスクはゼロとはいい切れません。幹細胞培養上清液を使用する医療行為を受ける際は、メリットだけでなく、リスク説明を丁寧におこなう医師のもとで受けましょう。

エクソソームってどんな成分？

エクソソームとは、さまざまな幹細胞が分泌する直径30〜150nmほどの膜小胞です。生体内において細胞間の情報伝達の役割を担います。エクソソームは幹細胞培養液中に含まれるほか、血液や尿などにも存在します。　　　

エクソソームと幹細胞培養上清液は別物？

医療機関によって「エクソソーム点滴」「幹細胞培養上清液点滴」と2つの記載に分かれます。

幹細胞培養時にエクソソームが大量に放出されるため、エクソソーム点滴とするケースも多いようです。いずれも幹細胞培養時の培養液(上澄み液)を利用した点滴製剤であり、幹細胞そのものは除去されています。

幹細胞培養上清液には、植物由来・動物由来・ヒト由来がある

幹細胞はヒトや植物・動物(多細胞生物)に存在する細胞です。化粧品には植物由来、羊などの胎盤由来の幹細胞培養上清液が多く使用されます。なお、点滴製剤はアレルギーリスクの低いヒト由来幹細胞培養液のみが使用され、おもに乳歯歯髄・脂肪由来の幹細胞培養上清液です。

エクソソームは化粧品でも取り入れられる？

エクソソームを使用した化粧品は、さまざまなメーカーより発売されています。含有するエクソソームも植物由来・動物由来・ヒト由来などがあり、各社は高いエイジングケア効果アピールに余念がありません。しかしエクソソームの分子量は大きく、そのままでは皮膚に浸透することはないといえるでしょう。また他の配合成分によっても効果は異なります。

エクソソームや幹細胞培養上清液はどのように体内へ取り入れるの？

分子量が大きく、皮膚からの浸透が難しいエクソソームを確実に体内へ取り入れる方法は「静脈投与(点滴）」や「ダーマペンによる経皮浸透」が挙げられます。使用される幹細胞培養上清液は医療機関ごとにメーカーが異なるため、安全性や培養上清液の元となる幹細胞が気になる方はホームページなどで確認するとよいでしょう。