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エクソソームは化粧品でも意味がある?点滴との違いについて医師が解説

篠原秀勝

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篠原秀勝(しのはら ひでまさ)

美容クリニック発信のSNSなどで話題となっている「エクソソーム点滴」。昨今ではエクソソーム配合の化粧品なども数多く販売されています。一方でエクソソームがどのような成分かはあまり知られていないように。今回はエクソソームのもたらす効果や点滴と化粧品の違いなどを医師が解説します。

エクソソームとは細胞間の情報伝達をおこなう物質

細胞間の情報伝達を行うエクソソーム

エクソソームとは、さまざまな幹細胞が分泌する直径30〜150nmほどの脂質二重膜小胞です。生体内において細胞間の情報伝達の役割を担います。なお幹細胞とは失われた細胞を補充する機能をもった細胞のことです。エクソソームは幹細胞培養液中に含まれるほか、血液や尿などにも存在します。   

エクソソームと幹細胞培養上清液は別物

医療機関や化粧品によって「エクソソーム」「幹細胞培養上清液」と2つの表記に分かれていることも少なくありません。幹細胞培養時にエクソソームや成長因子などが大量に放出されるため、エクソソームと表記するケースも多いようです。いずれも幹細胞培養時の培養液(上澄み液)を利用した成分であり、幹細胞そのものは除去されています。

化粧品にはヒト由来のほか、動植物由来の幹細胞培養上清液も多く使用されます。なお、点滴製剤はアレルギーリスクの低いヒト由来幹細胞培養上清液のみが使用され、おもに乳歯歯髄・脂肪由来の幹細胞培養上清液です。

新しい細胞の産生・細胞の補充を行なう「幹細胞」

幹細胞はヒトや動植物(多細胞生物)に存在する細胞です。新たな細胞を産生し、失われた細胞の補充を行なう役割を担います。幹細胞から分泌されるエクソソームは脂質二重膜小胞であり、タンパク質やRNAなどを安定に保護し、分解を受けにくいことが特徴です。

年齢とともに減少するエクソソーム

体内に存在する幹細胞は加齢とともに細胞産生の機能が衰え、同時にエクソソーム分泌も減少します。新しい細胞が生まれず、細胞間の情報伝達もスムーズに行なうことができないためシワや抜け毛、筋力低下などいわゆる加齢症状が全身に現われるでしょう。

化粧品成分としてのエクソソームの美容効果

現在、エクソソーム含有の化粧品は一般化粧品・メディカル化粧品をあわせ、さまざまなメーカーから発売されています。しかしエクソソームは分子量が大きく、そのままの状態では皮膚からの浸透は難しいでしょう。一方、リポソーム※加工により、リン脂質カプセルの中にエクソソーム(幹細胞培養上清液)を内包させると、皮膚に浸透しやすくなるとされています。

※リポソーム:レシチン等のリン脂質でできたカプセル。有効成分を閉じ込め体内へ届けることが可能

美容クリニックではダーマペン4やプラズマ治療にエクソソーム含有の美容製剤を使用し、有効成分を肌の奥(真皮層)まで届ける施術も多くあります。高品質のエクソソーム美容製剤であれば真皮層に存在する線維芽細胞を活性化させ、コラーゲンやエラスチンなど皮膚弾性物質の産生を促し若々しい肌へと導きます。

全身へ効率的に取り入れる点滴にも注目

年齢を重ねるとともにシワやたるみ・抜け毛など、いわゆる老化症状が顕著となります。また外見上の問題だけでなく筋肉や骨格なども衰え、これらの問題はどんなに良質なエクソソーム化粧品でも改善することはできません。

いま現在、年齢とともに分泌量が低下するエクソソームを、最も効率よく取り入れる方法は点滴療法です。静脈から取り入れたエクソソームは血流にのり、全身の細胞へアプローチします。肌だけでなく身体の中からのトータルエイジングケアにより、若々しい印象へと導くといえるでしょう。

エクソソームに期待できる健康・美容効果

疲労回復・健康維持(点滴療法)

加齢とともに細胞を産生する力が衰え、代謝や免疫機能の低下を引き起こし「疲れがとれない」「風邪をひきやすい」など、いわゆる老化症状が現れます。エクソソーム点滴は全身の細胞活性化にアプローチするとされ、定期的に体内に取り入れることで溌剌とした体へと導きます。

皮膚や筋肉を若々しく導く(点滴療法)

加齢により線維芽細胞の機能が衰えるとともに、筋肉や皮膚の弾力は失われていきます。エクソソーム(幹細胞培養上清液)はコラーゲン産生能力や抗炎症効果が示唆され、若々しい肌と弾力ある筋肉への改善に期待がもてます。

全身のエイジングケア(点滴療法)

エクソソーム分泌の減少は、シワやたるみなどの審美的な老化症状だけでなく、さまざまな病気の発症に関与します。エクソソーム点滴は衰えた細胞を活性化させ、髪や肌はもちろん、神経や臓器など全身にアプローチするトータルエイジングケア療法です。

肌のハリ・うるおいを保つ(点滴療法/化粧品)

真皮層にある線維芽細胞は、肌のハリやうるおいを左右するコラーゲン・エラスチン産生を行なう細胞です。しかしその産生力は加齢とともに衰え、シワやたるみを引き起こします。肌のハリやうるおいキープだけであればエクソソーム化粧品のみでも機能しますが、その作用は肌表面だけに留まります。全身の肌を若々しく保つためには定期的なエクソソーム点滴を取り入れることが望ましいでしょう。

当院では厳選した浄化濃縮エクソソーム製剤を使用

当院のエクソソーム点滴(幹細胞培養上清液点滴)は、良質なヒト幹細胞培養時の上澄み液を活用した点滴療法です。幹細胞そのものは除去されていますが、細胞活性を促すエクソソームだけでなく成長因子、サイトカインなど数百種類もの生理活性物質が豊富に含まれたエイジングケア製剤といえるでしょう。

また幹細胞ドナーの徹底したウイルス検査はもちろん、幹細胞培養時に放出されるアンモニアなどの有害物質を浄化、有効成分のみを濃縮した安全性の高い製剤です。

第三者への譲渡も可能

エクソソーム点滴(幹細胞培養上清液点滴)は、自己幹細胞点滴療法のように自身の細胞採取をおこなう必要がありません。点滴製剤として製品化されているため、老化症状が気になり始めた時点でいつでもすぐに始めることができます。なお、製剤をまとめての購入や、他人への譲渡も可能となります。美意識と健康意識の高い方へのプレゼントとしても人気の高い美容医療施術です。

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