加齢とともに深く刻まれるシワは、現れる部位によって対人印象を大きく左右します。今回はスキンリファインクリニック院長 篠原医師が美容皮膚外科医として考える「あっても良いシワ・ない方が良いシワ」について、またシワの原因と改善へ導く施術メニューを紹介します。

シワは「視覚的コミュニケーション」ツール

皮膚は人体の中で最大の臓器となり、体温調節やバリア機能などの働きをもちます。そして、視覚的コミュニケーションの役割を果たす唯一の臓器といえるでしょう。目尻を下げ口角を上げれば笑顔となり好印象に、眉間を寄せ口角を下げることで近寄りがたい印象を与えます。

これらの表情の変化は表情筋によって作られます。しかし加齢とともに額や眉間、目尻など深いシワとして定着し、シワが現れる部位によっては「不機嫌そう」など、ネガティブな印象を与えかねません。

美容医療で自身の印象を演出する方法

美容医療はすべてのシワを均一に改善するだけではありません。好印象なシワを残し、ネガティブな印象となるシワのみを改善することも可能です。一方、若手経営者などの場合、威厳を演出するためにあえて眉間のシワを残す方もいらっしゃいます。美容医療はエイジングケアだけでなく、希望に沿った印象へ仕上げることも可能といえるでしょう。

加齢とともにシワが現れる部位とその原因

肌の乾燥で現れる「乾燥小ジワ」

乾燥小ジワが現れやすい部位	目尻・口周り
相性の良い美容施術	ハイドラフェイシャル・ダーマペン4・プルリアル

 

皮膚の一番外側にある「表皮」に、浅く細かく刻まれるシワです。おもな原因は乾燥とされ紫外線やエアコンのほか、ターンオーバーの乱れによる角質層の保水機能低下が挙げられます。

肌老化や紫外線により深く刻まれた「真皮ジワ」

真皮ジワが現れやすい部位	額・目周り・口周り
相性の良い美容施術	ハイフ・高周波・プルリアル・ヒアルロン酸注入・ダーマペン4

 

加齢により真皮層にあるコラーゲンや、エラスチンなどの皮膚弾性物質の減少がおもな原因とされています。化粧品での改善はむずかしく、放置することで深く長いシワとなるため早期改善が大切です。

表情のクセが刻まれた「表情ジワ」

表情ジワが現れやすい部位	額・眉間・目尻・口周り・あご
相性の良い美容施術	ボツリヌス注射

 

喜怒哀楽など、表情筋の動作を繰り返すことがおもな原因です。本来は筋肉の動きによる一時的な折りたたみジワですが、加齢とともに皮膚の弾性が失われることで元の状態に戻らず深いシワとなって定着します。

肌の下垂によって現れる「たるみジワ」

たるみジワが現れやすい部位	目の下・ミッドチークライン(ゴルゴライン)・ほうれい線
相性の良い美容施術	ハイフ・高周波・ヒアルリフト・スレッドリフト

 

加齢にともなう皮膚弾性物質の減少や筋膜層の衰え、顔面骨の萎縮が原因とされています。原因が複合的なシワのため、照射施術と注入施術を組み合わせたケアが必要です。

美容皮膚外科医が考える「あっても良いシワ」「ない方が良いシワ」

笑顔で現れるシワは魅力的な印象を与える

目元に現れる表情ジワは「笑いジワ」とも呼ばれ、穏やかで温かみのある印象を与えます。表情の変化によって現れるバニーライン※や、ほうれい線もチャーミングな印象となり、好印象のシワとされています。

また若い頃、えくぼ(口角の横のくぼみ)があった方の場合、ハリ低下にともない、くぼみが線状となるケースも少なくありません。浅いシワであれば思慮深い印象となる好印象ジワとされる一方、加齢とともに二重、三重のほうれい線状のシワとなるため注意が必要です。

どんなに魅力的なシワも、加齢とともに深く刻まれます。自身のシワが気になり始めたら美容医療を検討してもよいでしょう。

※バニーライン:目をギュッと閉じた際、目頭から鼻根にかけて生じる斜めジワ

ネガティブな印象を与えるシワは刻まれる前に予防

眉間のシワや顎の梅干しジワは不機嫌な印象を与える原因に

眉間の縦ジワや顎に生じる凸凹とした梅干しジワは、不機嫌な印象を与えるとされています。眉間ジワは皺眉筋(しゅうびきん)、梅干しジワはオトガイ筋の過度な緊張が原因です。ボツリヌス注射により筋肉の緊張を抑えることで、深く刻まれた表情ジワを改善へと導きます。

額のシワやほうれい線は深く刻まれると老け見えの原因に

目を見開く際に生じる額の横ジワや、笑顔によって生じるほうれい線は若年層でも多く見られる表情ジワです。しかし加齢とともにシワが深く刻まれたまま定着し、真顔の状態でも生じるシワは老けた印象を与えます。

額の横ジワにはボツリヌス注射、ほうれい線にはハイフなどを組み合わせることにより、若々しい印象へと仕上がります。

ミッドチークラインやマリオネットラインはお疲れ顔の原因に

ミッドチークラインとは、目頭から頬に向かって生じる長い溝のことです。ゴルゴラインともいわれ、皮膚弾性物質の減少や顔面骨の萎縮、支持靭帯の衰えによって生じたシワとなります。一方、マリオネットラインは口角から顎下に向かって生じたシワです。いずれも放置することで悪化を招き、疲れた印象を与えるとされています。

ミッドチークラインとマリオネットラインの改善には、ハイフによる筋膜層からのリフトアップ施術、ヒアルロン酸注入による顔面骨萎縮および支持靭帯の補強が適応されます。

「自然」な若々しさを目指す当院のシワ治療

スキンリファインクリニックは、シワやたるみ改善施術を得意とするクリニックです。臨床経験に基づく丁寧なカウンセリングと、お一人おひとりの輪郭や加齢症状に合わせたオーダーメイド施術を行なっております。

当院は、表情ジワの改善に優れた効果をもたらすボツリヌス製剤「コアトックス®」のトップユーザークリニックです。また院長の篠原医師は、AMA( エステティックメディカルアカデミー)の理事・指導医として、医師たちの技術向上の実現を目指しております。

シワを活かした注入法から全顔のリフトアップ施術まで。施術の不安や適応について、お気軽にご相談ください。