【シミ治療簡易診断つき】大人のシミ治療でおさえたい基本知識を医師が解説

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スキンリファインクリニック
篠原秀勝（しのはら　ひでまさ）

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おもなシミの種類とそれぞれの特徴

シミとは表皮の基底層で産生されたメラニンと呼ばれる色素の増加と、皮膚へ沈着し色調変化を生じたものです。シミの色はメラニンの存在する深さによって異なります。一般的に褐色や黒色であり、大きさや形を問わず”シミ”と表現されます。

シミの原因はおもに紫外線や摩擦などの外的刺激、ターンオーバーの異常が挙げられます。シミは病名ではなく肌トラブルのひとつとされ、基本的に治療の必要はありません。一方、顔や手などに生じたシミは、審美的観点から積極的に治療を受ける方も多くいらっしゃいます。

シミは加齢とともに複雑に現れます。老人性色素斑と肝斑との混在や、くすみと雀卵斑(そばかす)が重複するケースも少なくありません。治療法を誤ることでシミの悪化や、再発を招くことがあるため、慎重な診断が必要となります。

老人性色素斑(一般的なシミ)

老人性色素斑は、もっとも代表的なシミといえます。1cm前後の褐色〜黒色の色素斑であり、おもな原因は紫外線です。“老人性”と呼ばれるように、加齢によるターンオーバーの乱れによりメラニンが排出されず、皮膚に蓄積することであらわれます。太陽光の当たりやすい顔や腕、手の甲などに多く発生するシミです。

そばかす(雀卵斑)

そばかすとは、顔の中心から散在する細かく不規則な形のシミです。色調は淡褐色〜濃褐色であり、幼児期から思春期にかけて発生します。そばかすのおもな原因は、遺伝と紫外線です。顔だけでなく、胸元や腕などにも現れます。白人や色素の薄い皮膚に多く見られるシミの一種です。

炎症後色素沈着

炎症後色素沈着とは火傷やニキビ、虫刺されなど、皮膚に炎症を生じた部位にあらわれるシミのことです。皮膚は何らかの傷害を受けることで、表皮内にあるメラノサイトが炎症性サイトカインにより活性化します。メラニンが大量に産生された結果、炎症が治まった後にあらわれる灰褐色〜褐色のシミの一種です。

肝斑

肝斑とは頬や鼻の下に広がる左右対称のシミのことです。薄褐色で境界不明瞭なボヤけた色調であり、ホルモンバランスや紫外線、摩擦が原因とされています。刺激により悪化するため一般的なレーザー治療は禁忌であり、治療法はトラネキサム酸などの内服薬が第一選択となります。老人性色素斑との誤診や、他のシミと混在するケースも多い肝斑は慎重な診察が必要といえるでしょう。

ADM

ADMとは後天性メラノサイトーシスとも呼ばれるシミのことです。通常、シミは表皮層に存在しますが、ADMは真皮層に存在します。20〜30代の女性に発症することが多く、原因は遺伝やホルモンが関与するといわれています。ADMの色調は灰色および青褐色など、くすみがかった色であることが特長です。肝斑同様に下まぶたや、頬などの両側に現れます。

くすみ

くすみとは、顔全体が本来の肌トーンよりも暗く見える状態のことです。おもな原因として血行不良や乾燥、ターンオーバーの乱れが挙げられます。不要な角質の蓄積によるくすみは、肌の光反射率が低下し透明感が失われていくでしょう。角質を原因とするくすみはニキビなどの肌荒れも引き起こすため、早期的なケアが必要です。

シミ治療の早見表で全体像をつかむ

※早見表はあくまでセルフチェックであり、正確な治療法は医師の診察が必要です

シミにはさまざまな種類があり、原因やシミの生じる部位、年齢などを適切に判断した上での治療が必要です。シミ治療はシミの種類の見極めができないまま、適応外の治療をおこなうことで悪化を招くケースも少なくありません。

上記はシミの症状と当院で実施する適応施術です。「SRCシミ治療早見表」で自身のシミの種類と適切な治療法を理解しましょう。

【各施術の注意事項】

ピコスポット

“スポット”というように、部分的なシミに適したレーザーです。シミの状態によってはカサブタが形成され、1〜2週間程度のダウンタイムが発生します。

ピコトーニング

低出力のピコレーザーを顔全体に照射する施術です。肌へのダメージやダウンタイムが少ない一方、数回の施術を必要とします。

IPL(光治療）

比較的マイルドな照射施術です。シミやそばかすだけでなく毛穴や、赤ら顔などにも効果を発揮する一方、一度の照射だけでは大きな改善は見込めません。従来、肝斑への照射は禁忌とされていましたが、肝斑治療に対応したIPLも存在します。

プラズマフェイシャル

イオン化させた活動性の高い気体を照射することで、くすみ・肝斑・炎症後色素沈着などを改善へと導く施術です。肌へのダメージが少ない一方、老人性色素斑やADMなどの部分的なシミへの効果はありません。

ハイドラフェイシャル

ジェット水流と吸引により、毛穴に詰まった老廃物を除去する施術です。ターンオーバーを整え、シミの排出を早めることができます。一方、シミそのものを破壊したり、除去する効果はありません。

マッサージピール

PRX-T33という専用製剤を使用したピーリング施術です。従来のピーリング剤のように皮膚剥離を目的とせず、マッサージにより製剤を浸透させ、ターンオーバーとコラーゲン産生を促します。非常にマイルドな施術とされる一方、代謝促進によるシミ改善となるため、繰り返しの施術が必要です。

美白イオン導入

美白効果の高い製剤を表皮最下層まで浸透させる施術です。シミを予防し、肝斑や炎症後色素沈着へアプローチします。ただし、シミそのものを除去する効果はありませんので、ピコスポットなど適応レーザーとの組み合わせが望ましいでしょう。

内服薬

シミ改善に使用されるおもな内服薬はトラネキサム酸やシナール(ビタミンC)、グルタチオンです。トラネキサム酸は肝斑の予防・改善効果が認められている一方、内服薬のみでのシミ治療はむずかしいでしょう。

外用薬

シミ改善に使用されるおもな外用薬は、レチノールとハイドロキノンです。赤みや皮ムケなどを最小限に抑える当院推奨の使用方法がありますので、いつでもご相談ください。

当院で受けることが可能なシミ治療

一般的に皮膚に生じた部分的な褐色変化のすべてを「シミ」と認識する方がほとんどです。しかしシミは多種多様であり、加齢とともにいくつものシミが混在するケースも少なくありません。適応外の治療法はシミ悪化を招くため、年齢や性別、生活スタイルなども含め、正確な診断が必要となります。

一度のレーザー照射で除去可能なシミがある一方、メラノサイトでは日々、シミの元ともいえるメラニンが産生されています。目に見える健在性のシミ以外に、皮膚の中には潜在性のシミが多数存在し、いずれ目立つシミとなってあらわれるでしょう。

SRCではシミ治療の臨床経験豊富な医師が、丁寧にカウンセリングをおこないます。現在のシミ治療だけではなく、シミ予防や美白ホームケアまで、患者さまに寄り添った治療をご提案します。