【夏のシミ治療はOK!】してはいけないといわれる理由や夏に受ける際の注意点
夏に受ける光治療やレーザーなどの照射施術は、シミが濃く悪化するといわれています。今回は夏場のシミ治療が危険とされる理由とシミ治療を受ける際の注意点、紫外線ダメージに負けない正しいシミ対策について医師が解説します。
夏はシミ治療を避けた方がよいといわれる理由
春から夏にかけて紫外線の照射量はピークを迎えます。強力な紫外線により元からあったシミが濃くなりやすく、光治療やレーザーなどのシミ治療を検討する方も少なくありません。一方、SNSや口コミサイトの中には「夏のシミ取りで悪化した」といった夏のレーザー照射の危険性をうったえる意見を目にします。
光治療やシミ取りレーザー後の皮膚は一時的に角層のバリア機能が低下するため、とてもデリケートな状態となります。バリア機能が低下した状態の皮膚に強い紫外線があたると、通常の状態よりもメラノサイトを強く刺激し活性化させる可能性があります。その結果、治療前よりもシミが濃く見える(治療によってかえって悪化した)場合があります。ただし、この現象の多くは一時的なものです。
またエアコンなどによる乾燥がターンオーバーを遅延させ、メラニン排出が円滑にされないこともシミ悪化の原因といえるでしょう。
なおバリア機能の低下した皮膚は、夏だけでなく秋冬の比較的弱い紫外線によってもダメージを受けます。つまり「光治療やシミ取りレーザーを夏に受けてはいけない」というわけではなく、照射後に紫外線対策や保湿をしっかりおこなうことで、真夏の照射施術も問題なく受けていただけます。
一般的なシミ治療施術の種類と特徴
レーザーなどのシミ治療は、紫外線対策をおこなうことで夏でも治療が可能です。テニスやゴルフ、マリンスポーツなどはおこなわず、屋内で過ごすことがほとんどの方は、そこまで神経質になる必要はありません
夏になると屋外レジャーで必ず日焼けをしてしまうという方は、秋冬での治療を推奨しますが、夏の時期にシミ治療ができないというわけではありませんので、ご安心ください。
光治療(IPL):2〜4週間に1回
光(IPL)治療とは、さまざまな波長(光)の集合体を肌へ照射する治療です。メラニン・ヘモグロビンの破壊や、毛穴・ハリ改善など幅広い症状へ適応します。
日焼けした肌では、シミ以外の皮膚にもメラニン色素が増加しています。光はシミ以外のメラニンにも強く反応する場合がありますから、日焼けの程度が強い場合には治療を延期することもあります。夏場には治療できないわけではありません。光治療は一般的に輪郭の明瞭なシミに対して効果が高く、ハリが出る、キメが整うなど色素の問題以外にも肌をきれいにする効果があります。
レーザー(スポット):通年可能
現在、ピンポイントにシミ取りをするスポット照射に使用する機種はピコ秒レーザーが主流ですが、一世代前のナノ秒レーザーでも十分な治療効果が得られます。多くの場合、照射部位にはグレーまたは黒いかさぶたが生じます。1週間程度で、かさぶたが取れた後、すぐにシミが薄くなってきれいに見えるケースもありますが、しばらく変化がない、あるいは前述のようにかえって悪化して見える場合もあります。
スポット照射は治療後すぐにシミが取れる、また薄くなるのではなく、成果が見られるまで時間がかかる点に注意が必要です。治療後に変化が見られない(または悪化した)場合でも数週間〜数か月の時間経過で改善が見られることは珍しくありません。
かさぶたがむけた後の皮膚に強い紫外線があたると、シミが薄くなる成果が減弱する(本来ならかなり薄くなるところが薄くなり切らずにシミが残ってしまう)場合があるため、スポット照射のあとの紫外線対策は特に重要となるのです。
レーザートーニング:ピコ秒レーザーでは1か月おきが定番に
レーザートーニングとは低出力レーザーを顔全体に照射することで、シミやくすみを改善へと導く照射施術です。マイルドな照射のためダウンタイムがほとんどなく、レーザーが禁忌とされる肝斑への照射も可能とされています。
レーザートーニングは回数を重ねることで効果を発揮するため、繰り返し、根気よく治療を継続することが大切です。ナノ秒レーザーによる「レーザートーニング」においては1〜2週間おきの治療が一般的でしたが、現在主流の「ピコトーニング」(ピコ秒レーザーを使用するレーザートーニング)では月に1回程度の間隔が推奨されています。
トーニング治療は肝斑や薄いシミに対しておこなうことが一般的ですが、光治療同様キメが良くなる、ハリが出るなどの美肌効果があることも人気の理由の一つです。
40代以降に現れるシミの種類とその原因
紫外線を原因とするシミ(外的要因)
シミとは肌にメラニンが局所的に蓄積され、茶〜黒色にみえる状態のことです。紫外線を浴びると皮膚内の細胞が刺激され、基底層に存在するメラノサイト(色素形成細胞)が活性化されます。
紫外線ダメージから皮膚を守るためにメラノサイトはメラニンを産生し、周囲の表皮細胞へ輸送します。皮膚はメラニンにより一時的に色素沈着(日焼け)を引き起こし、やがてターンオーバーによってメラニンは皮膚外に排出され、元の肌色へ戻ります。
しかし加齢などが原因でターンオーバーが乱れた皮膚はメラニン排出が滞り、メラニンが蓄積・沈着することでシミとなります。また色素沈着の原因は紫外線だけではなく、ニキビや湿疹・かぶれなどの皮膚に炎症が生じた場合や、火傷や擦り傷などの外傷の治癒後にもみられます。
ホルモンを原因とするシミ(内的要因)
シミの原因は紫外線などの外的要因だけではなく、ホルモンが関連するケースも少なくありません。肝斑とはシミの一種であり20代以降の女性に多く見られ、メイクや洗顔などの皮膚の摩擦がおもな要因となるほか、女性ホルモンの影響も強く受けています。
もっとも典型的な肝斑は両頬に左右対称的にぼんやりと境界不明瞭なくすみ、あるいは赤みとして見られます。額や口周り、顔の片側のみなどバリエーションは多く見られます。なお肝斑は女性だけでなく男性にも発症し、摩擦や紫外線で悪化を招くため注意が必要です。
夏のシミ治療には「守りのケア」を組み合わせる
照射施術による夏のシミ治療は適切なケアにより、シミ悪化などのトラブルは避けることができます。しかし夏の紫外線は強力ですし、気温も高く汗もかきますから、十分紫外線対策、汗対策をおこなってレジャーを楽しみましょう。
シミ治療は照射施術だけではありません。レーザーなどを「攻めの施術」とするのであれば、夏の期間はピーリングによるターンオーバーの改善や内服薬・点滴など「守りのケア」によって美肌をキープすることも効果的です。
シミ治療と相性の良い施術や点滴を組み合わせる
ハイドラフェイシャル×イオン導入でターンオーバーの改善
ハイドラフェイシャルとは、美容液配合のジェット水流を利用した肌に優しいピーリング施術です。ピーリング・毛穴吸引・美容液導入を1度でおこなうことが可能となり、ターンオーバーによりメラニン排出を促します。
ハイドラフェイシャルは、イオン導入と好相性の施術です。ハイドラフェイシャルで肌の汚れを吸引後、イオン導入により美白製剤を肌の奥まで届けることでシミやくすみを改善へと導きます。
2週間〜1ヶ月に1回程度の施術と、内服薬・外用薬の併用により、紫外線に左右されない穏やかなシミ治療をおこなうことが可能です。
高濃度ビタミンC点滴でメラニン産生を抑制
高濃度ビタミンC点滴とは、防腐剤を含まないビタミンC(アスコルビン酸)を静脈内に直接注入する点滴療法です。経口摂取の場合、大量に摂取したとしても余剰分は尿として排泄されてしまいます。高濃度ビタミンC点滴はビタミンC血中濃度を約20〜40倍に上昇させ、血流とともに全身に行き渡ります。
ビタミンCの抗酸化作用により、メラニン産生の抑制やシミ改善、コラーゲン産生を促すとされ、若々しい健康的な肌へと導きます。
エクソソーム点滴で全身のエイジングケア
エクソソームとは、さまざまな幹細胞が分泌する直径30〜150nmほどの膜小胞です。生体内において細胞間の情報伝達の役割を担い、傷ついた細胞があることを幹細胞へ伝え、新しい細胞を目的の場所まで誘導するとされています。
エクソソーム点滴は、幹細胞培養時に大量に放出されたエクソソームを濃縮・精製した製剤です。エクソソーム以外に成長因子やサイトカインなどが豊富に含まれ、ターンオーバーの正常化・コラーゲン産生など全身のエイジングケアをおこない、くすみのない若々しい肌へ導くといわれています。
術後は徹底的に紫外線対策をおこなう
照射施術によるシミ治療の後は、徹底した紫外線対策が重要です。光治療やレーザー照射の後は、シミ悪化を防ぐためにも季節問わず日焼け止めクリームや日傘を使用しましょう。
シーンに合わせた数値の日焼け止めを使う
日焼け止めのパッケージには「SPF」「PA」「+」という表示があります。これらはUV-AとUV-Bから肌がどれほど守られるのかを数値化したものです。SPFはUV-B、PAはUV-A対する防止効果を示します。SPF20〜50と数値が大きいほど紫外線防止効果は高まり、50以上の場合は「50+」と表示され、野外活動に適した数値となります。
肌にあった日焼け止めの使用と丁寧な洗浄
紫外線防止効果の高い日焼け止めは肌に負担がかかる製品も少なくありません。敏感肌の方は穏やかな処方の日焼け止めを選びましょう。また、いくら数値の高い日焼け止めでも発汗や汗をぬぐうなどの摩擦などにより落ちてしまうため、効果は減弱します。日焼け止めはこまめな塗り直しと、肌トラブルを防ぐために丁寧な洗浄をおこなうことが大切です。
曇りや室内での”うっかり日焼け”に注意
照射施術後の肌はとてもデリケートです。曇りの日や窓ガラス越しの紫外線による「うっかり日焼け」によりシミ悪化を招くことも少なくありません。夏の照射施術のあとは徹底した紫外線対策をおこないましょう。
内服薬・外用薬を正しく使用する
夏のシミ対策のひとつとして内服薬と外用薬が挙げられます。おもな内服薬はトラネキサム酸・シナール・タチオンなどがあり、色素沈着の改善やビタミンCによるコラーゲン産生作用があります。
シミ治療に処方されるおもな外用薬はトレチノインとハイドロキノンがあり、いずれも夜のみの使用となります。日焼け止めの併用により日中の使用も可能とする医療機関も見られますが、トレチノイン・ハイドロキノンは紫外線の影響を強く受けるため使用法には注意が必要です。
また、当院で取り扱いのある医療専売スキンケア用品「ゼオスキン」のミラミンにはハイドロキノンが含まれており、朝・夜に使用が可能です。
摩擦を避けたスキンケアや保湿ケアをおこなう
レーザー治療の際、保護テープの指示を受けることもあります。医師の指示に従い使用しましょう。また照射施術後、カサブタが形成された場合は無理に剥がすと色素沈着を引き起こします。自然に剥離するまで刺激を与えないようにしてください。
洗顔などによる摩擦もシミの原因となります。とくに照射施術後の肌はバリア機能が低下するため、洗顔やスキンケア時の摩擦と保湿には注意が必要です。SRCでは皮膚回復にアプローチするメディカルコスメをご用意しております。照射施術後のホームケアについてもご相談ください。
夏と相性の良いシミ治療以外の美容施術
夏はシミだけでなく、汗や皮脂による美容悩みを抱える方も少なくありません。SRCでは暑い夏を快適に過ごすための施術メニューのご用意があります。
薄着の季節に気になる脇汗抑制に「ボツリヌス注射」
ボツリヌス製剤を脇の下に注射することで、神経伝達物質アセチルコリンの放出が抑制されます。汗腺受容体への信号を阻害するため、汗の過剰分泌を抑え、脇の汗染みや匂いを改善する施術です。注入から約3〜7日で効果が現れ始め、4〜6ヶ月程度の持続効果をもたらします。
アートメイクで汗をかいても美しい眉をキープ
アートメイクとは皮膚の浅い部位へ安全性の高い専用インクを注入する施術です。汗や皮脂などでも落ちることはなく、素顔でもナチュラルメイクをしているような仕上がりとなります。眉やアイライン、リップなどへの施術が可能であり、自眉のような自然な仕上がりが1〜3年ほど続きます。
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