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【前編】老化のメカニズムと顔貌変化について知る〜皮膚・皮下脂肪の老化〜

篠原秀勝

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篠原秀勝(しのはら ひでまさ)

加齢による皮下組織の変化

皮膚老化の原因は紫外線による外因性(光老化)と、加齢による内因性(自然老化)の2つに分けられます。昨今問題となっている大気汚染物質や、花粉症をはじめとするアレルギー症状による皮膚の持続的な炎症も老化を加速させる一因となります。表皮から皮下組織(脂肪層)まで影響を与える太陽光が引き起こす光老化は、UVケアを心がけることで、かなりの予防が可能です。

一方、自然老化は表皮・真皮・皮下脂肪・筋肉・靭帯・骨にいたるすべての衰えが原因であり、表面的なケアによる改善は非常に困難といえます。体内で生じる老化の原因は、大きく分けておもに3つです。酸化・糖化・炎症、体内で生じるこれらの劣化ストレスをどのくらい抑えられるかで、老化の進行と疾患の発症を制御できるかが、大きく変わります。

酸化とは、物質が電子を失う化学反応ですが、身近なところでは、鉄が経年変化でさびる様子や、食べ物を放置した際に色や風味が変わる現象としてよく知られています。この事から酸化は体内が『錆びる』現象であるとしばしば表現されます。

酸化が体内で生じる外的要因の主要な因子は紫外線ですが、放射線や大気汚染物質などでも生じます。また喫煙や酸化物質の摂取なども原因となりますが、問題となるのは、体内で自然発生する活性酸素も含めて、これらを処理する能力が維持できているかどうかです。

糖化とは、タンパク質に糖が結合する化学反応で、身近なところでは、あめ色玉ねぎのように料理がきつね色に変化する現象ですが、体内では『焦げる』現象であると表現されます。体内で生じるこの糖化タンパク質は最終的には【AGEs】と呼ばれる劣化タンパク質となり、それ自体も機能的な問題を生じますが、前述の活性酸素を産生したり、炎症反応を引き起こすことも問題です。

炎症とは怪我や皮膚のかぶれなど、一時的に赤みや腫れ、痛みなどを伴う状態で、だれしも経験しているものだと思います。炎症の多くは感染症やアレルギーなどが原因となる身体の防御反応の一部です。身体は・非自己・機能障害を起こした自己を排除しようとします。この生体防御反応システムはすなわち免疫システムであり、それにともなって生じる化学反応が『炎症』です。抗炎症を考える時に重要なのは炎症そのものや、それを生じる免疫への対処ではなく、炎症を生じる原因を排除することが根本的な対策となります。

皮膚老化が顕著となる40代以降は、表皮・真皮のさらに下にある組織を視野に入れた治療が必要です。前編では老化を引き起こす原因と、表皮・真皮・皮下脂肪の老性変化について解説します。

①皮膚老化のほとんどが太陽光による光老化

自然老化 光老化
見た目 小ジワ・乾燥・たるみ 小ジワ・深いシワ・たるみ・乾燥・色素沈着・キメの乱れ・毛細血管の消失と拡張
表皮層 新陳代謝速度の低下角層水分量の低下 表皮の肥厚化表皮細胞の変形
真皮層 菲薄化メラノサイトの減少コラーゲン線維の減少 エラスチン線維の変性コラーゲン線維の減少・変性

※菲薄化(ひはくか)とは皮膚が薄くなること

皮膚老化には外因性と内因性の2つがあり、そのうちの8割は太陽光が原因とされています。

太陽光の暴露により細胞の形態変化が生じると、皮膚表面(表皮)では色素沈着・シワ・乾燥、真皮や皮下組織ではコラーゲン(膠原線維)やエラスチン(弾性線維)の変化があらわれます。

光老化を病理学的に見ると角化細胞や表皮突起の変形、コラーゲン・エラスチンの構造劣化が認められます。こうした細胞の変化により、年齢を重ねた真皮はコラーゲン・エラスチン減少により菲薄化します。また、長期にわたり太陽光に晒された表皮は体を防御するため、厚みを増しゴワついた質感となります。

また、太陽光により毛細血管を維持するための受容体が減少し、同時に毛細血管を拡張する受容体が増加します。毛細血管の消失と拡張が一度に起こり、肌の色ムラの原因となります。

太陽光を原因とする皮膚老化は、年齢を問わず生じる変化です。硬くキメの不揃いな皮膚と不規則なシミや深いシワ、色ムラが光老化の特徴となります。

太陽光の種類と各皮膚層への影響

太陽光のスペクトルと各皮膚層への影響

太陽光は可視光線、文字通り『目に見える太陽光線』以外に、可視光の紫の領域の外側にある紫外線、赤の外側にある赤外線など波長によって区分されます。太陽光線は波長によって皮膚への深達度と影響が異なり、いずれも長時間の暴露には注意が必要です。

皮膚表面に炎症や赤みを引き起こす「UV-B」

UV-Bとは280〜320nmの短い波長をもつ紫外線です。波長は短いほど皮膚表面に強い影響を与えるという特徴があります。UV-Bに曝された皮膚は炎症や赤みなどを引き起こし(サンバーン)、メラノサイト刺激によりメラニン色素を大量に作り出します(サンタン)。

また、UV-Bは細胞核内にあるDNAを損傷する紫外線です。通常、損傷を受けたDNAは修復機構により損傷部の修復をおこないます。修復に失敗した場合は細胞そのものを除去しますが(アポトーシス)、ごく稀に変異細胞として生き残り、がん細胞となることもあります。

※アポトーシス:多細胞生物の体をより良い状態に保つために引き起こされる遺伝的にプログラムされた細胞の自死

肌の弾力低下を引き起こす「UV-A」

UV-Aとは320〜400nmの長い波長をもつ紫外線です。地表に届く紫外線のうち、約95%がUV-Aであり、真皮まで到達することでコラーゲン(膠原線維)やエラスチン(弾性繊維)を変性させます。

コラーゲンは真皮の約70%を占める物質であり、エラスチンは網目構造を3次元的に形成し、皮膚に弾力を与える物質です。UV-Aによる真皮の立体構造の変化は皮膚に深刻なシワやたるみを引き起こします。長期間UV-Aに曝された皮膚内部は、コラーゲンの変性やエラスチンの蓄積・架橋により固定され、硬くなってしまいます。

また、UV-Aは体内のさまざまな分子に吸収され活性酸素種を発生し、細胞に酸化的損傷を与える紫外線でもあります。

あらゆる肌老化の原因につながる「ブルーライト」

ブルーライトとは380〜500nmの波長をもつ、太陽光に含まれる可視光線のひとつです。パソコンやスマートフォンから発せられるブルーライトとくらべ、太陽光に含まれるブルーライトは非常にエネルギーが強い光線となります。ブルーライトは真皮まで到達し、コラーゲン・エラスチン生成をおこなう線維芽細胞にダメージを与え、シワやたるみを引き起こします。

また、近年の研究によりブルーライトの影響は線維芽細胞だけでなく、酸化ストレスの上昇や肌トラブルの原因となる過酸化脂質の増加にもつながることが分かっています。

毛細血管拡張症などあらゆる光老化を引き起こす「近赤外線」

近赤外線とは生体に対し、さまざまな作用をもたらす波長760〜3000nmの電磁波です。電気製品や通信機器など、非常に身近な電磁波といえます。地表で暴露される太陽光の近赤外線は760〜1800nmの波長とされ、長期間の照射により毛細血管拡張症や光線過敏症を引き起こします。

また、近赤外線はタンパク分解酵素を増加させ、皮下組織内にあるリガメント(支持靭帯)を分解します。脂肪細胞を支えるリガメントがほぐれ、細くなることで本来の位置から脂肪が下垂し、たるみが発生することで老けた印象を与えます。

②顔の脂肪分布と年齢による変化

顔の脂肪分布と加齢による変化

加齢による複合的な老化は40代以降、顕著に現れます。顔面骨の萎縮やリガメントの衰えにより脂肪が下垂すると、上顔面の脂肪は減少し骨の突出が目立つ老人性顔貌へと変化します。下顔面や顎下には下垂した脂肪により輪郭が四角くなり、二重顎が現れ、老けた印象を与えるでしょう。

美容医療において顔の脂肪はおもに、メーラーファットバッカルファットジョールファットに分けられます。以下では、加齢によって顔の脂肪の変化がどのような老化現象に影響するかを解説しています。

ほうれい線の原因となる「メーラーファット」

メーラーファットとは頬骨周囲に存在する脂肪です。メーラーファットが過剰にあり下垂することで、ほうれい線が目立つ原因にもなります。

ブルドッグ顔貌の原因となる「バッカルファット」

バッカルファットとは頬の内側、深部にある脂肪の塊です。加齢により下垂することで、ブルドッグ顔貌ともいわれるフェイスラインとなります。一方、バッカルファット除去の適応の見極めを誤ることで頬コケが生じるケースもあるため、安易な手術には注意が必要です。

口元のもたつきの原因となる「ジョールファット」

ジョールファットとは、口横から口角下にかけて位置する脂肪です。ジョールファットは加齢にともない増える脂肪であり、口元がもたつき老けた印象を与えます。一方、ジョールファット周囲には重要な神経が走行するため、慎重な手術が求められます。

脂肪減少・下垂によるエイジングサイン

フェイスラインの崩れ・もたつき

30代に差し掛かると、弾力性物質が減少することで真皮層が薄くなり、筋膜やリガメントが緩みはじめることで、シワやゴルゴ線が目立ち始めます。

中綿がへたったクッションのように皮膚は弛み、フェイスラインの脂肪が下垂するため、頬や口元にもたつきを感じることも少なくありません。以前とくらべ輪郭が四角くなったと感じる場合、肌老化が進行しているといえるでしょう。

こめかみや頬のコケ・ボリューム不足

40代に差し掛かると真皮や筋膜、リガメントの衰えとともに顔面骨の萎縮が顕著となります。こめかみや目周り、頬周囲の骨に凹みが生じ、支えを失った上顔面の脂肪は下顔面へと下垂します。若々しさを保つために必要な部位の脂肪は減少し、不要な部位へ脂肪が溜まることで、下瞼のたるみや頬コケ、ほうれい線などのエイジングサインが深刻化するでしょう。

加齢とともに皮膚老化の原因は複雑になります。骨萎縮による脂肪の下垂に対しては、照射施術のみでの改善は困難です。この場合は、骨膜上へヒアルロン酸注入をおこない、萎縮部位の補填をする施術が推奨されます。

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