当院で取り扱いのあるLFLリフトの種類と治療目的
当院で取り扱いのある糸リフトは、韓国の医療機器メーカーGRAND AESPIO (グランドエスピオ)社が開発した「Lead Fine Lift(LFL)」シリーズです。
この中から厳選したBASIC・Anchor plus・Bi Needle(Anchor DX double)・Anchor Xは、いずれも体内吸収性の糸リフトとなります。ハリ改善から深刻なたるみ治療まで適応するLFLシリーズは、肌なじみに優れ、自然なリフトアップはもちろん、長期的なタイトニングや美肌効果をもたらします。
Lead Fine Lift の素材は「PDO」と「PCL」
LFLシリーズに使用される素材は、PDO(ポリジオキサノン)とPCL(ポリカプロラクトン)です。いずれも体内吸収タイプであり、外科手術にも使用される安全性の高い医療素材となります。糸の形状により効果や持続期間は異なりますが、肌との馴染みがよく優れたリフトアップとエイジングケア効果をもたらします。
タイトニング効果の高い「PDO」
PDO(ポリジオキサノン)は、糸リフト施術に使用される代表的な素材です。アレルギーや副作用のリスクが非常に低く、外科手術においても活用されています。また、PDOは他の糸リフト素材と比較し、中程度の柔らかさです。
PDOの特長として、脂肪萎縮作用が挙げられます。優れたタイトニング効果をもたらすと同時に、コラーゲン誘発により体内吸収後も長期的な美肌効果に期待がもてる糸リフト素材です。
皮膚に長く留まる「PCL」
PCL(ポリカプロラクトン)は、FDA(米国食品医薬品局)から安全性を認められた医療素材です。PDOよりも柔軟性に優れ、口元や目元など動きの多いパーツのリフトアップに適しています。
PCLはPDOやPLA(ポリ乳酸)と比較し、張力が高く糸が切れにくい素材です。異物感や引きつれが非常に少なく、自然なリフトアップを目指すことができます。吸収性でありながら、2〜3年という長期的な持続効果を持つこともPCLの特長です。
Lead Fine Lift により期待できる2つの作用
①リフトアップ作用メカニズム
アンカーXやアンカープラスなど、ロングタイプの糸リフトは突起や棘状の返しのついた糸を皮下へ挿入し、組織を引っかけながら下垂した皮膚+脂肪を引き上げることで、たるみを物理的に引き上げます。
②創傷治癒作用のメカニズム
糸リフトのエイジングケア効果は糸による組織の引き上げだけでなく、ニードリング(針)による「創傷治癒作用」も大きく関与します。創傷治癒作用とは傷を治そうとする自然治癒力のことで、コラーゲン産生の促進による肌の弾力向上等の効果が期待できます。
1.ニードリングによる炎症
専用のニードル(針)によって最小限の針孔から糸を挿入すると、皮膚組織が炎症反応を引き起こします。炎症反応は、好中球やマクロファージがダメージを受けた組織や細胞を貪食して除去する、創傷治癒の第一段階です。この過程では血管新生・成長因子(TGF-β・TGF-α・PDGF・CTGF等)やコラーゲンの誘発・細胞外マトリックス※の再構築などの現象が繰り返し進行し、新しい皮膚組織を形成します。
また、糸リフトの中でも多くの刺入を必要とするショートスレッド(当院においてはLFL BASIC)は、真皮を刺激する美容鍼の役割も果たすとされています。
※細胞外マトリックス:細胞の外側に存在する複雑なネットワークで、組織の構造を支えたり、細胞間のコミュニケーションを促進したりする役割を果たす物質(コラーゲン・エラスチンなど)。
2.線維芽細胞の活性・組織の形成
ニードリングによる受傷後、約48〜72時間で炎症部位に線維芽細胞が現れます。線維芽細胞により細胞増殖因子の分泌と細胞外マトリックス(コラーゲン・エラスチン・プロテオグリカン等)の再構築がおこなわれます。とくにコラーゲンⅢが大量に産生されることが創傷治癒過程の特徴です。
これらのプロセスの中で毛細血管が新生され、受傷組織への栄養供給が向上します。新しい組織がすみやかに形成され、皮膚の生まれ変わりを促進します。
3.組織の再構築による美容効果
受傷した皮膚はコラゲナーゼ(コラーゲン分解酵素)により、コラーゲンⅠを分解します。組織を再構築する過程でコラーゲンⅢが大量に産生され、コラーゲンⅢは成熟するとともに皮膚の主要コラーゲンⅠへと置き換わります。やがてコラーゲン同士が集まって強固に結合した弾力性のあるコラーゲンとなり、組織の再構築を目指します。
これらの創傷治癒を利用した細胞反応メカニズムは、加齢により衰えた真皮に厚みと弾力をもたせ若々しい肌へと導きます。
当院で取り扱いのあるLead Fine Liftは4種類
Lead Fine Lift BASIC
リードファインリフトベーシックとは、PDO素材の体内吸収タイプショートスレッドです。真皮層へ挿入することで針刺激と極細の吸収糸がコラーゲンを誘発し、小ジワやハリ感を改善へと導きます。
特殊な2段針設計の極細針を使用しており、挿入時の負担を最小限に抑えた施術が可能です。目元や口元など皮膚の薄い部位への施術や、口横のポニョのように部分的なたるみ改善に適しています。
施術後のダウンタイムは非常に少なく、針孔が目立つことはほとんどありません。また、レーザー治療や注入施術との組み合わせにより、相乗効果が期待できます。
リードファインリフトベーシックは2〜3週間の間隔で、2〜3回の施術が推奨されています。体内吸収は6〜8ヶ月と短期間である一方、推奨回数を受けることで持続期間は約2年になるといわれています。
素材 | PDO(ポリジオキサノン) |
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特徴 | 吸収性・ダウンタイムの少ないショートスレッドタイプ・ニードリングによる創傷治癒作用 |
持続期間 | 体内吸収は6〜8ヶ月※連続した2〜3回の施術で2年間の持続効果 |
メリット | 傷跡が残らない・即時効果と持続性・適応部位が広い・目元や口元などの部分的な施術も可能・脂肪萎縮作用・コラーゲン誘発による長期的な美肌効果 |
Anchor plus
アンカープラスとはPDO素材のロングタイプの吸収糸です。非加熱処理とプレススカルプト法という特殊な製造方法により糸を強化し、表情筋の複雑な動きにも切れにくく、柔軟に連動します。
アンカープラスの形状は全長185mmの糸に2つの連続したコグと、全体の固定力を維持するための小さなホーン(突起)がついています。強力に皮下組織をつかみ、安定的なリフトアップを目指す糸リフトです。
アンカープラスの持続効果は6ヶ月〜1年とされています。PDO特有の脂肪萎縮作用により、リフトアップだけでなく優れたタイトニング効果をもたらします。
素材 | PDO(ポリジオキサノン) |
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特徴 | 吸収性・2つの連続したコグとホーンによる固定力・非加熱処理およびプレススカルプト製法により糸の強度が高い |
持続期間 | 6ヶ月〜1年 |
メリット | 即時効果・強力で安定的なリフトアップ力・脂肪萎縮作用によるタイトニング・コラーゲン誘発による美肌効果 |
Bi Needle (Anchor DX double)
バイニードル(アンカーDXダブル)は、PCL素材のロングタイプ吸収糸です。2つのコグが連なり、2方向へ柔軟に組織を引き上げ、長期的なリフトアップ効果をもたらします。PCL素材のため、柔軟性に優れているのがバイニードルの特徴です。顔の輪郭に合わせて曲線状に挿入が可能であり、術後の異物感もほとんどありません。
バイニードルは従来の糸リフトの形状と異なり両端に針が装着されており、Suzuki式という施術方法で使用されます。両端に針がついた30cmの長い糸であるため、広範囲への施術が可能です。また、特殊加工されたバイニードルは張力・持続力が高く、約1年のリフトアップ持続効果があるとされています。
素材 | PCL(ポリカプロラクトン) |
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特徴 | 糸の両端に針が装着された長い糸・Suzuki式による施術方法・2つのゴグが連なり2方向への引き上げが可能 |
持続期間 | 約1年 |
メリット | 広範囲のリフトアップ・長期的なリフトアップ効果およびコラーゲン誘発の持続 |
Anchor X
アンカーXとはPDO素材のロングタイプ吸収糸です。LFLシリーズの中の最新糸リフトであり、アンカリングコグとリフティングコグがX型に設計され、その間にホーンと呼ばれる突起が装着されています。
精密に配置された各アンカーが組織を強力につかみ、優れたリフトアップとコラーゲン誘発をもたらす糸リフトです。挿入カニューレ(針)は電解研磨による超薄型タイプのため、挿入時の痛みが少なく、スムーズな施術と皮膚負担の軽減を実現しました。
素材 | PDO(ポリジオキサノン) |
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特徴 | 強力なリフトアップを実現するアンカリングコグとリフティングコグのX型設計・ホーンによるコラーゲン誘発・電解研磨による超薄型カニューレ |
持続期間 | 約1年 |
メリット | 優れたリフトアップ力とコラーゲン誘発・挿入時の皮膚負担の軽減 |
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