【製剤編】私が「コアトックス」を使う理由〜次世代ボツリヌストキシン注射

私が「コアトックス」を使う理由
「効かなくなる」現象の背景にあるもの
ボトックスなどのボツリヌストキシン注射を受けたことのある方なら、
「打ち続けると効かなくなることがある」という話を一度は耳にされたことがあるかもしれません。
その現象の背景にあるのが、抗体という存在です。
抗体とは?
長期的にボツリヌストキシン治療を続けるうえで、ぜひ知っておいていただきたいのが**「抗体」**という存在です。
抗体とは、体が「これは異物だ」と判断したときに作られる“防御の記憶”のようなもの。
一度抗体ができると、次に同じ成分が体内に入った際、それをブロックしてしまい、薬の効果が弱まったり、まったく効かなくなることがあります。
体内に“侵入者”が入ると免疫が働き、その相手を記憶して次回から攻撃する――。
ウイルスだけでなく、ボツリヌストキシン製剤に含まれる“不要なタンパク質”に対しても、同じような反応が起こり得ます。
この「余分なタンパク質」が多い製剤では、体がそれを異物と認識し、抗体を作ってしまうことがあります。
そして一度抗体ができてしまうと、次に注射をしてもボツリヌストキシンが働く前に“無効化”されてしまう可能性があります。
まるで、鍵をかけようとしても鍵穴そのものがふさがってしまったような状態です。
コアトックスとは?
**コアトックス(CORETOX)**は、韓国のバイオ医薬品メーカー「メディトックス社」が開発した最新のA型ボツリヌストキシン製剤です。
従来のボツリヌストキシン製剤には、「複合タンパク質」と呼ばれる不要な付着物が含まれていました。
人体への直接的な害はありませんが、繰り返し使用するうちに体がそれを“異物”と判断し、抗体を作り出してしまうことがありました。
その結果、効果が徐々に弱まったり、まったく効かなくなるケースも少なくありませんでした。
コアトックスは、この不要なタンパク質を**徹底的に除去した「精製型製剤」**です。
そのため、抗体ができにくく、長期的に安定した効果を維持できるという大きな特徴を持ちます。
さらに、国際基準(GMP)に準拠した製造プロセスのもと、高い純度と安定性が確保されており、
韓国国内のみならず、ヨーロッパでも安全性・信頼性が高く評価されています。
他の代表的製剤との比較
| 製剤名 | 製造国 | タンパク質構造 | 抗体形成リスク | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ボトックスビスタ | 米国 | 複合タンパク質を含む | やや高い | 厚労省承認。信頼性高いが、抗体形成の可能性あり。 |
| ゼオミン | ドイツ | 精製型(不要タンパク質除去) | 低い | 自然な仕上がり。抗体ができにくい。 |
| コアトックス(韓国製) | 韓国 | 精製型(不要タンパク質完全除去) | 非常に低い | 抗体形成リスクが極めて低く、持続性・自然さ・コストのバランスが良い。 |
コアトックスは、ゼオミンと同じ精製型製剤に分類されますが、
より新しい製造技術を採用しており、純度・安定性・再現性の高さが特徴です。
まさに、長期的なボツリヌストキシン治療を見据えた“次世代型製剤”といえます。
ボツリヌストキシンが「効かない」理由は抗体だけではない
ボツリヌストキシン製剤は、実は非常に繊細な薬剤です。
「効かない」「以前より効きが弱い」と感じる場合、その原因は抗体だけではありません。
大きく分けて、管理・製剤・設計の3つの要素が関係します。
管理と希釈の問題
ボツリヌストキシンは適切な濃度と環境管理のもとで初めて本来の効果を発揮します。
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希釈のバランス
濃度が薄すぎると十分な効果が得られず、逆に拡散しすぎて想定外の筋肉に作用してしまうことがあります。
コアトックスは粒子の均一性が非常に高く、この“ブレ”が起こりにくい構造をしています。 -
保存条件の影響
温度や振動、光などの環境条件により、薬剤の有効性は容易に失われます。
また、溶解後の時間経過でも失活が進むため、当院では溶解後24時間以内に破棄しています。 -
製品の品質・輸送管理
分子構造が不安定な製剤では、運搬中の温度変化で効果が損なわれることも。
コアトックスは分子構造が非常に安定しており、品質のバラつきが少ないのも特長です。
もちろん、正規ルートからの仕入れ・温度管理された輸送体制も欠かせません。 -
治療後の注意点
施術後すぐに高温施術(HIFUやRFなど)を受けた場合、ボツリヌストキシンが分解され効果が落ちることもあります。
適切な治療間隔の設計とアフターケアが重要です。
設計(打ち方)の精度
もう一つの大きな要因は、注入設計の精度です。
ボツリヌストキシンの効果は、単に「打つ位置」ではなく、筋肉の動きのベクトルや深さに大きく左右されます。
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筋肉の動きの方向を読む
眉間や額などは、筋肉が複雑に交差しています。
たとえば、一本のロープのように見えても、実際は複数の層が重なって動いているイメージです。
その「動きのベクトル」を正確に見極め、最適な角度と深さで注入する必要があります。 -
筋肉量と単位の設計
筋肉の厚みや活動量には個人差があります。
そのため、**一人ひとりに合わせた単位設定(用量調整)**が欠かせません。
過少だと効果不足に、過多だと不自然な表情になるリスクが高まります。
これらは単なる技術ではなく、**解剖学的知識と経験に基づいた「設計医療」**です。
コアトックスの安定した粒子と再現性の高さは、この精密な設計を最大限に活かすための重要な要素といえます。
まとめ ― 効果を生む3つの条件
ボツリヌストキシン治療の真価は、
正しい管理・安定した製剤・正確な設計――この3つが揃って初めて発揮されます。
抗体ができにくいだけでなく、品質・管理・技術すべてが安定していること。
それが、長く信頼して続けられる治療の条件です。
私はそのすべてを満たす製剤として、コアトックスだけを選び続けています。
経験者へのメッセージ
すでにボツリヌストキシン治療を受けたことのある方ほど、
「効く」「効かない」の違いを実感されているのではないでしょうか。
同じ“ボツリヌストキシン注射”であっても、製剤の純度や管理の仕方、注入設計によって、効果の質も未来の結果も変わります。
中身と工程の違いが、将来の肌の違いを生む。
それを理解して選ぶことが、長く安心して美しさを保つための第一歩です。
「今」だけでなく、「これから先の10年」を見据えた選択を――。
それが、私のボツリヌストキシン治療における哲学です。
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