【水光プラス】水光注射の真髄を見た
お陰様で2013年度日本国内症例数No1をいただいた水光プラス。今年もバリバリ活躍しております。一般的には水光プラスは3~4週間に一度の治療を3回1クールとして行い、その後は2,3か月おきにンテナンスを行う事が推奨されています。当院でも、初めの3回の治療は短い間隔で受けて頂き、その後は少し間隔をあける様にして治療を継続して頂くことが多いです。
とある患者さんの事です。
3回治療をしたら、通常少し間隔をあけるところを、その方は間隔をあけることなく毎月続けられていました。韓国では毎月続ける方も多いようですが、日本ではなかなか毎月コンスタントにというのは実際難しい面があります。しかし、その患者さんは律儀に毎月治療を継続されています。
多くの患者さんを経験させて頂いたことで、発見したことは少なくありません。何事にもメリットがあればデメリットがある、これは水光プラスもまた然りということ。毎月続けることで、肌の良い状態がずっとキープ出来るわけですが、何がしかのデメリットもあるかもしれません。水光プラスの売りは【合併症の少ない手軽さ】ですから、もっとも懸念されるのは治療を継続し続けた時には、合併症の発生率が上がるかもしれないということです。
水光プラスで使用するヒアルロン酸は、架橋という化学的加工が加えられていない水の様に柔らかいヒアルロン酸です。いくつかのメーカーのものを使用していますが、いずれも3,4週間程度で完全に吸収されてしまいます。ヒアルロン酸は治療の度に吸収されてしまうわけですが、毎月の様に繰り返し注入していると体内で吸収されるスピードが遅くなる、つまり持ちが多少良くなる、効果が延長することが知られています。つまり、毎月続けた場合には、前回のヒアルロン酸がまだ残っているという状況で追加注入することになる可能性が高まるわけです。
どんどんヒアルロン酸が入れば、ふっくら、しっとり、もっちりといった好ましい状態がずっとキープでき、より良くなることも期待できる訳ですが、ヒアルロン酸がまだ残っている状況で、さらに追加を続けるとヒアルロン酸が過剰に、多く入り過ぎてしまうかもしれません。量の多いヒアルロン酸は結果として直後の膨疹(肌表面の凸凹)を長引かせてしまう、本来当日には落ち着くはずのじんま疹の様な皮膚のデコボコも延長してしまう、そういった懸念があるのです。
ですから、3回を超えて以降、毎月継続する場合は内出血や凸凹が長引かなかったかどうか都度確認しながら継続していきます。この患者さんは回ごとに少しずつ、毛穴が引き締まり、ハリが出ていることを感じられていましたし、僕もその変化を観察していましたが、それは10回目での出来事でした。明らかに治療を始める前と肌が違うのです。classというグループの名曲の一節の如く、それは完全に、まるで別人のプロポーション、否、別人の肌です。
いや、別人という表現は適切ではなさそうです。明らかに肌が若返っています。その方はもともと皮膚が薄いタイプで、糸くず状の毛細血管がところどころに散らばっており、肝斑の様な淡い色素沈着もぼんやりと、点々と存在していました。もちろん年齢や日焼けによるシミもポチポチありましたが、それらの加齢性変化がことごとく目立たなくなりました。この変化は明らかであり、患者さん本人も大変満足されています。
水光注射のコンセプトは手軽さ、即効性の保湿、そして栄養成分などによるカクテルの効果による若返りなのですが、今回の経過を見るとフラクショナルニードルセラピーの恩恵も少なからず、改善に寄与しているものと想像されました。すなわち、水光プラスではヒアルや栄養成分による若返り効果のみならず、片頬で90shot前後、つまり約450ヵ所前後に針を刺すわけですので、その針孔の微細な傷が創傷治癒、つまり傷が回復・再生する効果も少なからず改善に影響しているものと考えられます。
これは、エコツーやダーマペンなどにも共通していますが、傷をつければ、その細胞は破壊されます。古くなった細胞を物理的に破壊する=傷が治る=新しい新品の肌に再生する。そのような創傷治癒の効果もプラスされること、またその傷が再生しようという時にヒアルと共に大量の栄養成分が傷の周辺、まさしく【現場】に大量に存在していること、これらの複合的な効果で驚くべき治療成果を発揮するのだと、その水光プラスの真髄を目の当たりにしました。
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