こんにちは、森大です！

細菌は腸活とか、腸内細菌なんて言葉をよく耳にするようになりました。
当院でも美肌菌を利用した化粧品や、院長と私の監修で作った腸活サプリメントを販売しております。

とはいえこの腸内細菌。
知っているようでよく知らないというのが実情かと。

私は美容と健康のトピックとして今後発展していくと予測します。
今回は「腸内細菌と私たち人間の関わり」についてお届けいたします！

腸内細菌と私たち

腸内細菌という言葉は特に目新しくもなく「腸の中にはたくさん菌がいる」ということを皆さんご存知かと思います。しかしそんな中で僕たちはその菌たちが何をしているのかよく知りませんし、興味を持つことすら無いかもしれません。

しかし、考えてみると不思議なのです。
僕たちの喉に風邪のウィルスや細菌が付着すると免疫がそれを攻撃します。なのになぜか、腸の中には大量の細菌が棲みついています。あたかも、人間の体がそれを受け入れると決めているかのようです。

厳密に言えば、腸の中というのは僕たちの体の外です。(ややこしい笑)
僕たちの体は１つの筒のようになっていて、筒の入り口が口、出口がお尻なのです。

筒の外側が皮膚で、内側が腸管と考えて頂ければ大丈夫です。
腸管内には100兆個もの細菌が棲んでいると言われており、近年腸内細菌に関する研究が進んでいろいろなことが分かってきました。

腸内細菌に関する研究結果

今回は腸内細菌に関する研究結果を１つご紹介します。

2013年、米国セントルイスにあるワシントン大学のジェフリー・ゴードン博士らのチームが「腸内細菌叢が肥満に影響する」という研究を米国の世界的科学雑誌サイエンス（Science）に報告しました。

一卵性双生児はDNAがほぼ一致し、生活環境や食事環境も似通っています。みなさんの周りにも双子の方はいらっしゃると思うのですが、大体の場合は体型も近いと思われます。しかし、中には一方が瘦せていてもう一方が肥満体型の双子もいます。つまり、本人たちのDNAによらず体型が異なるため、なにか体質以外に原因があると思われるのです。

「腸内細菌の種類が原因では？」という仮定のもと、この２人(実際には４組８人が対象)の便をマウスに摂取させ、体重の変化を追いました。するとなんと、肥満の方の便を移植したマウスでは体重増加と脂肪量増加が起こりました。もちろん食事量や運動量を同等にしています。

この結果を持って、腸内細菌の種類が肥満に影響するということが証明されたのです。
私たちは思っていた以上に、目に見えないほど小さい腸内細菌たちから影響を受けています。

腸内細菌と共に生きる

ほんの100年ほど昔、私たちの数代前。
現代の病である肥満、アレルギー、うつの割合はずっと少なかったそうです。

先ほどの例のように、食生活と腸内細菌の変化がこれらの原因になっていることが分かってきました。私が現在知るだけでもたくさんの研究結果があり、非常に興味深いものばかりです。

これまで医療のターゲットは人間の身体自体であり、細菌は敵でしかありませんでした。しかしここにきてその見方は少しずつ変化してきています。今後私たちの健康や美容、精神面の安定のために腸内細菌をターゲットとした治療が発展することが予測されます。

僕たちが海外旅行に行った時、普段見ることのない景色や文化がそこに拡がっています。医療もそのようなタイミングにあるのかもしれません。

まとめ

私たちは腸内細菌とともに生きています。

腸内細菌については数々の研究が進行中であり、今後私たちの健康や美容に大きく関わっていくでしょう。

私たちの身体は思った以上に腸内細菌の影響を受けている。
また、その腸内細菌は食事内容によって変化します。

今後も折に触れて研究の結果などをお伝えしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。それではまた別の記事で！