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【顔のたるみ】の原因と新しい解消法

篠原秀勝

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篠原秀勝(しのはら ひでまさ)

図2たるみ

こちらのページにも詳しく原因やメカニズムが記載されていますが、たるみの原因はどこにあって、どうするのが効果的なのか。新たな見解も加えてまとめてみようと思います。

①皮膚の弛緩

皮膚自体が緩んで、伸びてしまう、このことが最大の要因だと僕は考えています。皮膚はゴムの様に伸び縮みする組織です。全身を覆う人体最大の臓器でウィルスや病原菌、アレルギー物質や有害な化学物質から身を守る防衛線としての機能が最も重要で、排泄・分泌を行うことがその次に大切な機能となります。触覚や表情、体温調節など多くの役割を担っていますが、防衛線としての機能は、実は分泌・排泄機能があるからこそ、成り立っているので、そちらのほうがむしろ重要と言えるかもしれません。常在菌、マイクロバイオームに関する知見も広がり、この点もすごく興味深いトピックスなのですが、別の機会に詳しく解説します。

とりあえず、若い人の皮膚が弾力がありハリがあるのはコラーゲンなどの繊維組織が多く、その質が良いためです。いうなれば若い皮膚は新品のゴムであり、ハリがなくなるというのは、その逆で伸びきったゴムということになります。なんとも、嫌な感じですが手遅れというのは絶対にありません。コラーゲンなどの繊維組織を再生させるための手段はどんどん新しく増えてきています。のちほど、詳細に触れます。

②皮下脂肪の増加、移動、委縮

皮膚自体が、たるみにとってもっとも重要な要素ですが、皮下脂肪もたるみを目立たせる要因の一つです。ほうれいせん、マリオネットライン、ゴルゴライン、これらを気にする方は、いずれも皮膚の弛緩がありますが、皮下脂肪が増加したり、移動したり、拘縮したりしていることも関係しています。

③筋肉、表情筋の弛緩、拘縮

皮下脂肪の下には筋肉があります。顔の場合、表情筋と言う薄い特殊な筋肉がメインですが、筋肉の変化によってもたるみが出現します。中年おじさんの、ぽっこりビール腹を想像していただければ、分かりやすいと思いますが、ポッコリお腹の中身すべてが皮下脂肪ではないですね。僕自身のポッコリお腹には夢と希望が詰まっているとお話しますが、実際お腹の皮下脂肪は一定の厚みで、多くは内臓と内臓脂肪です。腹筋、腹斜筋という内臓を包み込む筋肉がゆるむため、腹圧と言う内臓の圧力に負けポッコリ出てきてしまうのです。腹筋を鍛えればポッコリお腹を凹ませることは可能です。同様に顔の筋肉の弛緩も、引き締めることでたるみをリフトアップすることができるのです。そうしたら顔のエクササイズ、変顔体操などすれば腹筋運動と同じように顔の筋肉を引き締められると期待したいところなのですが、エクササイズではあまり効果は望めません。腹筋などの骨格筋と異なり、顔の筋肉は簡単に鍛えられる種類の筋肉ではないからです。

上の図はレーザーや光、高周波・RF、HIFUなどの治療機器の効果を模式的に表しています。単純にどのくらい深くまで入るかと言うイメージ図です。①皮膚の弛緩に対してアプローチする場合、いずれの治療も効果が期待できるのですが、高周波・RFとHIFUはより深く入る様子が分かると思います。これが当院一押しのエンディメッドプロマルチであり、ウルトラフォーマー3になります。②皮下脂肪や③筋肉(筋膜)へのアプローチが可能なのは唯一ウルトラフォーマー3になります。

治療前後 1M 文字あり

ウルトラフォーマー3の症例ですが、深い部分のアプローチで小顔効果が良く出ています。

冒頭でも述べましたように、たるみの治療を考える場合、皮膚自体へのアプローチが最も重要だと僕は考えています。ですので、マシンに関して言えばエンディメッドプロマルチ、あるいはウルトラフォーマー3が現時点でもっともお勧めの機種になります。たるみ治療の元祖サーマクール、元祖HIFUのウルセラも良い機種だと思いますが、僕たちはエンディメッドプロマルチ、そしてウルトラフォーマー3を採用しました。現時点でこの2機種はそれぞれの分野で最良の結果を出せるトップの機種だと考えています。

実際に古い機種と比較して、スペック的に効率や出力が優れているという事実以外に、使用し、施術を体験し、その後の変化を感じ、知ってからこれらのマシンの購入、導入することを選択しています。もちろん、いずれこれらを超えてくるマシンが市場に登場すると思います。その時にはそのマシンを導入します。現時点では提供すべき最高ともいえる品質(治療効果や痛みの無さ)がこの2つの機種だと確信しています。

繰り返しになりますが、最も重要なのは皮膚の繊維組織を増やすことです。この時に肝になるのが繊維芽細胞です。繊維芽細胞はコラーゲンなどの繊維組織の工場です。この細胞へどう働きかけるか、様々な方法が今は選択可能です。マシン治療が大きな効果を発揮しますが、意外なところで効果的なものの一つはヒアルロン酸注入です。ビスタシェイプなどでヒアルロン酸を定期的に続けていると、ヒアルロン酸の吸収が遅くなってくる、持ちがよくなる印象をしばしば感じます。これはヒアルロン酸注入後に自己繊維組織が増加している、すなわち、ヒアルロン酸治療自体が繊維芽細胞に働きかけ、繊維組織を増加させている可能性を示唆しています(ヒアルロン酸直接の作用と言うより、皮下剥離や穿刺による創傷治癒に起因するものでは、とご指摘があるかとも思いますが、天然のヒアルロニダーゼによりフィラーが分解される過程に自己組織を増殖させる何かがあるように考えています)。

最近もっともあつい、期待が高い選択肢として注目を集めているのが再生医療です。再生医療と一言でいっても様々なアプローチがあり、繊維芽細胞を活性化させるためのサイトカイン療法や、繊維芽細胞そのものを培養し皮膚に注入する方法もあります。

美Stサイトカイン療法記事

数年前再生医療として広く行われた方法にPRP療法があります。血小板に含まれるサイトカインを利用する方法で、採血後すぐに実施(当日治療可能)なメリットはありましたが、治療効果に個人差が大きく、人工の繊維芽細胞増殖因子を混注したケースでは有害事象も散見されたこともあり、現在はほとんど行われなくなりました。サイトカイン療法、繊維芽細胞を培養する方法、これらは専用の研究所に細胞を送り、そこでの培養や精製といった複雑な行程が必要であり、準備期間に1か月以上の時間を要するという手間もあり、お手軽ではないですが、その分従来法と比べ、安全性は担保されつつ、有効性、効果の高い治療となっています。

マシン治療、そこにヒアルロン酸や再生医療を組み合わせる、マリアージュ治療、今後益々治療は多様化し効果が高くなっていきます。ほんとうに古典的外科治療は、今後必要なくなるのであろうと感じています。

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