ダーマペン4はダウンタイムの短い美肌治療として人気の高い美容医療メニューです。一方、ダーマペン4と併用可能な薬剤は多種多様にあり、クリニックオリジナルの施術名として表記するケースも少なくありません。これらのことから、どの薬剤を選ぶべきか迷ってしまう方も多いでしょう。

今回はダーマペン4に組み合わせるおもな薬剤の特長と、期待できる効果について解説します。

ダーマペン4に薬剤塗布を組み合わせるメリット

ダーマペン4とは16本の極細針(34G)がついているペン型の医療機器です。皮膚0.2〜3ミリまで1秒間に1920個の微細な穴を開けることで線維芽細胞を刺激し、コラーゲン・エラスチン産生を促進する自己治癒力を利用する施術とされます。ダーマペン4単体でももちろん効果は得られますが、肌症状にあわせた薬剤を同時に使用することで、より高い美肌治療をおこなうことができます。

ダーマペン4の効果を実感するための施術回数

ダーマペン4による肌のハリや毛穴の改善は、治療の回数を重ねるほど実感しやすくなり、もちろん1回目の治療で実感される方も少なくありません。しかし、自己治癒力を利用した肌の入れ替え・再生治療であることから、月に一度のペースで肌の入れ替えを行うことで若々しく健康な肌へと導きます。

ご自身の効果の実感、あるいは写真上の改善が確認できるようになるのは3～5回ほどのケースが多いため、そのくらいの回数は治療を受けて頂くことをお勧めしています。治療回数に制限はありませんから、継続的な治療がエイジングケアとして効果的です。

ダーマペンと併用できる薬剤の特徴

アムニオジェニックス

主成分：ヒト胎盤由来(乾燥羊膜/絨毛膜)

アムニオジェニックスはヒト胎盤由来の乾燥羊膜と絨毛膜を主成分とした、米国MiMedx社開発・FDA(米国食品医薬品局)承認の美肌薬剤です。

卵膜(羊膜と絨毛膜)とは、妊娠時に羊水で満たされ胎児が浮かぶ袋のことです。羊膜や絨毛膜には多くの成長因子や低分子タンパク質であるサイトカイン、コラーゲンやラミン(巨大タンパク質)など285種類もの成分が含まれています。なお、羊膜には血管成分が含まれず、拒絶反応などのアレルギーリスクはほとんどありません。

アムニオジェニックスはダーマペン4と併用することにより、コラーゲンやエラスチンなど皮膚弾性物質の産生を活性化させ、クレーター状ニキビ跡の治癒や総合的なエイジングケアが可能とされています。ダーマペン4とアムニオジェニックスの組み合わせは、これまでピーリングやレーザーによるニキビ跡治療で効果を感じられなかった方に適した治療法です。

※アムニオジェニックスを使用の際は献血をおこなうことができません

施術後の赤み：★★★★★

期待できる効果・改善を目指せる悩み

• クレーター状ニキビ跡
• ミニスカー(深く大きな毛穴状ニキビ跡)
• シワ
• しみ
• 軽度のたるみ

エクソソーム

主成分：ヒト脂肪幹細胞培養液

エクソソームとは細胞間情報伝達分子と呼ばれ、体内において細胞同士のコミュニケーションツールとしての働きをもちます。

薬剤としてのエクソソームは凍結乾燥エクソソーム・成長因子・ペプチド・コエンザイム・アミノ酸・ミネラル・ビタミン等が配合された美肌薬剤です。メーカーによる臨床試験ではコラーゲン産生が最大6倍、エラスチン産生が最大3倍、細胞増殖が最大80％になったといわれています。

これらのことから、ダーマペン4とエクソソームを併用することにより、自己治癒力とターンオーバーをより促進することが可能といえるでしょう。なおエクソソームは炎症を抑える働きがあることから、アトピー性皮膚炎による色素沈着にも、とても有効な薬剤とされています。

施術後の赤み：★★★★☆

期待できる効果・改善を目指せる悩み

• ニキビ跡による色素沈着
• クレーター状ニキビ跡
• ミニスカー(深く大きな毛穴状ニキビ跡)
• アトピー性皮膚炎(アトピー性皮膚炎後の色素沈着）
• 小ジワ
• 軽微なたるみ

スネコス

主成分：6種のアミノ酸(非架橋のヒアルロン酸)

スネコスは非架橋ヒアルロン酸と、6種類のアミノ酸を国際特許による独自比率で組み合わせたエイジングケア薬剤とされています。

スネコスはシワ改善に使用される一般的なヒアルロン酸と異なり、架橋(添加剤)不使用の薬剤です。粘弾性が低くシワ溝を盛り上げたり、額や鼻筋を隆起させる働きはありません。しかし、非架橋の薬剤は血管閉塞やアレルギーリスクが低く、その安全性の高さもスネコスの特長といえるでしょう。

スネコスをダーマペン4と併用することにより、加齢とともに減少するヒアルロン酸を効率よく補い、うるおいを与えます。同時に6種類のアミノ酸が線維芽細胞を刺激して、コラーゲン・エラスチン産生を促し皮膚に厚みをもたせます。スネコスとダーマペン4の組み合わせは、これまで治療が困難であった青クマや黒クマ、首筋の小ジワを改善するエイジングケア施術が可能とされます。

施術後の赤み：★★★☆☆

期待できる効果・改善を目指せる悩み

• アトピー性皮膚炎
• 皮膚の炎症
• 乾燥肌
• 瘢痕やストレッチマーク
• 上まぶた下まぶたの小ジワ
• 青クマや黒クマ(影クマ）
• 小ジワ
• 首筋の小ジワ

プレミアムセル

主成分：ヒト骨髄幹細胞培養液

プレミアムセルとは、最も効果的に人体細胞に働きかけるといわれるヒト由来の骨髄細胞培養液です。細胞同士の情報伝達を担うサイトカインやさまざまな成長因子が含まれ、加齢により衰えた線維芽細胞を活性化させ、若々しい肌へ導く美肌薬剤とされています。

またプレミアムセルは、神経幹細胞における美白特許技術を保有します。ダーマペン4と組み合わせることにより、コラーゲン・エラスチン等、肌の弾性物質産生だけでなく、色素沈着改善に期待がもてます。

施術後の赤み：★★★★☆

期待できる効果・改善を目指せる悩み

• 小ジワ
• 総合的なエイジングケア
• 色素沈着
• 赤ら顔
• アトピー性皮膚炎

コラーゲンブースター(PCL)

主成分：ポリカプロラクトン(吸収性医療糸と同成分)

PCL(ポリカプロラクトン)とは、手術で使用される体内吸収性の医療糸と同成分で作られた注入剤です。コラーゲンブースターとあるように、注入部位のコラーゲン産生を促し、加齢により弾性物質の失われた皮膚に厚みをもたせ、小ジワやハリ感を改善へと導きます。

コラーゲンブースターは成分の安全性の高さから、目元や口元のエイジングケアに特化した注入剤とされています。ダーマペン4と併用することで、デリケートな上まぶた・下まぶたの小ジワや、初期たるみにアプローチすることができます。

施術後の赤み：★★★☆☆

期待できる効果

• 目尻の小ジワ
• 上まぶた下まぶたの小ジワ
• 黒クマ(影クマ）
• 口元の小ジワ

幹細胞培養上清液(エクソソーム)

主成分：浄化濃縮幹細胞培養上清液

幹細胞培養上清液とは、ヒト幹細胞を培養するときに使用した培養液の上澄み液のことです。幹細胞そのものは除去されていますが、幹細胞を培養する過程でエイジングケア効果があるとされる成長因子やサイトカイン、エクソソームなどが培養液に大量に放出されます。これらを濃縮し、輸液としたものが「幹細胞培養上清液」です。

ダーマペン4と併用することで、幹細胞の衰え・減少により引き起こされるシワやたるみなど、さまざまな老化サインにアプローチすることができます。

施術後の赤み：★☆☆☆☆

期待できる効果

• シワ改善
• 色素沈着改善(シミや火傷痕など)
• 肌のハリや弾力改善
• 炎症性肌トラブル改善
• 総合的なエイジングケア

SRSマスクパック セルフィットピュア(成長因子）

主成分：成長因子・ヒト臍帯血幹細胞順化培養液

多くの医療機関で使用されている「RegenSkinのSRSマスクパック」は、メディカルコスメとしてレーザーやピーリング施術後のクーリング・保湿として使用されています。当院では「セルフィットピュア」というRSCマスクパックの従来品と比べて成長因子が2倍配合されたものを使用しております。

ダーマペン4とも好相性であり、穿刺後の赤みや乾燥を抑え皮膚回復を促すメディカルパックです。パック単体では豊富な美肌成分は角質層までの働きとされますが、ダーマペン4と併用することで真皮層まで成長因子やヒト臍帯血幹細胞順化培養液を届けることが可能です。他の薬剤と組み合わせた、ダーマペン4施術後のホームケアとして使用しても良いでしょう。

施術後の赤み：★☆☆☆☆

期待できる効果・改善を目指せる悩み

• 保湿
• クーリング
• ハリ改善
• 傷の修復
• 美白
• エイジングケア
• 小ジワ

ヴェルベットスキン(PRX-T33)

主成分：トリクロロ酢酸・コウジ酸

PRX-T33はマッサージピールの名で知られるピーリング剤です。真皮まで浸透してコラーゲンを増成する「トリクロロ酢酸」と、シミの原因となるメラニンを作る酵素”チロシナーゼ”の活性化を抑制する「コウジ酸」が配合されている薬剤です。

また、皮膚表面を保護する「過酸化水素」が配合されていることで、これまでのピーリング施術とは異なり、皮膚を剥離することなくターンオーバーを正常化します。

ダーマペン4とPRX-T33を併用する施術は「ベルベットスキン」と呼ばれています。ダーマペン4による穿刺のあとPRX-T33を浸透させ、真皮深層まで薬剤を届けることが可能です。この組み合わせによって、高いコラーゲン産生と、シミやくすみ改善効果が高まり、若々しくハリのある肌へと導きます。

施術後の赤み：★★★☆☆

期待できる効果・改善を目指せる悩み

• ハリ改善
• 毛穴の引き締め
• 小ジワ
• シミ
• ターンオーバーの正常化

アルジルリン

主成分：アセチルヘキサペプチド-3(ボツリヌストキシン基質の断片)

アルジルリンとは植物由来の合成ペプチド(鎖状のアミノ酸)です。”塗るボツリヌス注射”と呼ばれており、表情筋による小ジワを和らげる作用をもちます。ボツリヌス注射ほど筋肉の動きを抑制する効果はなく「眉が下がる」「左右差が生じる」など、表情に不自然さを与えることなく小ジワを改善へ導きます。

ダーマペン4とアルジルリンを併用することにより、表情筋を原因とする小ジワ改善効果はもちろん、軽度のたるみを自然に引き上げる作用があります。また、皮脂や汗の過剰分泌を抑え、毛穴を引き締める効果のある組み合わせ施術です。

施術後の赤み：★★★★★

期待できる効果・改善を目指せる悩み

• 表情筋による小ジワ
• ハリ改善
• 皮脂分泌抑制
• 軽度のたるみ

成長因子(ブライト/MPFRejuvenating Complex)

主成分：ヒト線維芽細胞順化培養液・成長因子・ビタミン類、ペプチド・メラニン抑制物質・ヒアルロン酸

MPF Rejuvenating Complexとはヒト線維芽細胞順化培養液を始めとして、さまざまな成長因子、ビタミン等を配合した美肌薬剤です。「ヒト線維芽細胞順化培養液」は皮膚表皮細胞へアプローチする働きをもち、コラーゲン生成や血管新生※を促すとされています。

豊富に含まれた成長因子と、ビタミンによる強力なメラニン抑制物質により色素沈着を改善し、明るく若々しい肌へと導きます。ダーマペン4とMPF Rejuvenating Complexを併用することで真皮層まで薬剤を浸透させ、シミと小ジワを同時に治療することが可能です。

※血管新生：既存の血管から新たな血管枝が分岐して新しい血管を形成すること。

施術後の赤み：★☆☆☆☆

期待できる効果・改善を目指せる悩み

• 乾燥肌
• ニキビ跡
• シミ
• 小ジワ
• 肝斑

カレシム

主成分：赤鹿臍帯成分

カレシムとは、赤鹿の臍帯(へその緒)から採取した幹細胞を主成分とするメディカルセラムです。世界で初めて臍帯から上皮幹細胞と間葉系幹細胞だけを分離・採取したカレシムは、ターンオーバーを促進させキメを整え、うるおいを与えます。

ダーマペン4とカレシムを併用することで表皮だけでなく、豊富に含まれた成長因子を真皮層へ届けることが可能です。またメーカーの臨床試験により、ダーマペン4の穿刺による赤みや、浮腫を抑えるダウンタイム軽減効果も認められています。

施術後の赤み：★☆☆☆☆

期待できる効果・改善を目指せる悩み

• 小ジワ
• キメ改善
• 色素沈着
• 赤み
• ターンオーバー改善
• ダーマペン4やレーザー照射のダウンタイム短縮

導入薬剤の種類が豊富な当院のダーマペン4施術

ダーマペン4は症状に適した導入薬剤を併用することで、より高い効果と肌悩みの早期改善を目指すことが可能です。今回ご紹介した薬剤やメディカルコスメはすべて当院で取り扱いしており、シワやニキビ跡・総合的なエイジングケアなど、目的にあわせた施術を受けていただけます。

当院ではダーマペン4の初期型モデルも以前より使用しており、医師・看護師ともに臨床経験が豊富です。また、体液飛散を防ぐニードリングカバーや、消毒など徹底した感染症対策をおこなっております。ダーマペン4と導入薬剤の効果やダウンタイム、術後のホームケアなど、いつでもお気軽にご相談ください。

※ダーマペン4によるリスク：内出血・赤み・軽微な出血および腫れ