【論文解説】50歳を超えると女性は男性よりも速いスピードで顔の老化が進む⁉︎
皮膚科学の研究が目覚ましい近年、年代や性別によって異なる老性変化についての論文が数多く報告されています。今回は男女の顔の老化スピードの違いと原因について、また老化を遅らせる美容医療について解説します。
顔の老化は20代から複合的にあらわれる
顔の老化はライフスタイルや環境に関わらず、20〜30歳の間に始まるとされています。「お肌の曲がり角」という言葉があるように、シミや小ジワなどがあらわれる年代です。
老化は皮膚表面だけでなく、皮下脂肪や筋肉・骨格など、全組織に複合的にあらわれます。顔の老化は止まることなく進行し、皮膚のハリ・弾力の減少・リガメントの衰え・骨の萎縮が始まるため早めのケアが大切です。
数値で見る男女の加齢による顔の形状変化
研究方法(老化パターンの数値化)について
参考文献:Windhager S, Mitteroecker P, Rupić I, Lauc T, Polašek O, Schaefer K. Facial aging trajectories: A common shape pattern in male and female faces is disrupted after menopause. Am J Phys Anthropol. 2019;169(4):678-688. doi:10.1002/ajpa.23878
図2に日本語解説を追加
ランドマーク解析データを元に3Dアニメーションとして視覚化することで、加齢による男女の顔の形状変化の違いをひと目で理解することができます。この方法を用いて女性と男性の顔老化を視覚化した結果は以下の通りです。
【女性の顔老化の視覚化】
参考文献:Windhager S, Mitteroecker P, Rupić I, Lauc T, Polašek O, Schaefer K. Facial aging trajectories: A common shape pattern in male and female faces is disrupted after menopause. Am J Phys Anthropol. 2019;169(4):678-688. doi:10.1002/ajpa.23878
図5に日本語解説を追加
上記は女性の顔面老性変化を予測した視覚化画像です。閉経前(35〜50歳)とくらべ、閉経後(70〜90歳)はシワやたるみが顕著となることがわかります。
顔の皮膚全体が下垂し、とくに下顔面に生じたたるみにより顔と首の境が曖昧となり、いわゆる「ブルドッグ顔貌」へと変化しているようです。
35〜50歳までの老性変化は男性の老化パターンと大差はありませんが、50歳以降になると、女性の顔面の老化は男性の2倍の速度で進むともいわれています。
【男性の顔老化の視覚化】
参考文献:Windhager S, Mitteroecker P, Rupić I, Lauc T, Polašek O, Schaefer K. Facial aging trajectories: A common shape pattern in male and female faces is disrupted after menopause. Am J Phys Anthropol. 2019;169(4):678-688. doi:10.1002/ajpa.23878
図4に日本語解説を追加
上記は男性の顔面老性変化を予測した視覚化画像です。年齢とともに顔の凹凸が失われ、顔全体が平らな印象に変化しています。まぶたや鼻先が下垂し、唇が薄くなっていることが認められます。
また、アゴのラインもシャープさが削がれ卵型の輪郭が四角へと変化したり、パーツが平坦になり輪郭が変化し顔が大きく見えることも、老人性顔貌の特徴といえるでしょう。
2つの視覚化画像を見ると、女性の老性変化とくらべて男性は皮膚の下垂が少ないといえます。
皮膚老化のスピードは男性の方が早いというデータも
性別による肌の老性変化の違いを研究した報告は数多く発表されています。ある化粧品メーカーの研究によると、女性と比較して男性の肌は抗酸化力が弱く、炎症を引き起こしやすいことが解明されました。また男性はスキンケアやUVケアへの意識が女性よりも低い傾向にあり、肌トラブルを原因とするシミやシワなどの老化においては、男性の方が早いことが示唆されています。
男女ともにエストロゲンの減少が顔の老化に影響
顔の老性変化は男女ともに「エストロゲン」と呼ばれるホルモンが大きく影響します。エストロゲンとは一般的に”女性ホルモン”と呼ばれるステロイドホルモンの一種です。エストロゲンは男性の体内にも存在するホルモンとなり、精巣から分泌されるテストテロン(男性ホルモン)の一部がエストロゲンに変化します。
エストロゲンは生殖器官の発育だけでなく、男女問わず線維芽細胞の活性による美肌維持や骨の新陳代謝に深く関与するホルモンです。とくに女性は閉経期を迎えると、骨吸収を抑制する役割を担うエストロゲン分泌量が急激に減少します。そのため男性とくらべ骨密度が著しく急激に低下し、顔面骨の萎縮が引き起こされ、皮膚のたるみがあらわれやすいといわれています。
50歳以降の女性は男性よりも老化スピードが加速
【閉経後女性の顔老化の視覚化】
参考文献:Windhager S, Mitteroecker P, Rupić I, Lauc T, Polašek O, Schaefer K. Facial aging trajectories: A common shape pattern in male and female faces is disrupted after menopause. Am J Phys Anthropol. 2019;169(4):678-688. doi:10.1002/ajpa.23878
図6に日本語解説を追加
上記画像は35歳のモデルを使用した閉経後の老性変化を視覚化したものです。35歳を起点として、プラス20歳(55歳)、プラス40歳(75歳)と、それぞれの老性変化が確認できます。
女性は閉経後、エストロゲン分泌の低下により著しい骨萎縮が始まります。女性は男性よりもエストロゲン減少による影響が大きく、閉経が始まる50歳頃では顔面の老化速度が男性の2倍であるとの結果が報告されました。また、50〜60歳の間では男性とくらべ、最大3倍もの速さで老化が進行するとの報告が挙げられています。※下図のグラフ参照
参考文献:Windhager S, Mitteroecker P, Rupić I, Lauc T, Polašek O, Schaefer K. Facial aging trajectories: A common shape pattern in male and female faces is disrupted after menopause. Am J Phys Anthropol. 2019;169(4):678-688. doi:10.1002/ajpa.23878
図7に日本語解説を追加
顔面の老性変化の男女差のまとめ |
---|
・性別や生活環境を問わず、20代から顔の老化が始まる ・女性の35〜50歳までは男性の老化速度と変わらない ・閉経により女性は男性の2倍の速度で老性変化が生じる ・おもな原因はエストロゲン分泌低下による骨萎縮 ・顔の凸面が失われ、下顔面のたるみが顕著となる |
参考文献:Windhager S, Mitteroecker P, Rupić I, Lauc T, Polašek O, Schaefer K. Facial aging trajectories: A common shape pattern in male and female faces is disrupted after menopause. Am J Phys Anthropol. 2019;169(4):678-688. doi:10.1002/ajpa.23878
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ajpa.23878
下顔面のエイジングケアに好相性な美容医療施術
顔面骨の減少を補う「ヒアルロン酸注入」
顔面の骨萎縮は40歳あたりから少しずつ始まり、頬のたるみや二重アゴを引き起こします。骨萎縮を補う美容医療はヒアルロン酸注入が第一選択です。粘弾性の高いヒアルロン酸を骨膜上に注入することで、骨吸収による凹みを補うことができます。
顔全体のバランスを見て適切な位置にヒアルロン酸注入をおこなうことで、下垂した皮膚が引き上げられると同時に、視覚効果により若々しくシャープなフェイスラインへと導きます。
下垂した組織を引き締めリフトする「ウルニューマ」
ウルニューマとはHIFUマシン「ウルトラフォーマーMPT」とRFマシン「ボルニューマー」を組み合わせた当院オリジナルの照射施術です。2つのエネルギーが下垂した組織を強力に引き締めながら全顔のリフトアップを目指します。
また、当院はウルトラフォーマーMPTの症例数が非常に多く、カートリッジ使用量は全国でTOP5に入ります。その功績が認められ、ウルトラフォーマーMPT開発メーカーのCLASSYS社よりHIFU賞を受賞しました。HIFUが初めての方、従来のリフトアップ施術に満足できなかった方は、当院までお気軽にご相談ください。
RF×脂肪溶解注射×スレッドの組み合わせ「クワトロリフト/トリプルタイト」
皮下の深い層に至るまで複雑に原因が生じるたるみ・もたつきを改善に導く、部位別パッケージプラン「クワトロリフト」「トリプルタイト」。ボルニューマー(RF)・脂肪溶解注射・糸リフトを部位や症状に合わせて組み合わせることで、当日中に若々しいフェイスラインへと導きます。
関連のブログ記事一覧
- 2022/05/09
- ヒアルロン酸注入で試される 医師のセンスと技術力
- 2024/12/24
- 高周波(RF)マシン比較と当院がボルニューマーを導入した理由
- 2024/07/31
- 年齢を重ねると顔が大きく・長くなる理由を医師が解説
- 2019/12/11
- プレゼン成約率が上がる!?ライバルに差をつける奥の手があります。
- 2024/07/18
- HIFUと高周波(RF)によるエネルギー伝達の違いと効果の比較
ヒアルロン酸についてもっと詳しく
Special Reccomend
施術の様子や各院の最新情報はSNSをチェック!
ACCESSclinic
休診日:なし
銀座・数寄屋橋交差点不二家の看板が目印
〒104-0061
東京都中央区銀座4-2-12 銀座クリスタルビル5F
銀座駅B10出口から徒歩約0分、有楽町駅A0(東側)出口から徒歩
約1分、日比谷駅A1出口から徒歩約2分 銀座・数寄屋橋交差点
不二家の看板が目印のビル
休診日:水・日
吉祥寺駅北口徒歩1分 駅前ロータリー、アーケード入口手前
〒180-0004
東京都武蔵野市吉祥寺本町1-1-12 小野山ビル3F