今回は当院で使用しているピコレーザー機器(ピコウェイ Picoway)を取り上げます。
*以前の記事でピコレーザーと従来レーザーとの違いについて解説しておりますので、良かったら読んでみてください。
肝斑の治療とピコレーザーについて現状分かっている内容をお話していきます。
まずは肝斑治療について少しだけ復習して、ピコレーザーの評価をお伝えします。
肝斑治療はもともとスキンケア指導をベースとして内服、外用、イオン導入などが行われていました。
しかしどの方法もメラニンの合成を抑える方法。
メラニンが沈着するのを抑えることは出来ても、沈着したメラニンを破壊するものではありませんでした。
肝斑は未だに原因不明の病気ですが、分かっていることはメラノサイトのメラニン合成が速くなっていることです。
そのため上記の方法は理にかなっていますが、効果には個人差があり治癒傾向に至らない場合や効果がゆっくり過ぎて満足を得にくかったりしたわけです。
そこで2008年にQスイッチヤグを利用した「レーザートーニング」という照射方法が報告されます。
これまでは抑えることしか出来なかった肝斑治療。
そこに積極的に改善させる治療法が加わったことで、急速にレーザートーニングが普及しました。
その特徴はメラニンを破壊しつつもメラノサイトを刺激しない。
従来の照射方法ではメラノサイトを刺激することでメラニン合成が増加して、肝斑が悪化することがあったわけです。
しかし、このトーニングはそのリスクを最小限に抑えて治療を行える理想的な治療方法なわけですね。
トーニング、というのは先ほどお話しした照射方法のことです。
ピコというのは新世代のレーザー機器であり、今までの機器よりも1回あたりの照射時間が1/10、1/100と短いものです。
照射時間(パルス幅といいます。)が短いことでレーザーの出力がアップします。
それだけ効果が得られやすいということですね。
さらに、周囲へ不要な熱が発生しにくくなるので正常部分へのダメージも少ない。
このような特徴があります。
現在主に3種類のピコレーザ-機器が存在します。
当院で使用しているのはシネロンキャンデラ社のPicoway
3つの機器の中でも最も短い照射時間です。
様々な治療を受けても効果を得られなかった方がピコトーニングを2~3週ごとに5回受けたところ改善を認めたという報告もあります。
その一方で“効果が強いならメラノサイトを強く刺激してしまうのでは?”という懸念もあります。しかしそれに関しては照射時間が短いことで周囲への影響が少なく安全性が高いと考えられています。
従来のレーザー治療よりも治療に要する回数は少なく、色素脱失などの副作用も少ないとされています。
まだ新しい機械であるゆえに照射方法などについてはさらに発展の余地がありますが、現状では非常に魅力的な治療方法と言えます。
また新しい情報があれば共有します!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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