maskとacne、マスクとアクネ(日本語でにきび)を組み合わせた造語です。以前もマスクによる肌トラブルに関することをご紹介しましたが、マスクが原因になる肌トラブルは明らかに増加しています。先日テレビの取材を受けさせていただきまして、少々お話させていただきました。今回、改めてマスクによる肌トラブルの原因とその対策について、放送内容の確認と補足の意味もあわせて書かせて頂きたいと思います。米国皮膚科学会認定皮膚科医によるマスクネに対する対策がまとまっていますので、それをもとにご紹介致します。
洗顔して、保湿をしましょう。
洗顔は香料の含まれないやさしい洗顔料で、ジェントルに洗いましょう。乾燥は肌の最大の敵といっても過言ではありません。セラミド、ヒアルロン酸、シリコーン油が含まれる保湿剤が推奨されています。脂性肌、乾燥肌、肌質に合わせてジェルやクリームなど保湿剤の種類を個別に適したものを使用するのがお勧めです。毎日の洗顔の後に使用しますが、お出かけ前、マスクを着用する前にも使用すると肌トラブルの予防に繋がります。
唇もあれますから、ワセリンを使いましょう。
乾燥すると唇のしわが目立ち、ひび割れも出ます。洗顔後、マスク着用前、就寝前にワセリンを唇に塗りましょう。広範囲に使用すると逆にニキビを誘発することもありますから、唇だけに乗せるようにしましょう
マスク着用中はメイクを控えましょう。
マスクの下でメイクをしていると、毛穴を詰まらせ、ニキビ吹き出物ができやすくなります。もし、どうしてもメイクをしなければいけない時には、ノンコメドジェニックの表記のあるコスメや毛穴を詰まらせることのないコスメを選びましょう
この時期には肌荒れを起こす可能性のある新しいスキンケア商品を試すのは控えましょう。
マスク禍のこの時期、肌はとても敏感です。刺激の強いスキンケア商品、ピーリング系のものや強いスクラブ、レチノイド系のものは特に控えたほうがよろしいです(注:日本ではこのマスク禍で、むしろレチノイド系のゼオスキンが大ヒットしてます。。。)
肌荒れ、炎症をおこしているときには特定のスキンケア商品を控えるようにしましょう
とくにサリチル酸含有(ピーリング系)のものや、レチノイド系、アフターシェーブローションなどは控えましょう
正しいマスクを選びましょう
1.ぴったりフィットするけど、着け心地が良いもの
2.少なくとも2層構造以上のもの
3.皮膚に触れる面は柔らかく、ナチュラルで通気性がよく呼吸しやすい綿製のものがいいでしょう
鼻、あご、ほほ、フィット感はそもそも自身や周りへの感染予防に必要ですね、そのうえで着け心地が良いのがベストです。繊維も重要で、皮膚に触れる面にナイロン、ポリエステル、レーヨンなどの合成繊維が使用されているものは控えましょう。これらの繊維は刺激性が強いものがあります。耳の後ろがカサカサしたり、かゆくなるのを防ぐために、イヤーループの異なるマスクを日替わりで使うなどの工夫もよろしいですね。
4時間に1度程度、マスクを外す時間を作りましょう
コロナ禍の最前線で戦う医療スタッフ達がこのわずかな休息が肌を健康に保つのにすごく役にたったと経験から教えてくれています。もちろん、外しても大丈夫なTPOを選んで、必ず手をよく洗った後に外しましょう
布製のマスクは洗いましょう
肌荒れを起こす老廃物や汚れをしっかり落とすために、布製のマスクは都度使用ごとに洗濯することが推奨されています。機械でも手洗いでも、雑菌や汚れがしっかり落とせればどちらでも大丈夫です。ただしマスクごとに、洗剤や洗い方の指定があればそれに従いましょう。香料のない、アレルギーを起こしにくい成分の洗剤を使用しましょう。洗濯後はマスクの形状を確認してください。もし、形が崩れてフィット感がなくなってしまっているようでしたら、感染防御性能が当然落ちてしまっています。
もし、ニキビや酒さなど、通院中の症状がある場合には、しっかり担当医の指示に従いましょう。
以上ざっくりとポイントの解説をさせていただきました。取材のときにもお話させていただきましたが、確実にマスクネは日本でも増えています。もともと、ニキビが気になるから治療したい、という新規の方がすごく増えたという印象は実際ありません。しかし、肌のお手入れで当院に通ってくださる方々の中にこのマスク禍のせいで、ニキビができてますね、っていう方は明らかに多いです。体感的に2割以上の方にニキビが発生しているように感じます。ガサガサや赤みなどの肌荒れの症状も含めればもっと多い印象です。今回のマスクネ対策に関しては、どれも当たり前やん、という感じの内容で、真新しさはありませんが、何かの参考になりましたら幸いです。
ゼオスキン、ここ最近おこもり美容でブームのようです。非推奨ですが^^;。番組でもコメントしたのですが、この時期のクリニックでの治療に関してはハイドラフェイシャルが非常にお勧めです。ピーリング系の治療は、本文を考慮すると推奨されない感じになりますが、ハイドラフェイシャルの本質は薬剤によるピーリング作用ではなく『洗浄・クリーニング効果』にあると僕は考えています。ですから、ピーリングというより洗浄ととらえたときには、①のクレンジングを効果的に行う、と言えますよね。実際、日々マスクを外した後に、しっかり洗顔されていることと思いますが、自力での洗顔では落としきれない汚れがあります。その頑固な汚れを月に一度、しっかりクリーニングするのは、このマスク禍を美しく乗り切る良い手助けになると思いますよ。
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