年齢を重ねると顔が大きく・長くなる理由を医師が解説
老化で顔が大きく・長くなる状態とは
体重は変わらないにも関わらず「顔が大きく見える」「顔が長くなった」「輪郭がぼやけてきた」など、30代を境に、肌だけでなくフェイスラインも変化していきます。
若々しいフェイスラインの定義とは一般的に丸みを帯びた額と頬、顔と首の境界がはっきりしている状態です。
しかし加齢にともなう顔面骨の萎縮や表情筋の衰えにより、顔の曲線が失われ、中顔面が間延びしていきます。また、リガメントの緩みにより、支えきれなくなった脂肪が下垂し、頬のたるみを引き起こします。
フェイスラインだけでなく目のくぼみや唇のしぼみ、口角下がりも加齢による顔印象の変化です。目や唇などのパーツが小さくなることで顔の余白が広がり、顔を大きく見せる要因となります。
若い頃の顔の特徴
額に丸みがあり頬の位置が高く、シャープなフェイスラインにより中顔面が短く見える
- ・丸みを帯びた額
- ・生え際の産毛
- ・パッチリと開く大きな目
- ・頬の位置が高い
- ・たるみのないフェイスライン
- ・ふっくらとした唇
- ・シャープなアゴ
30代以降の顔の特徴
ゴツゴツとした額が老けた印象を与え、たるみにより顔の重心が下がり中顔面が長く見える
- ・ゴツゴツとした額
- ・こめかみの凹み
- ・生え際の産毛や毛髪量の減少(額の広がり)
- ・まぶたが下がり目が小さくなる
- ・頬の位置が下がる
- ・たるみの生じたフェイスライン
- ・鼻が高さを失い小鼻が横に広がる
- ・薄くしぼんだ唇
- ・アゴ下のたるみや二重アゴ
老化で顔が大きく・長く見える5つの原因
加齢によるシワやたるみは皮膚弾性物質の減少だけでなく、顔面の骨萎縮が大きな原因です。皮膚の土台が縮み、脂肪を支えるリガメントの衰えは皮膚下垂を引き起こします。一方、咀嚼や歯の食いしばりが積み重なり、咬筋が肥大することで顔が大きくみえる方もいらっしゃいます。
年齢とともに顔が大きく・長く変化する理由は複合的であり、各部位の衰えに対して適切な施術をおこなうことが大切です。
原因①皮膚の弾力低下により顔印象がぼやける
肌のハリ感はコラーゲンやエラスチン・ヒアルロン酸などの皮膚弾性物質により作られています。
しかし加齢とともに皮膚弾性物質を生成する線維芽細胞が衰え、コラーゲンやエラスチンが減少すると、真皮のボリューム不足によるハリ低下を引き起こします。これは老化の初期症状であり、やがて深刻なシワへと進行します。
また、目周りのハリ不足で目は小さく見え、唇はボリュームを失い薄くなるなど、顔のパーツが縮小することでぼやけた顔印象につながります。
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原因②脂肪の下垂により顔の重心が下がる
皮膚はおもに表皮層・真皮層・脂肪層に分かれ、骨から貝柱のように伸びるリガメント(支持靭帯)により支えられています。コラーゲン線維で構成されるリガメントは加齢によって衰え、柱を失った真皮や脂肪は重力とともに下垂します。
脂肪下垂は一般的に”たるみ”といわれ、下顔面に脂肪が移動した状態です。顔の重心が下がるため中顔面が間延びし、四角い輪郭となります。
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原因③骨・脂肪の減少で余剰皮膚がたるむ
30代以降になると顔面骨萎縮や脂肪の減少が顕著となります。顔面骨は顔の土台であり、脂肪は肌にハリ感をもたせる中綿の役割です。この2つが減少することにより、余剰となった皮膚がなだれのように下垂します。
顔面骨や脂肪の減少は、目の下のたるみ・ゴルゴ線・ほうれい線など、さまざまな老化症状を引き起こします。眼瞼下垂により目は小さくなり、鼻骨の萎縮は小鼻を横に広げ、低く大きな鼻となることも少なくありません。
また、口周りやアゴの骨萎縮は人中の間延びや唇全体のしぼみだけでなく、顔と首の境界が曖昧となり顔を大きく見せる原因となります。
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原因④咬筋の発達によって顔面積が大きく
咬筋とは頬骨と下アゴをつなぐ大きな筋肉です。一般的に「エラ」と呼ばれ、奥歯を噛み締めた際に、ポコっと外に張り出します。咀嚼や食いしばりにより咬筋が肥大することでホームベース型のフェイスラインとなり、顔面積を大きく見せます。
ホームベース型(エラ張り)の原因が咬筋であれば、ボツリヌス注射により改善することができます。エラ部分に手をあて奥歯を噛み締めた際、咬筋の張り出しがある方はボツリヌス注射の適応となります。
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原因⑤毛髪・産毛の減少により額面積が広がる
加齢やカラーリング、髪型などの影響により、生え際の産毛や毛髪は減少します。額の後退は顔の余白が広がり、顔を大きく見せる要因のひとつです。
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老化のメカニズムについてより詳しく知りたい方はこちら
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