【超重要】シミ治療に必須の知識、AMCとは?
こんにちは、森です。
ようやく花粉症が落ち着いてきて、集中力も戻り始めてきた気がします。
はぁ、辛かった…
それから勤務日についてです。
もともと銀座院の金曜日のみを担当しておりましたが、数か月前から月金の勤務になりました。担当させていただくお客様は、引き続きよろしくお願いいたします。
では本題です。
日本人の美容にとって大敵であるシミ。
主なものだけでも以下の通りに分類され、他にも多数存在します。
この治療は簡単そうで難しく、僕たち医師から見ても診断がはっきりつかないもの、複数のシミが混在するものがありますし、そもそも疾患概念が明確でないものもあります。
そんな中様々な研究がなされ、治療方法も開発され、試されています。
以前ある書籍でAMC(Activity of melanocytes, メラノサイトの活動性)という概念を学び、治療やご説明にに非常に役立っています。
今回はそのAMCについて解説したいと思います。
1.AMCとはなにか?
AMC(Activity of melanocytes, メラノサイトの活動性)を説明する前に、メラノサイトについて確認しておきましょう。
メラノサイトとは?
メラノサイトは色素細胞とも言われる、メラニンをつくる細胞のことです。
(ちなみにmelanoは”黒い”という意味だそうです)
表皮基底層という深い位置から、真皮層にはみ出すように存在しています。
「お前がいなければシミもできないのに!」って感じもするのですが、このメラニンが紫外線から僕たちを守ってくれる部分もあるわけで、大切な存在でもあります。
過剰なシミ治療によりメラノサイトごと殺してしまうと、白斑(いわゆる白抜け)ができてしまうこともあります。
つまりここで言いたいことは
「メラノサイト自体にはいてほしいのだけれど、
メラニンの作りすぎ(過剰産生)は歓迎できない」
ということですね。
AMCとは?
では続いてAMC(Activity of melanocytes, メラノサイトの活動性)について説明していきます。
例えば肝斑という疾患があります。
実はこれこそ疾患概念が明確になっていないのですが、メラノサイトの活動性が亢進(こうしん、過剰であること)していることが分かっています。
ニキビや治療後の炎症後色素沈着についても同様で、炎症に対してメラノサイトの活動性が亢進しています。
このような状態をAMCの亢進というわけです。
まぁ言葉にするとそのまんまなんですが、なんとなくかっこいい気がします。
2.AMCの概念を治療に活かす
ではこのAMCという概念。
治療にどう活かすのでしょうか?
写真で見てみると…
まずは次の写真をご覧ください。
シミの他に“モヤモヤっとした”エリアがありますよね。
このようなエリアではメラニンの作りすぎ(AMC亢進)が起きていると考えます。
一方で次の写真はいかがでしょうか?
シミはありますが、あまりモヤモヤはありません。
(細かいシミは存在しますが、様子が違いますね)
この場合はAMCの亢進はなさそうだと判断します。
治療への応用
さてようやく本題という感じですが、治療の考え方をお話します。
これは非常に単純で、次のようにまとめることができます。
「AMC亢進がある場合はそれを沈静化しながら治療を行う」
「AMC亢進がなければシンプルに治療のみ行う」
まとまりすぎてちょっと分かりにくいですね。
説明します。
AMCが亢進している時にレーザーやフォトの治療を行うと、次のような結果が考えられます。
- 治療効果が出にくい
- 治療後に色素沈着を起こしやすい
- 再発しやすい
考えてみれば当たり前ですよね。
メラニンを作りすぎているわけですから。
ですので、シミを見る場合にはその診断とともにAMCの程度を確認していくことになります。
「AMCがないからシンプルな治療で行けそうだな」とか「AMCが目立っているから単独治療では難しそうだな」といった感じです。
AMCの沈静化
では最後に、AMCをどうやって沈静化するかで締めます。
これには主に次のような方法があります。
- トラネキサム酸 (内服、外用)
- ハイドロキノン外用
- ビタミンC, E
- グルタチオン
- システアミン
- レチノール、トレチノイン
全てではないですが、こんな感じですね。
「なんか知ってる治療ばかりだなぁ…」と思った方もいらっしゃるかもしれません。しかしここで大切なのは、診察の際にAMCの程度を評価した上で治療方法を検討するという点です。
AMCを放置してシミ治療を行ってもなかなか治療は上手くいきません。しかしそれを知らずして(もしくは医師の説明不足で)あれもこれも治療を勧めれると、押し売りのように感じてしまうかもしれませんよね。
ということでAMCという考え方はとても重要で説明の際にも非常に役に立っているというお話でした。
おわりに
今回はシミ治療に大切な知識、AMCについて解説しました。
これから治療をお考えの方にはぜひ知っていただきたい知識です。
それでは、月曜日、金曜日のカウンセリングでお待ちしております。
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