しみ・肝斑(かんぱん)
シミと一言で言っても、実際にはたくさんの種類があります。多くのシミはメラニン色素が、皮膚の一部に沈着し、増えている状態を指します。メラニン色素の沈着している位置、深さ、量、沈着の仕方、年齢などからシミを明確に分類し、適した治療法を選択することが治療の上で重要です
老人性(日光性)色素斑
はっきり、くっきりした茶色い色調のものが多く、円形ないし楕円形のものが多いです。20代後半より少しずつ増えてきます。主に紫外線や加齢性変化により新陳代謝が乱れ、衰えていくことが原因となります。正常な皮膚のターンオーバーは28日周期とされていますが、実際には年齢と共に遅くなり代謝は衰えます。
30代では約40日、40代では50日以上必要になります。メラニン色素が新陳代謝により排泄されず、年齢と共に徐々に蓄積することにより目立ってくるシミです。
老人性(日光性)色素斑の治療法
たまっているメラニンの除去
- 1回で治療:シミレーザー
- メディカルエステでアンチエイジング:ルメッカ、M22、マグマ、BBL、ソラリフェイシャル、ピコトーニング、レーザートーニング
- 自宅で内服・外用:トラネキサム酸、シナール、タチオン、HQトレチノイン
太田母斑様色素斑、後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)
主に両ほほに左右対称的に見えることが多く、3~5mm程度の小さな淡いシミが集まっているように見えます。茶色く見えるものが多いですが、青みがかった紫色の色調に見えるものもあります。本来、メラニンが作られない真皮層という深い部分での異常なメラニン発生が原因です。何故、作られてしまうのか原因はいまだ不明な点もあります。
太田母斑様色素斑、後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)の治療法
より深い部分のメラニンの除去
ソバカス
本来シミなどできない学童期から見られもので、家系など遺伝的要素の関係が深い、白人系の人に多く見られるシミです。日焼けすることでより目立ちます。皮膚の一部分、一定ヵ所でメラノサイト(メラニンの工場)の活動が活発になっていることが原因と考えられます。
ソバカスの治療法
メラニンの除去、メラノサイトの活動を抑える
- 1回でかなり薄くできる:シミレーザー
- メディカルエステでアンチエイジング:ルメッカ、M22、BBL、ソラリフェイシャル、ピコトーニング、レーザートーニング、各種ピーリング
- 自宅で内服・外用:トラネキサム酸、シナール、タチオン、HQトレチノイン
炎症性色素沈着、摩擦黒皮症など
ヤケドやケガなど、キズそのものが治ったあとにいわゆる【アト】として見える状態を指します。程度は様々ですが、年齢と共に薄くなるのに時間がかかり、その【アト】が残ってしまうケースも増えてきます。
外傷が原因で、その後メラニンが一時的に増えている(多く作られてしまう)状態ですが、数週間~数か月で次第に薄くなっていく特徴があります。根本原因は外傷の影響によって残った炎症といえます。しばらく時間が経過したものは炎症がなくなった後も、持続します。
炎症性色素沈着、摩擦黒皮症などの治療法
炎症を鎮める、メラニンの除去
- メディカルエステでアンチエイジング:ピコトーニング、レーザートーニング、各種ピーリング
- 自宅で内服・外用:トラネキサム酸、シナール、タチオン、HQトレチノイン
肝斑(かんぱん)
肝斑とはしみ・くすみの一種で両頬に左右対称に現れる、ぼんやりとした淡く茶色に見える色素斑です。肝機能障害や肝臓病とは関係ありません。
典型的な肝斑の外見上の特徴
- 両頬に対照的にある(ひたいや唇の周りに出ることもあります)
- 肝斑の部分と健康、正常な部分との境界がはっきりしない、もやもやとしている
- 妊娠や出産、月経などにより色調が濃くなったり薄くなったり変化する事がある
肝斑発生のメカニズム
肝斑は10代後半から60歳くらいまでの女性のみ※にできるシミです(※30〜40代女性に最も多く、極めてまれに男性にできる事もあります)。ぼんやりと、影のようにも見え、くすみと呼んだ方が適切な表現といえます。肝斑と【その他のシミ】が混在する、混ざっていることが多く、肝斑しかないという方はほとんどありません。女性の性周期に伴って色調が変化することがあり、妊娠や出産、閉経などにより肝斑が出現あるいは消退する事がしばしばあります。これらの特徴から、肝斑は女性ホルモンの影響を強く受けているシミと考えられています。ストレスや睡眠不足、生活習慣の乱れによっても、ホルモンバランスは影響を受けますので、不規則な生活習慣なども肝斑が悪化してしまう要因となります。また、紫外線による生じる皮膚の炎症や、メイク・メイク落としの際に皮膚へ加わる摩擦も皮膚の微弱な炎症を惹起する原因と考えられています。乾燥や肌荒れといった皮膚の炎症も肝斑悪化の原因になりますのでスキンケアに気を付けることも重要です。この皮膚に加えられる炎症が重要な原因となっている点で肝斑は炎症性色素沈着の一種と考えられています。
肝斑(かんぱん)の治療法
炎症を鎮める、メラニンの除去
- メディカルエステでアンチエイジング:ピコトーニング、レーザートーニング、リバースピール、プラズマフェイシャル
- 自宅で内服・外用:トラネキサム酸、シナール、タチオン、HQトレチノイン
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